DB(短編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「任務完了...。」
Nameはそうぼそりと呟きながら右腕を下ろす。
そして俺の目の前にいた敵は力なく地面に倒れ事切れた。
スカウターに反応はない。奴が最後の生き残りだろう。
「...助かったぜName。まさか後ろにも敵がいたなんてな。」
Nameはボロボロになった戦闘服を嫌々整えながら此方に歩み寄ってきた。
そしてそこら中に転がっている亡骸を見渡した後、俺に視線を向けた。
「ねぇジース、この惑星の人達は良い人だった。突然空から降ってきた私に何の警戒もなく話しかけて。食べ物まで恵んでくれた...。」
吸い込まれそうな瞳を俺に向けながらNameは淡々と話し始める。
Name...彼女の役目は事前調査だった。
制圧する惑星に行き、その星の住民や土地を調べ報告する任務。
異星人が空から降ってくれば大抵の星の奴らは攻撃したり、捕らえたりと野蛮なことをするのが普通だ。
ただ時折、得体の知れない異星人を持て成す変わり者がいる惑星もあるもんだ。
「...仕方ねぇだろ、これが俺たちの役目だ。」
「わかってる...。」
情が湧いてしまえば最後だ。
俺たちの仕事に情けは必要ない。
俺だって弱い奴らを殺すのに抵抗なんて微塵もなかった。
だが、コイツの悲しそうな顔を見てると俺まで変な気分になる。
「...なぁ、もう任務は終わったんだ。帰ろうぜ。チョコレートパフェ奢ってやるよ。」
俺は俯くNameの頭を撫でながらそう答えるのが精一杯だった。
コイツは戦闘力も高くフリーザ様への忠誠心も高いが根は優しいんだ。
だから時折、こうして誰かが支えてやらないといけない。
「...ありがと...」
Nameは相変わらず悲しげな表情だったが口元は笑っていた。
先程よりは良くなったと思う反面、無理してるんじゃないかとも思ってしまう。
「そうだ、ギニュー隊長が新しいファイティングポーズ考えるってよ。お前も参加しろよ。」
「...私特戦隊じゃないからパス。」
「おいおい良いのか?チョコレートパフェ奢ってやらないぞ?」
「えぇ〜、ケチ...!」
コイツが俺たちみたいに容赦なく人を殺せるようになる日はきっと来ないだろう。
それに、コイツが無情で冷酷な地上げ屋になるところなんて正直見たくない。
だから今はこうして、俺が傍で支えてやりたい。
やっと笑顔になったNameを見て俺はそう決めた。
1/1ページ