ライトラスト ‐prologue‐
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猫が逃げれば全員退学。
桶屋もおどろく迂遠な道のりの結末は、全員退学という最悪な形で以て示されることとなった。
退学を回避する方法は、廃坑となったドワーフ鉱山にあるかどうかも分からない魔法石を取りに行くこと。
闇の鏡を抜け、ドワーフ鉱山の入口へ向かう道中、エースがおおげさなため息をついた。
「あ~あ……なんっでこんなことになっちゃったかなあ。ついてなさすぎ……」
「そもそもあなたが逃げなければこんなことにはなっていないし、私とユウさんは完全にとばっちりですけど何か言う事ありません?」
「あーはいはい。特待生が入学翌日に退学なんて洒落になりませんもんねー」
「本当によく回る口ですこと。息の根ごと止めて…」
「ミオさん、どうどう」
「うう、なんか出そうなんだゾ…」
お化けを怖がる
「…あ、奥の方に家がある。話聞きにいってみよーぜ」
―――
「こんばんは……って空き家か。荒れ放題だ」
「ぶわっ!顔に蜘蛛の巣が…!ぺぺっ!」
「なーんか机とか椅子とか全部小さくねえ?子ども用かな。
…いち、にー……七人!多ッ!」
鉱山。家。七つの小さな椅子やベッド。
――知っている。この童話を。
寂れ朽ちてしまったのは時間が経っているからではなく、物語が本来あるべき終わりから逸れてバッドエンディングを迎えたからなのだとしたら。
「おーい、おーい!特待生さーん?」
「…え、」
呼びかけにハッとすれば、エースが不審げにこちらをのぞき込んでいる。
その奥でデュースが腕を組み直した。
「さっきから話しかけてもぼんやりとしていた。気分がすぐれないなら、無理はしない方がいい。炭坑内は長年人が居ないから危険だと思う」
「ミオさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫。……少し、考え事をしていただけ」