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何故、という疑問だけが俺の中にあった。

何故、こんなところに来なければならなかったのか。
何故、こんな目にあっているのか。
何故、こんな理不尽な立場なのか。
何故、こんなことになってしまったのか。


一つ一つが明らかになるたびに疑問は大きくなり、今の俺は最後の疑問に直面していた。

何故、あんな人生を歩まなければならなかったのか。


どんなに努力しても、どんなに期待に応えようとしても、どんなに信じても報われない世界なんてあっていいはずがない。
あの世界は基礎からねじ曲がっていた。じゃなきゃあそこまで理不尽なことは起きない。
終焉のきっかけが俺の言葉だったことから逃げたいわけじゃない。
それを認めたうえで、あの世界が異常だと理解したのは最近のこと。


だからこそ、あの世界の存在理由を知りたい。
たぶんその思いが強くて、だから今こんな形で『神』になっている。
俺の今の状況に自分が納得しているのはこれがすべての理由だった。

ただし、俺はMと違って世界を創造したりなんかしていない。

二度と人間にかかわるのはごめんだからだ。
あんな奴らと一緒にいたという過去に唾を吐きたいくらいだ。

その過去を作ったやつを見つけ出して、ぶん殴って、違う、気のすむまで、永遠に殺し続けて殺していいや殺したりない、皮を剥いで肉を裂いて骨を砕いて組織を散らかして脳髄をぶちまけて他の汚いモノは全部ぐちゃぐちゃに踏み潰してやりたい。それでも足りないくらい憎い。

だから早く。一秒でも早く見つけたいのに、見つけられない日々が続いていた。
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