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Toccata

「けどもう、それもおしまいだ。いつまでもいつまでも変わらないことを繰り返すなんて馬鹿げてる。俺にはそもそもあいつに付き合う理由なんて最初からなかったんだ」

どうしよう。黒の言ってる意味がよくわからない。
消える?この場所が?神様は、ぼくは、どうなるの?

そして、黒も。



一人ぼっちになるのに、それでいいの?

「やめろ」

黒が急に熱を帯びた声で短く告げる。

「俺がどうなろうが、お前には関係ないはずだ」
『でも、くろ』
「うるさい!!!!!!」

吹き荒れる風が一気に流れて、それでもぼくは必死に踏ん張った。
黒のやりたいことがわからなくても、心はわかりたい。
あの世界にずっとずっと一人で淋しかったぼくみたいになってほしくない。

いや、もうなってるのかも。だってあの世界には、ぼくがいた世界より何もなかったんだから。


「いいから、あいつを呼べよ。そしてせいぜいあがけばいい。そうすれば、…そうすれば、全てが終わる」

うつむいたままの黒の口の端が引きつった。
笑っている、つもりらしい。


『……わかった』
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