Chapter2 - Splatted by Intent Look
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***
「…………」
0キル1アシスト5デス。結果はマゼンタチームの惨敗だった。
「何もできないリッターでごめんなさい、ブキが重くてまともに動けなくてごめんなさい、ゴミエイムでごめんなさいぃ……」
「まあまあ、初めてなら仕方ないって……」
涙目のデニムキャップの肩を、サニーがぽんぽんと叩く。
「で、何でデニムキャップは急にリッターを使うなんて言い出したんだ?」
そう尋ねたのはグレープだ。
「あれでしょ、最近デニムキャップちゃん、S4のスカルくんと仲良いじゃん! もしかして、スカルくんに影響受けたとか?」
サニーがすかさず横槍を入れる。
「まあ、そうだけど……」
「だよねー! ってか、デニムキャップちゃん、スカルくんのこと好きなんでしょ!」
「えっ!? あ、う、うん……」
サニーがあまりにも堂々と言うもんだから、気迫に押されたデニムキャップは思わず首を縦に振ってしまう。
「ふふ、やっぱりね!」
「最近よく一緒にバトルしていると聞いたが、進展はないのか?」
サニーとグレープに尋ねられ、デニムキャップは答える。
「確かに、この前のフェス以来、よく一緒にバトルする仲ではあるけど……でもそれだけ。誘うのはいつも私の方からだし、天然すぎてなんだか押しても引いても手応えがないし、そもそも何考えてるのかよく分かんないし……」
そこまで言った所で、サニーが「あーっ!」と慌てた声を上げる。
「どうしたの?」
「時間だ! やばい遅刻する! 行かなきゃ、グレープ!」
「時間……?」
デニムキャップが首を傾げると、グレープが説明してくれた。
「そういえば、まだ言ってなかったな。……俺とサニーは、来月のイカップル杯に出場登録している。そしてこれから、それに向けた練習試合の予定があるんだ」
「イカップル杯?」
初めて聞く単語だ。デニムキャップが尋ねると、サニーが得意気に説明する。
「イカップル杯は、二人組のチーム同士で対戦する大会で、二人の仲の良さが試される大会なんだよ」
「好きな子をイカップル杯に誘って告白するイカタコも多くいるらしいね。今回の参加申込期間は過ぎてるけど、不定期に開催してるらしいから、次の大会があった時にはスカルを誘ってみるのはどうだい」
「なるほど……考えとく」
「それじゃ、私達はもう行かなきゃいけないから、今日は解散ねー」
手を振りながら帰っていくサニーたちと別れ、デニムキャップはロッカールームに戻った。
ロッカーの中には、これまでに試してみたは良いが結局使いこなせなかったブキがいくつも入っている。一旦中身を出してからテトリスのように詰め直し、空いた場所にそっとリッターを置く。そろそろこの中のブキの幾つかは家に持ち帰るなり売るなりしないと、もうこれ以上は何も入らなさそうだ。
さて、これから何をしようか。スプラチャージャーとかスクイックリンとか、もっと軽いチャージャーを使ってみるか。しばらく立ち止まって考えたけど、幾ら脳内で戦術をシミュレーションしても、やはりチャージャーを使いこなせるとは思えなかった。