Chapter2 - Splatted by Intent Look
名前変換フォーム
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
***
デニムキャップが最も使い慣れたブキはラクトだが、それ以外のブキを手に取ることもある。特に自陣塗りが意味を成さないバンカラマッチでは、対面に強いブキを持っていくことが多い。
『現在カウントリード中のアルファチーム、順調にヤグラを進めてはるなぁ』
『いよいよ第2カンモンに到着じゃ! このままアルファチームが押し切ってしまうのかー!?』
デニムキャップが挑む、何度目かのS+昇格戦、現在は3試合目、キンメダイ美術館でのガチヤグラだ。……そしてここに至るまでに、既に彼女は2敗している。ここで勝てなければ、また170ポイントをドブに捨てただけになってしまう。
「行け行けーっ!」
デニムキャップはヤグラの上でスクリュースロッシャーを振るい、インクの渦を撒き散らす。ヤグラが第2カンモンに到達すると同時にスペシャルが溜まり、彼女はナイスダマを高く掲げる。
「とりゃー!」
ヤグラを奪い返そうと乗り込んできた敵のスプラシューターにそのままナイスダマをぶつけると、インクの大爆発によってヤグラの周囲は一気に安全地帯と化した。そのまま再びヤグラの上へと降り立った彼女は、ヤグラ上に敵のスーパージャンプの着地点が出ているのを見つけた。
(わざわざこんな所に飛んでくるなんて。着地狩りしてくださいって言ってるようなもんだよね)
余裕の表情で、デニムキャップはマーカーに向けてスロッシャーを構える。
(このままいけば、きっと勝てる! 大丈夫!)
着地点には、スプラローラーを持った敵が上から飛び込んできて――
――バシャッ!
何が起こったのか、一瞬解らなかった。身体が弾けリスポーンへと飛んでいく感覚で、自分が先程のローラーを着地狩りするどころか、逆に轢かれてしまったのだと理解した。
『おっとここで、ブラボーチーム、ヤグラを奪い返したー!!』
『エイ!(試合時間は終わったけど、劣勢側がヤグラを確保したから、延長戦に突入するよ!)』
(不味い、このままでは……!)
デニムキャップをキルし、ヤグラを奪い取ったローラーは、そのまま立て続けにヤグラを取り囲む味方をキルしていくと、あっという間に人数状況を逆転させてしまった。
(ダメだ! 反撃しないと! このまま敵のペースに乗せられては困る!)
リスポーンに戻ってきたデニムキャップは、急いでヤグラの元へと駆けつける。だがヤグラの上にはハイドラントが乗っており、こちらからは手の出しようがない。
(とにかく、ハイドラのチャージの隙を突いてヤグラから引き摺り下ろさなければ)
そう思い、ヤグラの横から周り混む。途端に、右からはスプラシューターが、左からはクラッシュブラスターが迫って来ていることに気付く。
(しまった、挟み撃ちにする気だ!)
カモンで精一杯の助けを呼ぶ。たがこちらはまたしても人数不利だ。
(嫌だ、このまま負けるなんて、嫌だ……!)
デニムキャップの願いも虚しく、彼女はクラッシュブラスターの爆風に足を取られ、そのまま敵のシューターを避けきれずにデスとなった。敵のローラーがヤグラ上にグレートバリアを展開し、ハイドラントが堂々と立ちはだかる。そして、手も足も出せないまま、敵のカウントリードと同時に試合終了の笛の音が響く様を、彼女はただ黙って見ていることしかできなかった。