Chapter3 - Drowning in Pure White
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挑戦終了
WIN LOSE LOSE WIN LOSE
ウデマエキープ
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分かりきっていたように、S+昇格戦はまた勝てなかった。それでも、最初の方は手も足も出ないまま3連敗で終わっていたのに比べれば、2勝3敗で終わった今回の方が少し成長しているのだろうか。……尤も、最後のガチホコバトルの試合では、ヒラメが丘団地の高台の上で撃ち合いに夢中になっているうちに横から敵が降りてホコを持っていき、ただ一人それに気付いた自分が慌てて駆けつけるもガチホコショットに巻き込まれてデス、そのまま誰にも止められることなくノックアウト負け、なんてスカルに聞かれたら笑われてしまうだろうが。
とりあえず軽く腹ごしらえでもしてから、失った170ポイントをまた稼ぎ直さなければ。デニムキャップはナマコフォンを閉じ、ロビーの売店に向かった。手持ちのフードチケットを確認しながら、何を注文しようかと迷っていると、売店の横で駄弁っていたピンク色のゲソの集団の中から、一人のボーイがこちらに歩み寄ってきているのに気付いた。
「初めまして〜、キミってさ、もしかしてラクト使いのデニムキャップちゃん?」
「え、うん、そうだけど」
声をかけてきたボーイは、キャディサンバイザーにおどるイカアロハという、この季節とは真逆の涼しげな格好をしていた。
「オレはアロハ。キミのことはスカルから聞いているよ」
……アロハ。スカルと同じ、S4の一人だ。
「それにしても、キミのこと、初めて見たけれど、想像してたよりずっと可愛いよねー。それにスカルもキミのこと、伸び代あるって褒めてたし。期待の新鋭って感じ?」
「え、そんな……まあ……」
デニムキャップは返事に困って少しだけ後ずさりするが、饒舌なアロハはお構い無しにグイグイと押してくる。
「キミってさ、最近スカルと一緒にバトル潜ってるんだってね? どんな風にしてるのか、良かったら」
アロハがそこまで話したところで突然、バキュン、と空気を震わす射撃音が耳に飛び込んできた。
「うわっ!?」
思わず瞑ってしまった目を開き直すと、目の前の床、ほんの一瞬前までアロハが立っていた所が、紫色のインク溜まりと化していた。
「スカル!? ちょっと何するの!?」
魂だけの姿になって飛んでいくアロハが叫ぶ方向へと視線を向けると、そこには射撃場の高台の上で、リッターを構えて佇むスカルの姿があった。
「…………バルーンと間違えた。すまない」
彼はそれだけ言うと、何事も無かったかのように、イカバルーンのある方へと射線を向けた。
「……なんだ、いつもの天然か」と、スカルの近くから声がする。声の主は、スカルと同じパープルチームに所属するボーイ、タレサンのようだった。彼もまた、何事もなかったかのように高台から降りて動き回りながら射撃の練習を始めるのを見届けて、デニムキャップは改めてフードチケットを取り出し、売店のカウンターに差し出した。