御剣詰め合わせ2
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《風邪彼女》
ピピッ ピピッ
『…やっちゃった…』
体温計の数字は38.4℃、頭も痛いし悪寒もする。
幸い、咳や喉の痛みはない。
とりあえず解熱剤だか鎮痛剤だか飲まないと。
『…ッ』
立ち上がればめまいがして、またベッドに逆戻り。
これは、出勤しても仕事にならないな…。
『…もしもし御剣君?』
「む、雨月か」
『ごめん、今日休む…事件は扱ってないから心配は無用…』
「わかった。具合でも悪いのか?」
『そんなとこ。横になってれば直ると思う』
「そうか…ゆっくり休みたまえ」
『そうする、ありがと』
ぱたん、と携帯を閉じて布団を被る。
(頭ガンガンする…やっぱ薬飲まなきゃ駄目か)
何とか台所までたどり着いて、薬は飲めた。
が、部屋まで戻る気力はなく、脱ぎ捨ててあったコートをかけてソファーに寝転ぶ。
(とりあえず薬が効くまで…)
そうやって目を閉じた。
夢の中で、ゆりかごの様な優しい揺れと、温かさを感じた気がした。
額にひんやりした感覚を覚えて、ぼんやりと目を覚ました。
『れい…じ?』
「む、起こしてしまったか?」
額には冷えピタ。覗き込む心配そうな灰色の瞳。
冷たい手が首に添えられていて気持ちいい。
『来てくれたの?』
「まあ、な。私も大した件は扱ってない、早めに切り上げた」
『ありがと…』
枕元の時計は14時を指している。お昼で上がってくれたんだ…………あ、れ、枕元?
『私、ソファーで寝てた…』
「あんな所で寝てても、よくならないだろう」
『怜侍が運んでくれたの?』
「他に誰がいるのだ」
呆れたように、ちょっと慈しむように。微笑まれた視線と撫でられた髪が嬉しい。
あの優しい揺れと温かさは、怜侍の腕の中だったのか…
「携帯は寝室にあり、台所にはコップと風邪薬…薬を飲みに来て行き倒れたのか、と」
『ご名答』
肩を竦めれば、"やれやれ"と小さく聞こえた。
「何か食べれそうなものを持ってこよう」
そういって立ち去ろうとする彼の腕をとっさに掴んだ。
「…雨月?」
『いらない…から、もう少しここにいて』
段々声が小さくなる。
恥ずかしいし、なんだか情けない。
「…わかった。欲しいものは直ぐに言いたまえ」
『じゃあ』
怜侍。
そう答えれば困ったように眉を寄せる。
『ごめん、半分冗だ…』
言い終わる前に彼によって飲み込まれた言葉。
少し冷たい、柔らかな唇が短く触れて離れていく。
「…今日はここまで、だ…ゆっくり寝たまえ」
促される眠りに委ねる。
『もう一個、お願いしていい?』
「ム、なんだろうか」
『私が眠るまで、手、握ってて…』
微笑みながら頷いた彼と、手に感じる体温に誘われてまた眠った。
オマケ
目が覚めて横を見ると、ベッドに半身俯せて眠る怜侍と、繋がれた手。
嬉しくて彼の髪をそっと撫でる。
『ありがとう…大好き』
移したら、ごめんね。
Fin