口移しのチョコレート

店を出た私たちの酔いはもうすっかり覚めていた。
佐江ちゃんの顔はあれからずっと赤い。
「もう、ゆきりん、やりすぎだって…」
「ごめん。でも、気持ちよかったでしょ?」
「…うん」
「佐江ちゃん、私だけ見てくれた?私、佐江ちゃんのこと独占できたかな?」
「ゆきりんのことしか考えてなかった。っていうか、ゆきりん以外考えられなかった…」
(やった、作戦大成功♪)
「佐江ちゃん」
「何、ゆきりん?」
「来年も、バレンタインスイーツ食べに行こうね」
「うん!でも、もう口移しは嫌かな」
「なんでよ〜」
「だって恥ずかしすぎるし!!」
「じゃあ、おうちの中でならいい?」
「それは…まあ」
「来年のバレンタインは、おうちデートかな」
今日は、忘れられないバレンタインになるだろう。
けど、それは思い出のひとつにすぎない。
私たちは、まだまだこれから、たくさんの思い出を作っていくのだから。
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