御剣詰め合わせ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《Shopping》
今日は怜侍と買い物に来ている。
私が夏服を買いに行くのに付いてきてくれたのだ。
『ね、どっちがいいかな?』
試着室から出て、着ている赤を基調としたワンピースを見せる。
丈は膝上で袖はなく、ややエスニック風の柄。
一方、比べているのは同じ作りで青を基調としたもの。青と言っても水色の様な淡いやつ。
「どちらも似合うが…少し肌が出過ぎではないか?」
『大丈夫、上に一枚羽織るから』
そういって薄手で半袖の上着を軽く羽織ってみせる。
「…む………」
『ちょ、そんなに悩まないでよ』
「いや…赤なら君の明るい性格を、青なら君らしさを表すと思う。どちらがいいとは言い兼ねる…」
『ふふっ、男の人で女の買い物そんなに真剣に付き合ってくれる人、滅多にいないよ?』
「そうなのか?」
『大体、どっちでもいいとか、そもそも自分の買い物行っちゃったりとかするんだよ』
まあ、女の買い物は長いし、"どっちがいい?"って聞きながら答えが決まってたりして面倒なのも解る。
でも、一緒に見てくれたり、似合うと言ってもらえるのが嬉しくて聞いてしまうのも事実。
だから眉間にヒビをいれて見比べている彼が愛しくて仕方ない。
「赤、がいいと思う」
『今着てる方?』
「ああ、青いスカートは他にも有るだろう?」
少し驚いた。
私がデートに着て来る服を覚えてるなんて。
しかも今日は白いパンツに黄色いTシャツ、今回の服じゃない。
『確かに青い服多いなー…』
そんな、ちょっとしたことで嬉しくなった。
出かける前にあーでもないこーでもないと、鏡の前で一人ファッションショーをやった甲斐がある。
「雨月は青が好きだからな」
『怜侍は赤が好きだもんね』
「まあ…否定はしない。やはり君の好きな色でいいのではないか?」
『うーん…でもね?好きな人の好きな色に染まるのも、いいなー…って…』
途中から凄く恥ずかしくなった。
台詞は勿論だが、その台詞が出てきた理由も思い当たったから。
ジューンブライド。
花嫁が白いドレスなのは、"貴方色に染めて欲しいから"なんて言葉を思い出してしまった事だ。
『だから、赤にしようと思う』
「…そうか」
赤いワンピースを着たまま会計をしてもらい、その格好で店をでる。
『今日はありがとう、付き合ってくれて』
「大したことではない。私もきて良かった」
『そう?』
駐車場までの短い距離。
それでも彼は私の荷物を運んでくれる。
本当に紳士。
『…せっかくいいもの買ったから、今年の夏はどっか行きたいなぁ…』
そんな雰囲気に甘えてつい口をでた言葉。
怜侍がいつも忙しいのは知ってるし、夏期休暇もそうそうとれないのは解ってた。
言ってすぐ後悔したけれど、返ってきた言葉は意外なもので…。
「…その服を見ていたら、雨月と海に行きたくなった」
『えっ、海!?』
「ああ。そのワンピースを着て来るといい」
"きっと海の青によく映えるから"
『うん、絶対着てくよ!怜侍のお休みとれるといいな』
「そこが一番の隘路だな」
『じゃあ、今年いけなくても来年も待ってるから』
「そうならないよう努力しよう」
なんて笑って。
楽しいショッピングだった。
(あ、海行くなら水着も買わないと)
(忙しいな)
(怜侍も買おうよ、水着)
(わ、私はいい!)
Fin.