御剣と色んな勤め人
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《花屋》
2013.3~2013.6
それは、検事局の隣にある花屋の前でのこと。
バシャッ
『きゃあっ!!すみません!弁償します、クリーニング代払います!』
「いや、大した事ではない」
『いえ、でもでもっ』
「構わないから」
花屋の彼女とはそんな出会い方をした。
スラックスに少量の水がかかっただけだったのだが、"せめてお詫びに"と渡された花束が気に入って、毎月花を買うようになった。
そして、持ってくる花に纏わる伝説やルーツを話してくれる彼女に、どんどん惹かれていった。
『こんにちは。お花届けに来ました』
「ム?今日は…」
『これはサービスです。御剣さんはお得意様なので特別に』
渡されたのは2つの鈴蘭の鉢植。
小振りの鉢に"I wish your happiness"のメッセージカードが付いている。
『5月1日に鈴蘭をプレゼントされた人は幸せになれるって言われてるんです』
「そうか…」
『プレゼントしたい方がいらしたら片方差し上げて下さいね、では』
「…待ちたまえ」
『なんですか?』
メッセージカードの下に、私の名前と彼女の名前を書き足す。
「この鈴蘭は…君に渡そう」
『えっ…!』
「私からでは…嫌かな?」
『そんなことっ…、ありがとうございます!』
そしてこれが馴れ初め。
『あの時は血の気が引いたよ…まさか水かけちゃうなんて…』
「もの凄い慌てようだったな」
『だって片思いしてる人に……終わったと思ったよ。嫌われると思った』
「まあ、それがあって今ここにいるのだから…運命とでも言おうか」
『そうだね。必然だったのかも』
今私達は……教会にいる。
「愛してる…」
『私も愛してる…怜侍』
Fin.