夕神詰め合わせ
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《夕飯はカレーです》
カレーの日
『あ、夕飯の買い物してかなきゃ…』
仕事帰りの帰路、最寄り駅で降りてふと気づいた。
冷蔵庫にめぼしい食材がなかったこと。
「仕方ねェ荷物持ちくらいしてやらァ…晩飯の献立は?」
『えーっと…』
隣を歩く同じ家の住人。
服とか日用品の買い物はあまり乗り気じゃないのに(荷物があれば手伝ってくれるけど)、食べ物の事だとどこか楽しげについて来てくれる。
その反応をこっそり楽しみながら、残り少ない冷蔵庫の中身や自分のレパートリーを思い浮かべる。
『カレーかシチューかハヤシライス。もしくは肉じゃが』
「えらくざっくりした案だな」
『人参、玉ねぎ、ジャガ芋はあるんだよ。この前箱買いしたやつ』
「…そういや久しくカレー食ってねェな」
『いつも和食だもんね。よし、今日はカレー!』
お肉もルーもないし、付け合わせにするものもなかった。買い物が多くなりそうな気もするけど、彼がいるから多少なら大丈夫かな。
なんて、買うものを頭の中でリストアップしながらスーパーへと足を向ける。
『さてと、普通のカレーでいい?』
サラダにする野菜をカゴに入れて、精肉売り場を見る。
私のいう普通は、ポークカレー。カレー用の肉じゃなくて、豚コマを使った安上がりの方。
「ああ。うちのカレーもそうだったなァ」
『へー、結構メジャーなのかな?』
豚コマを1パックカゴに足して、ルーを選びに店内をうろつく。
『…あった、カレールーの辛口』
青いパッケージの辛口カレー。このメーカーの辛口は他のメーカーの物より辛い。
それをカゴに入れようとすると、横から差し出される赤いパッケージ。
私のとは違うメーカーで、"ここのカレー甘いんだよね"と、回想するうちに目に入った[甘口]の文字。
『…あれ、迅って辛いのダメだっけ?』
「…」
『意外としか言えない』
無言の肯定というか。
睨むような目力で見下ろされると何も言えないのだけど。
アラサーの大男が、カレーの甘口。可愛いじゃないかチクショー。
『間をとって中辛じゃダメ?』
「…これなら」
今度は緑のパッケージ、甘いメーカーの中辛のやつだ。
…甘口よりの中辛とでも言おうか、そんなやつ。
『じゃあ、それで』
「笑ってんじゃねェよ」
『そんな、無茶な、ハハハ』
「…斬んぞ」
『カレー激辛にするよ』
「……」
おとなしくなった可愛い彼を連れて、中辛のカレーを作りました。
そうそう、
1月22日はカレーの日
らしいです。
(中辛も結局食べられなくて)
(チョコとハチミツを混ぜたのは)
(二人の秘密)
(だったりする)
Fin.
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