短編①
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《サクラソウ》∶花宮
※2016拍手御礼
『はい、プレゼント』
「あ?」
『サクラソウの鉢植え』
「見りゃわかる。お前、俺が花もらって喜ぶと思ってんの?」
玄関前のそいつは、言葉どおりピンク色の花を咲かせた花の鉢植えを持っていた。
『サクラソウの中にはね、幸運の鍵があるの。その鍵に当たったら、宝物が手に入るんだって。宝くじだと思ってどうぞ』
「はあ…おとぎ話じゃねぇか」
『あと、サクラソウは春先早くに咲いちゃうから、"早春の悲しみ"って花言葉なの。寂しがらないように、側に置いてあげて?』
「…ふはっ、そういうこと」
サクラソウを受け取って、家の中に入れた。
「お前も入れよ。あの花は当たりの花なんだろ?」
『花宮君って本当頭いいね』
「お前が不器用すぎるんだろ」
あのサクラソウは、彼女を招き入れる為の鍵で。
寂しがっているのは彼女であり、俺なんだろう。
結局部屋に飾ったサクラソウを眺めながら。
『春が待ち遠しいね』
なんて笑った。
花:桜草
※2016拍手御礼
『はい、プレゼント』
「あ?」
『サクラソウの鉢植え』
「見りゃわかる。お前、俺が花もらって喜ぶと思ってんの?」
玄関前のそいつは、言葉どおりピンク色の花を咲かせた花の鉢植えを持っていた。
『サクラソウの中にはね、幸運の鍵があるの。その鍵に当たったら、宝物が手に入るんだって。宝くじだと思ってどうぞ』
「はあ…おとぎ話じゃねぇか」
『あと、サクラソウは春先早くに咲いちゃうから、"早春の悲しみ"って花言葉なの。寂しがらないように、側に置いてあげて?』
「…ふはっ、そういうこと」
サクラソウを受け取って、家の中に入れた。
「お前も入れよ。あの花は当たりの花なんだろ?」
『花宮君って本当頭いいね』
「お前が不器用すぎるんだろ」
あのサクラソウは、彼女を招き入れる為の鍵で。
寂しがっているのは彼女であり、俺なんだろう。
結局部屋に飾ったサクラソウを眺めながら。
『春が待ち遠しいね』
なんて笑った。
花:桜草