A 道端の雑草
なまえをおしえて。
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07
気がつくと目の前にマルコがいた。
ずっと見ていたマンガの登場人物。
5年目にしてやっと、自分がONE PIECEの世界にトリップしたのだと実感した、気がする。
純粋に喜ぶにはこの5年と世界はあさのすけに無慈悲だったけれど。
そして今、その彼に自分は何者かと問われている。
状況としては最悪だ。最悪にしたのは自分だ。
「白ひげ海賊団で、なおかつ、不死鳥のマルコって言ったら有名中の有名じゃ、ないですか…」
私は異世界の人間なので、あなたのことを知ってます。なんて言えるわけもなく
そもそも、漂流者、なんて素直に自白できるわけもない。心の傷が醜く拗れているのは自分自身が一番よくわかっている。
「いくら有名でも、一瞬でわかるのも珍しいよい」
「それは…」
「前の海賊に躾けられたかい?」
言葉になんも感情はないのはわかっていた。
ただ淡々とマルコは、得体の知れない自分に対して質問していると理解はできても、前の海賊。という単語に、嫌な記憶が一瞬にしてフラッシュバックした。怖い。気持ち悪い。背中が痛い。
途端に、今この場にいるのが怖くなった。
持っていたバスケットが力の抜けた手から滑り落ちる。
落ちた音で、あさのすけはハッとしてマルコを見ることもなくそのまま逃げるように走った。
後ろから何か声がした気がしたが、そんなのに止まれるほど余裕もなかった。
ただただ、背中が痛かった。
そこから、どう店に帰ったか覚えていない。
きっとすごい顔だったのだろう、リリィが自分を見てすごく驚いた顔をしていたのだけは、後になって覚えている。
あさのすけは自室に入ると布団に潜った。
掛け布団に隙間なく包まるその姿は、まるで自分を守る為のシェルターの様だった。
気がつくと目の前にマルコがいた。
ずっと見ていたマンガの登場人物。
5年目にしてやっと、自分がONE PIECEの世界にトリップしたのだと実感した、気がする。
純粋に喜ぶにはこの5年と世界はあさのすけに無慈悲だったけれど。
そして今、その彼に自分は何者かと問われている。
状況としては最悪だ。最悪にしたのは自分だ。
「白ひげ海賊団で、なおかつ、不死鳥のマルコって言ったら有名中の有名じゃ、ないですか…」
私は異世界の人間なので、あなたのことを知ってます。なんて言えるわけもなく
そもそも、漂流者、なんて素直に自白できるわけもない。心の傷が醜く拗れているのは自分自身が一番よくわかっている。
「いくら有名でも、一瞬でわかるのも珍しいよい」
「それは…」
「前の海賊に躾けられたかい?」
言葉になんも感情はないのはわかっていた。
ただ淡々とマルコは、得体の知れない自分に対して質問していると理解はできても、前の海賊。という単語に、嫌な記憶が一瞬にしてフラッシュバックした。怖い。気持ち悪い。背中が痛い。
途端に、今この場にいるのが怖くなった。
持っていたバスケットが力の抜けた手から滑り落ちる。
落ちた音で、あさのすけはハッとしてマルコを見ることもなくそのまま逃げるように走った。
後ろから何か声がした気がしたが、そんなのに止まれるほど余裕もなかった。
ただただ、背中が痛かった。
そこから、どう店に帰ったか覚えていない。
きっとすごい顔だったのだろう、リリィが自分を見てすごく驚いた顔をしていたのだけは、後になって覚えている。
あさのすけは自室に入ると布団に潜った。
掛け布団に隙間なく包まるその姿は、まるで自分を守る為のシェルターの様だった。