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《君を守るために》ゴドー
仕事を終えて、足早にエントランスへ向かえば。
煙草を吹かす恋人の姿。
足音に気づいた彼はゆっくり煙草を揉み消して立ち上がる。
そして、何食わぬ顔で私の隣を歩くのだ。
これはいつものことで、一緒に出勤して、一緒に帰宅する。
何度となく繰り返したのだけど、未だに恥ずかしくて慣れない。
『…ねえ、やっぱり別々に出勤しようよ』
「同じ時間に着くように、同じ場所へ、しかも同じ場所から行くんだぜ?別々にする方が難しくないか?」
…その通りである。
まして朝食を作るのは私だし、モーニングコーヒーを煎れてくれるのは彼だ。
どうやったって一緒に家を出ることになる。
『じゃあ、帰りは別でもいいでしょ?私が先に帰れば、ご飯とかお風呂の準備できるし。荘龍が先に帰れば一息つく時間もあるでしょ?』
「…そんなの遅くなっても構わねぇさ。それに、俺が一人で帰ったら二度手間だしな」
『え?なんで?』
「先に帰っても、コネコちゃんを迎えに局まで戻るんだぜ?どう考えても二度手間だろう」
『いやいや、さすがに一人で帰れるから』
彼の思考回路は、なぜか私と一緒に帰ることが前提らしい。
小学生じゃあるまいし、家と職場の往復くらい問題ないはずなのに。
「女の一人歩きなんて、夜させるわけにいかねぇだろ。…雨月の恋人としては」
『…』
冗談まじりに笑って済まそうとすれば、そんな返事がきて。つい口を噤む。
「帰りを待ってる間とか、仕事してる途中でも。心配で仕方ねぇんだぜ?」
『大丈夫だってば』
「…俺が、大丈夫じゃねぇんだ」
するり。と、絡んできた指先。彼はめったに手をつないだりしない。
まして、俗にいうカップル繋ぎなんて例外もいいとこだ。
「傍にいれば守ってやれるかもしれねぇのに、その可能性さえない、傍にいないってのはダメなんだ」
『…』
「…居させてくれよ」
強く握りしめられた手。
より強く指を絡め返せば、マスク越しの視線がこちらを向いた。
『…うん』
失う事を怖れる貴方を失う事が
この世で一番怖い事
手を繋ぐのは、離れない為に。
Fin.