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Mute

ああ、でも怖い。消えてしまうのは怖い。
世界に消えてしまえなんて願ったぼくなのに、自分が消えるのは嫌だなんて最低だ。
なのに、さみしい。つらい。こわい。
どんどんなくなった感情の中で、これだけは毎日繰り返される光景のせいで色濃く残っている。
もう、消えた色々も悲しめないのに、なんて自分勝手なんだろう。

ううん、これは罰なのかな。
つまらないことで世界をゴミみたいに考えた、ぼくだけに下された、罰。



「ごめんなさい…ごめんなさい」

謝ってすむのか、誰に謝っているのか、そもそも“誰か”が存在するのか。
そんなことはどうでもよかった。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、」

ただ、伝えずにはいられなかった。



13.5.29
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