短編
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「あ、おーいミオ!」
「カリムさん。……なんだかいつもと雰囲気が違うような」
「そうなんだよ、ターバンが解けちまって……だからジャミルを捜してるんだ。なあ、ジャミルを見なかったか?」
「ターバンが解けて、ジャミルさんを……?関連がわからないけれど」
「オレ、いっつもジャミルにターバン結んでもらってるからさ、自分じゃ結べねーんだ」
「えっ……そうなの?ということは毎日?」
「おう!ターバンだけじゃないぜ。普段の持ち物チェックはもちろん、式典のときは化粧も、裾直しもしてくれるんだ!」
「それは…、すごいな、ジャミルさんが」
「だろ?ジャミルはすげーんだ」
「褒めたつもりは…まあ、いいや。それで、普段身の回りの世話は人に任せきりだから解けたターバンを結んでくれるジャミルさんを探している、と。……ホントすごい話。
でもいつも一緒なのにジャミルさんが居ないのは珍しいような」
「アイツ、今夜やる宴の食事を作るために食堂を借りてるんだ。でも今行ったら居なくってさ。買い出しかなって外廊下に出たらミオがいたんだ」
「それなら食堂で待っていればそのうち会えそうだね。私で良ければ代わりに結ぶけど…」
「本当か!?助かるぜ」
「そこのベンチに座って、背筋を真っ直ぐにしてもらっても?」
「おう!」
「それじゃあ後ろに失礼して……このターバン、幅も厚みもあるから結ぶのはコツが要りそう」
「そうなのか?」
「ええ。ずり落ちないように額を押さえてもらっていて良い?…きつくはない?」
「んー、もう少し緩いほうがいいな……」
「わかった。じゃあもう少し緩めて、と……」
「あははっ!なんかくすぐったいな」
「すこし髪を梳いただけなんだけど…だめ?」
「大丈夫、ジャミルと違ってなんか細くて柔らかいから驚いただけだ」
「もう少しだけ我慢して?ここで一度結んで、と……よし、位置が決まった。もう手をはなしていいよ」
………………
「……できた。気に入らないようだったら、後で結び直してもらって」
「いい感じだぜ!サンキューな!」
「いえ、別に」
「お礼に何か…そうだ!今日の宴お前も来いよ!」
「え」
「うんうん、それがいい!ジャミルにも言っておかなきゃな!突然連れてきたらびっくりするだろうし」
「いや今言っても驚かれると思うけど。いいよ、気を遣わなくて」
「気なんか遣ってないって!オレがミオに来て欲しいんだ!」
「わっ、えっ、ちょっ」
「さあ、ジャミルを捜しに行こうぜ!」
「こっちの話を聞いて!?引っ張らないで、ちょっと……カリムさん、カリムさん!?……カリムー!!」
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