Chapter2 - Splatted by Intent Look
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挑戦終了
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ウデマエキープ
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ナマコフォンの画面を乱暴に閉じて、滲む涙をぐっと堪える。今回も酷い負け方だった。スカルが聞いたらきっと鼻で笑われるに違いない。デニムキャップは早足でロッカールームを出て、ロビーを抜けていこうとする。
――バシュン!
射撃場からチャージャーの射撃音がする。音からしてリッターではない。誰かが練習しているのだろうか、と射撃場の方に目をやる。
「えっ……」
その光景を見て、デニムキャップは自然と足を止めていた。
……スカルと、ガールが並んでそこにいる。
あのガールはブルーチームのヘッドホンだろうか。どうやらスカルはヘッドホンの練習の面倒を見ているらしい。
(スカルくん……まあ、そりゃ、他のガールと仲良くすることだってあるよね。でも……)
同じチャージャー使いで、対戦経験も何度かある。何よりヘッドホンの所属するブルーチームは、彼の在り方そのものを大きく変えてくれた存在なんだと、デニムキャップは知っている。別におかしなことではない。けれど、デニムキャップの胸はほんの少しだけ痛む。
(そうだ、私もチャージャーが使えるようになれば、スカルくんにもっといろんな事、教えてもらえるかな)
ウデマエが上がるにつれ、ラクトでは勝てないと感じる場面も増えてきた。A帯に上がった辺りから、デニムキャップはバンカラマッチで様々な種類のブキを試すようになった。だがチャージャーには殆ど触れたことがない。この際思い切ってリッターでも使ってみようか。全ブキ中最長の射程を使いこなせたら、今よりももっと勝てるに違いない。物は試しと、デニムキャップはブキ屋に足を運んだ。
「いらっしゃいやし〜!」
「えっと、4Kスコープを……」
「4Kスコープをお求めでしか? メインウェポンの4Kスコープは、リッター4Kに遠くまでよく見えるスコープを付けたモデルでし! スコープによって、全チャージャーの中で最高の射程を手に入れたでしが、チャージ中に視界がせまくなるので……」
「あ、あの……それより試し打ちを……」
ブキチの長話を適当に聞き流しながら射撃場に移動して、早速リッターを担いでみる。
(……重いっ!)
持ち上げる時に、ふんぬっ、と全く可愛くない声が出てしまうほど、想像以上にリッターは重かった。
(リッターって、こんなに重いものなの……? これ明日筋肉痛になったりしないかな? っていうかスカルくんはいつもこんな重いのを担いでるの……?)
やっとの思いでリッターを担ぎ上げて構えたデニムキャップは、そのままイカバルーンを撃ち抜いていく。本体は重いとはいえ、射撃の感覚に慣れるのに時間はそうかからなかった。動かない的も、一定の方向にだけ動き続ける的も、撃ち抜くのは簡単だ。問題は実戦でどう立ち回るか、動き回るイカタコ相手に狙撃ができるかどうか。せっかくだからナワバリバトルで使ってみよう。あと野良だと迷惑かけそうだからチームメイトも呼ぼう。デニムキャップはナマコフォンを取り出し、自身の所属するマゼンタチームのグループトークに早速メッセージを送る。
(『今からナワバリバトルで練習したいんだけど、もし暇なら来てくれない?』……っと)
最近はチームメイトのサニーとグレープが付き合い始めたために、デート優先だからといってバトルに来ないことがあったり、デニムキャップ自身もスカルをバトルに誘う仲になったことで、マゼンタチームで集まることは少なくなっていた(チームの仲は良好だが)。たがこの日は、すぐにチームメンバーで集まれることとなった。デニムキャップは余っていたライセンスをブキチに渡すと、精一杯の力でリッターを運びながら、待ち合わせ場所であるロビーに直行した。