Chapter5 - Take the Top of Tower
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***
『デニムキャップ選手、第3カンモンを突破! 残りカウントはあと僅か!しかしスカル選手、追い討ちをかけるようにホップソナーだ! おっとここでまた一人撃ち抜いた! ……ノックアウトー!』
『スカル&デニムキャップペア、難無く予選通過です! 彼らに敵うペアは、果たしているのでしょうか!?』
拍手と歓声が上がる。その強さは、1回戦、2回戦と数を重ねていくごとに少しずつ増していっているのを、デニムキャップは感じ取っていた。
「やったよスカルくん! 予選突破だよ!」
「フッ……オレ達なら、予選通過は簡単なことだな」
スカルは未だに余裕を崩さずにいる。これが強者の貫禄なのか、とデニムキャップは感動すら覚える。
「だが、ここから先は敵もさらに強くなる。その為には、お前の協力が不可欠だ」
「……!」
「よろしく頼むぞ、デニムキャップ」
「うん……!」
ステージを後にしながら、デニムキャップの足取りは少しだけ軽くなる。
(スカルくん……私のことを頼ってくれてる……? もしかして……期待しても……いいのかな)
優勝への期待と、その先に待つ何かへの期待。夢は徐々に現実味を帯び始め、近くへとやって来ている。
(必ず、掴み取ろう)
そう決意を決めて、デニムキャップはロビーへと戻って行く。
『只今を持ちまして、全ての予選通過ペアが確定致しました。それでは順番に発表致します。Aブロック、グレープ&サニー……』
「……!」
ロビーの人混みの中、聞こえてくるアナウンスの声にデニムキャップは顔を上げた。
(サニーとグレープも、予選通過したんだ!)
デニムキャップは首を伸ばして、二人の姿を探す。だが、これ程の人混みの中では、二人の姿はなかなか見つからなかった。
『続きまして、決勝トーナメントの対戦表を発表致します。第一試合は……』
ロビーの大画面に、トーナメント表が映し出される。サニーとグレープのペアは、スカルとデニムキャップのペアとは離れた位置であった。もしもこの二組が当たることがあるとすれば――それは決勝戦である。
「確認したか」
「うん。第一試合はDブロックのペアと。ステージはナメロウ金属だって」
「ナメロウ金属か。……あそこは第2カンモンから第3カンモンにかけての曲がり角が難所だな。チャージャーの射線は通りにくくなるから…」
「ってことは第2カンモン到着に合わせてスペシャルを使って、ワイプアウトさせてからそのまま第3カンモンまで行くのが良いかな?」
「その通りだな。……もう作戦はお前に任せても良いかもな」
「え……?」
デニムキャップはきょとんとして固まる。
「スコープは視界が狭くなるから、状況把握がしにくい。だがラクトはその性質上、盤面全体を見ながらサポートできるブキだ。お前がその場の状況に応じて作戦を伝えてくれれば、オレも戦いやすい」
「……!」
「特に、今回は二人だけでの戦いだ。それに長射程がヤグラに乗るというセオリーも通用しない。チャージキープができないことも足枷になる。……だが、お前がサポートしてくれるおかげで、オレも動きやすくなる」
「そ、そんな……」
スカルに褒められて、みるみる顔が赤くなっていくのを悟られないよう、デニムキャップは咄嗟に視線を斜め下に逸らす。そんなデニムキャップに気付いているのかいないのか、スカルはただ淡々と話を続ける。
「その分、キルはなるべくオレが取ろう。ラクトに撃ち合いをさせるのは極力避けたいからな」
「うん!……ありがとうね」
照れながらデニムキャップがそう伝えると同時に、ロビーの喧騒の中で再びアナウンスの声が響く。
『間もなく、決勝トーナメント第1試合に移ります。決勝トーナメント参加者の皆様は、所定の位置にお集まりください』
「あ、もう始まるって。行くよ!」
「ああ。決勝トーナメントも、二人で勝ちにいこう」
「うん!」
人混みをかき分けて、二人は走って行った――望んだ夢へ、また一歩近付くために。
『デニムキャップ選手、第3カンモンを突破! 残りカウントはあと僅か!しかしスカル選手、追い討ちをかけるようにホップソナーだ! おっとここでまた一人撃ち抜いた! ……ノックアウトー!』
『スカル&デニムキャップペア、難無く予選通過です! 彼らに敵うペアは、果たしているのでしょうか!?』
拍手と歓声が上がる。その強さは、1回戦、2回戦と数を重ねていくごとに少しずつ増していっているのを、デニムキャップは感じ取っていた。
「やったよスカルくん! 予選突破だよ!」
「フッ……オレ達なら、予選通過は簡単なことだな」
スカルは未だに余裕を崩さずにいる。これが強者の貫禄なのか、とデニムキャップは感動すら覚える。
「だが、ここから先は敵もさらに強くなる。その為には、お前の協力が不可欠だ」
「……!」
「よろしく頼むぞ、デニムキャップ」
「うん……!」
ステージを後にしながら、デニムキャップの足取りは少しだけ軽くなる。
(スカルくん……私のことを頼ってくれてる……? もしかして……期待しても……いいのかな)
優勝への期待と、その先に待つ何かへの期待。夢は徐々に現実味を帯び始め、近くへとやって来ている。
(必ず、掴み取ろう)
そう決意を決めて、デニムキャップはロビーへと戻って行く。
『只今を持ちまして、全ての予選通過ペアが確定致しました。それでは順番に発表致します。Aブロック、グレープ&サニー……』
「……!」
ロビーの人混みの中、聞こえてくるアナウンスの声にデニムキャップは顔を上げた。
(サニーとグレープも、予選通過したんだ!)
デニムキャップは首を伸ばして、二人の姿を探す。だが、これ程の人混みの中では、二人の姿はなかなか見つからなかった。
『続きまして、決勝トーナメントの対戦表を発表致します。第一試合は……』
ロビーの大画面に、トーナメント表が映し出される。サニーとグレープのペアは、スカルとデニムキャップのペアとは離れた位置であった。もしもこの二組が当たることがあるとすれば――それは決勝戦である。
「確認したか」
「うん。第一試合はDブロックのペアと。ステージはナメロウ金属だって」
「ナメロウ金属か。……あそこは第2カンモンから第3カンモンにかけての曲がり角が難所だな。チャージャーの射線は通りにくくなるから…」
「ってことは第2カンモン到着に合わせてスペシャルを使って、ワイプアウトさせてからそのまま第3カンモンまで行くのが良いかな?」
「その通りだな。……もう作戦はお前に任せても良いかもな」
「え……?」
デニムキャップはきょとんとして固まる。
「スコープは視界が狭くなるから、状況把握がしにくい。だがラクトはその性質上、盤面全体を見ながらサポートできるブキだ。お前がその場の状況に応じて作戦を伝えてくれれば、オレも戦いやすい」
「……!」
「特に、今回は二人だけでの戦いだ。それに長射程がヤグラに乗るというセオリーも通用しない。チャージキープができないことも足枷になる。……だが、お前がサポートしてくれるおかげで、オレも動きやすくなる」
「そ、そんな……」
スカルに褒められて、みるみる顔が赤くなっていくのを悟られないよう、デニムキャップは咄嗟に視線を斜め下に逸らす。そんなデニムキャップに気付いているのかいないのか、スカルはただ淡々と話を続ける。
「その分、キルはなるべくオレが取ろう。ラクトに撃ち合いをさせるのは極力避けたいからな」
「うん!……ありがとうね」
照れながらデニムキャップがそう伝えると同時に、ロビーの喧騒の中で再びアナウンスの声が響く。
『間もなく、決勝トーナメント第1試合に移ります。決勝トーナメント参加者の皆様は、所定の位置にお集まりください』
「あ、もう始まるって。行くよ!」
「ああ。決勝トーナメントも、二人で勝ちにいこう」
「うん!」
人混みをかき分けて、二人は走って行った――望んだ夢へ、また一歩近付くために。