ライトラスト ‐prologue‐
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「――エッ!?本当に魔法石を探しにドワーフ鉱山へ行ったんですか?」
魔法石を前にしたクロウリーの反応に、全員が固まる。行けと言ったのは自分ではないのか。
「いやぁ、まさか本当に行くなんて……しかも魔法石を持って帰ってくるなんて思っていませんでした。粛々と退学手続きを進めてしまっていましたよ」
「んがっ!なんて野郎なんだゾ!オレ様たちがとんでもねーバケモノと戦ってる時に!」
「バケモノですか?」
「モンスターが出てきたんスよ。ほんと、めっちゃエグいわ強いわで大変だったんすけど!?」
「全員無事なのが奇跡なぐらい。ユウさんの作戦がなかったらどうなっていたか……」
「……詳しく話を聞かせて貰えますか?」
――――
かくかくしかじか……で通じたら苦労はしないので時間をかけて説明する。
説明を受け、クロウリーはしばしの沈黙の後口を開いた。
「……炭坑に住み着いた謎のモンスター。それをユウくん、グリムくん、ミオくん、トラッポラくん、スペードくんの五人で協力して倒し、魔法石を手に入れて学園に戻ってきたと?」
「や、協力したっつーか……」
「たまたま目的が一致したというか……」
「それ以外に手が無かったというか……」
「お……」
「お?」
「おお……おおお……!!お~~~~~ん!!」
「なんだコイツ!いい大人が突然泣き出したんだゾ!?」
突然響く号泣に全員ぎょっとする。クロウリーは気にせず続けた。
「この私が学園長を務めて早ン十年……!ナイトレイブンカレッジ生同士が手と手を取り合って敵に立ち向かい打ち勝つ日がくるなんて!」
「んなっ!?僕はこいつと手なんか繋いでいません!」
「物の例えだよ、物理的な話じゃなくて。まあ、クロウリーさん…学園長が思うような感動的な話ではないかと」
「オレだってヤだよ気持ちわりーな!つーか学園長、歳いくつ!?」
「私は今、猛烈に感動しています。今回の件で確信しました。
ユウくん。貴方には間違いなく猛獣使い的才能がある!」
「も、猛獣使いですか?どんな才能!?」
「ナイトレイブンカレッジの生徒たちはみな闇の鏡に選ばれた優秀な魔法士の卵です」
……両親がロイヤルソードアカデミーの入学枠を蹴ったために、クロウリー学園長が直々に迎えにきたというのは闇の鏡に選ばれたうちに入るのだろうか?
「しかし、優秀がゆえにプライドが高く、我も強く、他者と協力しようという考えを微塵も持たない個人主義かつ自己中心的なものが多い!」
「ほとんどいいこと言ってねーんだゾ…」
「ユウくん。貴方は魔法が使えない。ですが、おそらく使えないからこそ、魔法を使える者同士をこうして協力させることが出来た。
きっと貴方のような平々凡々な普通の人間こそが、この学園には必要だったのです!」
「全然良いこと言ってなくね!?」
「微妙にけなしてますよね?」
「ユウくん」
「わあこの学園長ぜんぜん話聞かない」
「貴方は間違いなくこの学園の未来に必要な人材となるでしょう。理事長と共にミオくんを特待生として選んだ時と同じように、私の教育者のカンがそう言っています」
「今の流れで名前を出されてもあんまり嬉しくない…」
「みなさんの退学を免除するとともに――ユウくん。貴方にナイトレイブンカレッジの生徒として学園に通う資格を与えます!」