御剣詰め合わせ
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《カラオケ》
自分は、大して歌は上手くない。楽器の嗜みはあるし、楽譜も読める。だが、
『あれ?怜侍は歌わないの?』
カラオケ
という場所で歌える歌は持ってないのだ。
「何を歌ったらいいのだ…」
『好きな歌ならなんでもいいんだよ。二人しかいないし、どんな曲でもどんなクオリティーでも』
「…」
『ま、機械いじりながら考えなよ。私いれていい?』
「あ、ああ」
『順番気にしなくていいから、入れたい時にどんどんやって』
言うないなや、彼女は曲を入れはじめる。
有名なCMソング、ドラマの主題歌、自分は知らないアニメの曲、ジャンルは様々だ。
一方自分はトノサマンのテーマソングをいれ、その映像を楽しむというもの。
そして、何気なく口ずさむ彼女を見ては無意識に笑みをこぼした。
彼女の歌唱力は、普通に上手、というもので。絶賛するほどではないが、決して下手ではない。
それでも、
「また、カラオケ行かないか」
『怜侍カラオケ気に入ったよねー、全然歌わないのにさ』
「…いいではないか」
彼女の声を独占できるのが嬉しかったし、彼女の声が好きだった。
『~♪』
「…」
『、怜侍って本当歌わないよね。楽しい?』
「ああ、聴く方が楽しいな」
『なら、もっと上手い人とくればいいのに』
少しむくれたような、拗ねたような彼女が可愛らしかった。
「別に、上手い歌が聞きたい訳ではない。雨月の声が好きで、雨月の歌が好きだから誘っているのだ。他の輩では意味があるまい」
『…意味わかんない』
「それとも、私と来るのがつまらないなら遠慮なく断ってくれればいい」
そこまで言ったところで、脇腹に肘鉄をくらった。
「っ!?」
『今まで、"普通"と"あんまり上手くない"しか言われたことなくて…声が、とか…~っ、照れてんだよ、言わせんな馬鹿!』
そして、ツンデレというものを理解した気がする。
「…悪かったな、馬鹿で。貴女の前では言葉を飾ることもできん」
『ああぁっ、もうっ!』
それは、嘘偽りのない本心ということだから。
『リクエスト、リクエストある!?そんなに言うなら歌ってあげるわよ!』
「いいのか?なら、最初に歌ってたあれが…」
君の歌声と楽しそうな笑い声が聞ける場所。
カラオケ
いい場所を知った。
Fin.