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Love song -side M-

――俺は神としてやり直し、そして二度と世界に干渉できないようにその力を封じた小さな輪を薬指にはめた。
黒は人間としてやり直す選択肢を結局変えなかったけれど、とても大きなものを残していってくれた。


駆けだす足元の先に黒く伸びる影を見て口元を緩める。
長い間なくなっていたその存在が戻ってきたのは他でもない黒のおかげだ。
一緒にはいられないが、せめて同じ形をしたものを残してやると言い残し、彼が最後に見せた本当の笑顔を、自分の終わりを見届けたら、きっとけじめをつけるために戻ってくると告げた強いまなざしを思い出す。


「さあ行こうか、黒。誰かの闇をはらうために」



過去をやり直すためじゃなく、俺達は未来を信じてお互いの道を選んだ。


記憶の生み出す叢雲がいくつもたちこめる先を見つめ、それでも逃げずに立ち向かう者に、くじけそうになる者にひたすら手を差し伸べて。
終わらない救いの旅にはかつてハテナと呼んでいた友もいる。だから、大丈夫。



いつかきっとまた、必ず巡りあおう。



追伸:初めて出会ったあの世界は白すぎて、だからこそ君の姿は光と同じ存在で。感謝をこめて「黒」の名を与えたと、君は気付いてくれていただろうか。
追伸、二:俺の支えでいてくれた君に感謝を。そしてどうか幸せが、愛がありますように。


(いつも、いつまでも、見守っているよ)



13.12.28
END.
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