ライトラスト ‐prologue‐
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「まあまあ、なんて不吉な魔法なのでしょう!髪の色まで変わってしまって、これでは当家の格が疑われてしまいますわ!なんということなのでしょう。嗚呼、嗚呼、嘆かわしいわ、あなた」
「このような不出来な娘を名門たるロイヤルソードアカデミーに入学などさせることはできない。そうだろう、そうだろう、我が妻よ」
「ええ、ええ、そうですわ。これはきっと何かの間違い。先方には丁重にお断りいたしましょう」
一応は血のつながった娘を前にして、一応は血のつながった両親たちは二人だけで会話を結論付けた。
魔法が存在し、おとぎ話が実在し、そしてバッドエンドが許された混沌の世界。どういうわけか私は、とびきりおかしな記憶を持ってこの世界に生を受けてしまったようだ。
意味の分からない話に俯けば、紫がかった黒髪がさらりと落ちる。私の本来の髪色を思い出すけれど、少しだけ違う。
窓から外に目をやれば庭の池は干上がっていた。魔力の秘められた水が湧き出る池だったそうだが、私の魔法と少々相性が悪く、池は無かったことになってしまった。
おかしな世界に生を受け、おかしな力を身に着けてしまった。私は何者になってしまったのだろう?