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Ballade

「………」

なぜか少し前に見かけた不思議な生き物が脳裏に浮かぶ。
無垢に見えるようで賢く、闇色に染まりながらも純粋だった。

あいつはいったいなんだったんだろう。
Mと関係があるようだったが、存在自体がつかめなさすぎて知ること自体を放置した。
それにMの言うとおり「俺には関係ない」生き物だ。

Mの世界にいるモノなら俺が口をはさむ権利はない。
…それを言い出せば、俺があいつの世界を壊す権利もなくなるが。


考えたくない範囲に脳が話をおしすすめて慌てて頭を振った。




もう寝よう。
なんとか落ち着けたんだ、眠ることくらいはできる。

肺の奥底から息を押し出して必死に睡魔の手をとった。




――安眠できる自信も、再び悪夢を見ない自信もなかった。

13.9.28
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