御剣詰め合わせ2
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《食欲の秋》
こんなに暇な日は今までなかった。
仕事も休み、家事も終わったし、趣味もない。
おまけに同棲中の恋人は出勤している。
いっそ私も出勤すればよかったかな…同じ職場なんだし。
「偶の休みだ、ゆっくり休みたまえ」
その言葉に甘えたのに、午前中うだうだしただけで午後を持て余す。
彼がいるというのは大きなことで、彼の空間だけがぽっかり空いているようだった。
午後4時。空に浮かぶ鱗雲が綺麗だ…。
『迎えに行こうかな。散歩しながら』
公園通って、検事局いって…
「ム…!雨月、何故ここに?」
『家にいても暇だし淋しいから、来ちゃった』
「ちょうど今から帰りだ、帰ろう」
『あ、寄りたい所があるんだけど…いい?』
誘って連れてきたのは小高い丘。
茜色の空に、鱗雲が並んでいる。
「鰯雲か…秋だな」
『鱗雲…でしょ?』
「どちらも同じだ…あと鯖雲なんていう別称もあったな…」
『……ねぇ……今日の夕飯秋刀魚にしない?』
「ちょうど旬だな」
スーパーで秋刀魚と大根を買って家に帰る。
やっぱり二人でいる方が楽しい。
「どうした、雨月?」
『ううん、二人で食べた方が美味しいなって思って』
小さくはにかめば、目を細めて頷く彼。
幸せ。
すごく幸せ。
『ね、』
「ム…?」
『大好きだよ、怜侍』
(真っ赤になって応えてくれた)
"私も大好きだ…///"
(そんなところも大好き)
食欲の秋
(君ごと食べちゃいたい)
Fin.