第4訓
夢小説設定
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「おいィィィちょっと待ってェェ!!それ、俺達の車なんですけど!!ちょっとォォォ!!」
役人の制止は無視。
前だけ見据えた神楽がハンドルを握りしめ、勢いよくアクセルを踏んだ。
「ねェ!とりあえずおちつこうよ、銀さん、神楽ちゃん。僕らの出る幕じゃないですってコレ。たかが原チャリや傘でそんなにムキにならんでもいいでしょ。結衣さんもなんか言ってやってください!」
「そう言われても、まだあんまり状況掴めてないし…」
後部座席から前へと乗り出した新八が説得を試みるも、2人は真剣な眼差しだ。
結衣は抱えた団子の袋をぎゅっと持ち直した。
「新八、俺ぁ、原チャリなんてホントはどーでもいいんだ。そんなことよりなァシートに昨日借りたビデオ入れっぱなしなんだ。このままじゃ延滞料金がとんでもないことになる。どうしよう」
「銀時」
「結衣さん!止めてくれるんですね!」
「…それはやばい。本気出して」
「アンタ達の行く末がどうしようだよ!!」
「延滞料金なんて心配いらないネ。もうすぐレジの金がまるまる手に入れるんだから」
「お前は、そのキレイな瞳のどこに汚い心隠してんだ!!そもそも神楽ちゃん免許もってんの!なんか普通に運転してるけど」
「人はねるのに免許なんて必要ないアル」
「オイぃぃぃ!!ぶつけるつもりかァァ!!」
「お前、勘弁しろよ。ビデオ粉々になるだろーが」
「延滞料金に加えて器物損壊の罰金なんて払えないからね。やるなら証拠隠滅で塵一つ残さないで欲しいかな」
「ビデオから頭離せ!!」
「あっ、路地入りやがったぞアイツ!!」
キャサリンは小回りをきかせ路地へと入り込んだ。
神楽も追って、勢いよくハンドルを回した。
「ほァちゃああああ!!」
「オイオイオイオイ」
「なんかもうキャサリンより悪い事してんじゃないの僕ら!!」
パトカーの車体よりも狭い細さの路地を、アクセルを緩めず突き進む。
サイドミラーは吹っ飛び、車体の両サイドは建物を削り取りながら何とか進む。
「死ねェェェアル、キャサルィィィン!!」
「あれ?」
路地を抜けた瞬間、パトカーはそのまま宙へ飛び出した。
目の前は川。
結衣は反射的に団子の袋と給料袋を抱き締めた。
「あれェェェェェ!!」
路地をぬけたところで停車していたキャサリンは、パトカーの落下を見届けるとニヤっと笑う。
突然の落下に車内はパニック。というより新八が大騒ぎ。
「溺れるぅぅうう!!」
「この程度でいちいちうるさいアル」
「結衣」
「うん」
それだけで通じた。
銀時は迷いなく車外へ飛び出した。
幸い川は浅く、パトカーはエンジンルームが浸かる程度で済んだ。
後続のパトカーに追いつかれたキャサリンは、おとなしく手錠を掛けられている。頭には立派なたんこぶが一つ。
一方その横では、盗まれたレジを今度は丸ごと持ち帰ろうとする神楽を、新八が必死で止めていた。
欄干にもたれたお登勢は、煙草の煙をふっと空へ吐き出す。
「仕事くれてやった恩を仇で返すたァよ。仁義を解さない奴ってのは男も女もみにくいねェ、ババァ」
「家賃も払わずに人ん家の2階に住みついてるやつはみにくくないのかィ?」
「ババァ、人間なんてみんなみにくい生き物さ」
「言ってることメチャクチャだよアンタ!」
「まァいいさ。今日は世話んなったからね、今月の家賃くらいはチャラにしてやるよ」
その言葉に、川を眺めていた銀時がぱっと顔を上げる。
「マジでか?ありがとうババァ再来月は必ず払うから」
「なにさりげなく来月スッ飛ばしてんだ!!」
「さっきからお前ェ何食ってんだ」
「お団子」
袋を差し出す。
「いる?」
「いる。」
銀時は返事をするより早く一本抜き取った。
「お登勢さんも」
「もらおうかね」
「新八くーん、神楽ちゃーん」
橋の向こうへ向かって袋を掲げる。
「お団子食べる?」
「食べます!」
「食べるアル!」
神楽はレジを抱えたまま駆け寄ってくる。
新八はその後ろを、
「だからそれ返してよ!」
と叫びながら追いかけていた。
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