ライトラスト ‐prologue‐
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メインストリートは惨憺たる有様だった。
石畳は焼け焦げ、明らかに大事な銅像も真っ黒に煤け、辺りには焦げ臭さが充満している。
睨み合う一人の男子と一匹の間で、なんとか仲裁しようと戸惑っているのは私が探していた人物。
「ユウさん!」
「ミオさん!良かった、グレートセブンが幼稚園でからかわれたグリムが爆発頭の風魔法で炎ブワーッ!」
「分かった、いや正直分からないけどとにかく落ち着いて」
野次馬をかき分けて駆け寄る。赤い髪の男がこちらを見て目を丸くした。
「…あれ、特待生じゃん」
「特待生?」
「そ、学園長の推薦で特別入学したっていう特待生。特例生とも言うんだっけ。
噂じゃ他の学校に入れなくてナイトレイブンカレッジに拾ってもらったっていう?」
なるほど一言余計な男だ。こんな惨状になった原因が何となく読めるというもの。
「まあグリムに燃やされちゃった頭に免じて許してあげるけど」
「だーから、誰が爆発頭だよ!」
「ごめんなさい、いま手鏡を持っていなくて。あなたの頭、その…言いづらいんだけど…」
「これは地毛!元からこーなの!」
「それに顔にやけどまで……」
「これはアート!こんな綺麗にやけどしないでしょーが」
「あら。というかこんな漫才してる場合じゃなかった」
「わざとかよ」
「とにかく、早くこの場をなんとか修復しないと。こんな騒ぎを起こしたら、」
「こらー!!なんの騒ぎです!」
……言わんこっちゃない。