ライトラスト ‐prologue‐
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「……棺桶で運ぶってどういうセンスなんですか」
「どういうセンスとはどういう物言いですか。百年以上前から続く、由緒正しい入学手続きですよ!
さて、貴方以外の生徒は全員そろって…おや?一人居ませんね。仕方ありません。先に寮分けを始めていて下さい」
差し伸べられた手を取ったと思ったら、流れるように棺桶に寝かされて転移。
衣服はフードの付いた礼服に変わっていた。元々着ていた服はどこへ。
暗い部屋にはおそらく私と同じ新入生が犇めいていて、部屋の中央には鮮やかな炎を宿す鏡が浮かんでいる。
脇に立つ教師が順々に名前を呼び、呼ばれた生徒が鏡の前に立つ。鏡に白い仮面が浮かび、粛々と寮を告げる。魔法使いが学校に通って、それぞれ寮分けされる光景に既知感を覚えつつ、ぼんやり眺める。
疑問を抱きつつもやたら多くて長い寮の名をなんとなく覚え始めたころ、クロウリーは戻ってきた。――礼服を着た新入生と、空飛ぶ猫をつれて。
………………
「さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く鏡の前へ。」
あ、待ってください私はまだです。どうやら教師が読み上げるリストに入っていなかったようで、私の名前は最後まで呼ばれずじまいだった。特例生とか言っていたから、イレギュラーなのかもしれない。
全員が注目する中、その人物は及び腰でおそるおそる鏡の前に立った。個性的かつ堂々とした面々の中で、まるで状況が読み込めていないようだった。
「――汝の名を告げよ」
「ユウ、です」
それはどこか、懐かしい響きをした名前だった。