ライトラスト ‐§1‐
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オーバーブロット。魔法の使用が許容量を超え、感情がマイナスに振り切ったとき、魔法士が陥る暴走状態。クロウリー学園長はそう説明をして頭を抱えた。
「彼は今、負のエネルギーに囚われて感情と魔力のコントロールを失っている!」
「なんかよくわかんねぇんだゾ!?」
「僕もだ!」
「こんな時にコントやってる場合!?」
「このまま魔力を放出し続ければ……リドル自身の命も危ない」
「とにかく生徒の命が最優先です。他の寮生は私が避難させましょう。ローズハートくんの魔力が尽きる前に正気に戻さねば!ミオくん、ユウくんたちと手分けして他の教員や寮長に応援を要請してください」
「わかりました。行こう、みんな……ってあれ?」
さきほどまでそこにいた、エースたちの姿が無い。いったいどこに、と振り返る。
「だらああ!くらえ!!」
「いでよ、大釜!」
「グリム、今だよ!」
「ふな゛~~~~っ!」
そこには、オーバーブロット状態のリドル寮長に魔法で立ち向かうエースたちがいた。
「ちょちょちょ、お前ら何やってんの!?」
ケイト先輩のつっこみももっともである。
「アイツ、あのままじゃ大変なことになっちまうんだゾ!?」
「命が危ないって言ってましたよね」
「さすがにそこまでいくと寝ざめが悪い。それに……」
「まだ“ボクが間違ってましたゴメンナサイ“って言わせてねーし!」
「…分かった!少しの時間なら、俺がリドルの魔法を上書きできる。その間に、リドルを頼む!」
「君たち、待ちなさい!危険です!」
「そーだよ!トレイくんまでなに言ってんの?リドルくんに勝てるわけないじゃん!」
「ユウ、戻って!危なすぎる!」
「でも、一刻も早くリドル先輩を止めないといけないんでしょう?」
「そーそ。それに、勝てる奴にしか挑まないなんてダサすぎんでしょ!」
「そんなの全然、クールじゃないんだゾ!」
「ああ。正気に戻すのにてっとり早い方法は、これしか思いつかないしな」
脳筋なのか合理的なのか、無謀なのか勇気があるのか。
「皆が残るなら、置いていくわけにもいかないか…」
「あ~くそっ!わかりましたよ、こういうの柄じゃないんですけどねホント!」
攻撃魔法を覚えていない自分に何ができるか分からない。けれど、いないよりはきっとマシだ。
ユウが頷く。
「力を合わせてリドル先輩を止めましょう!」