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Waltz

「おい。いつまで考えこんでるんだ」
「…ああ、悪い。そろそろ行こうか」

Mの呼びかけに答えて腰をあげる。ハテナは小さな姿で俺達の周りをくるくる回った。

「しかし思い切った決断だよな…後悔はないのか?」
「そんなものないさ。自分で出した答えだ。考えられる中で一番だと思える決断をしたんだ…結果が最悪になったってその時また考えればいい。時間は飽きるほどあるし、相談する相手もいるからな」

Mの言葉を聞いたハテナが嬉しそうに笑う。
『もう一度、本当に最後のやり直し』を決めた俺達に付き合って弱体化したハテナに声が戻るのは当分先のことだろう。

「なあ、M」
「なんだ」
「…今まで、悪かった」

話し合いの中で言えなかったことをやっと口にして、後に続ける言葉が出てこなかった。
許してくれなんて言えないし、許してもらえるとも思っていなかった。
Mはすでに謝っていたのに俺は言い出せずにいたせいもある。

自分の気持ちを明かそうとしないのは昔からの悪いクセだ。
行動で示せばわかってくれるなんて思いこむ、ガキみたいな悪いクセ。
それと縁を切るのはこれが最後のチャンスだ。
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