第四話 近づく色

少しずつ中間テストへの日程も近づいてきて、来週はついにテスト本番だ。
そして、今日はいつも通りレッスンの日。
レッスンがない日はちゃんと勉強しているから、問題はないと自分に言い聞かせている。
スタジオについてレオタードに身を包み、教室に入る。
外を見ると、大雨が降っていた。
(急に降ってきた…帰るときには止むといいな)
そろそろ梅雨入りと言われる季節になってきたが、一段と強い雨だった。
先生が教室に入り、レッスンが始まる。
プリエ、タンジュ、ジュッテ、ルルベ。
最初は苦戦していた基礎的な動きも、最近は難なくこなせるようになってきた。
それも、はるっぴとの自主練のおかげだろう。
「宮脇さん、動きがきれいね。来月から、Dクラスに行くのはどう?」
「ほ、ほんとですか!?まだ始めてから一カ月も経ってないのに…」
「入ってきたのはみんなより一カ月遅いのに、飲み込みが早くて伸びしろがあるわ。もっとがんばってみない?」
「先生がそう言うなら…」
こうして、六月からDクラスに行くことが決定した。
(はるっぴに伝えたら喜ぶだろうな。それに、お礼しないと。はるっぴのおかげなんだから)

レッスンも終わり空き部屋でひとり練習すること30分。
「さくちゃん、おる?」
自分のレッスンを終えたはるっぴが空き部屋に入ってきた。
「うん。あのねはるっぴ。聞いてほしいことがあるの」
「私、来月からDクラスに行くことになった」
そう伝えると、はるっぴは目を輝かせながら笑顔で私に抱きついた。
「さくちゃんすごーい!!おめでとう!始めて一カ月も経ってないのにDクラスに行けるなんてほんとにすごいよ!」
私の耳元で喜ぶ声をあげるはるっぴ。
強い力で抱きしめられ、思わず心臓が高鳴る。
鼓動がはるっぴに伝わってないかが心配だった。
「ちょっと、はるっぴ苦しいよ…でもありがとう。はるっぴのおかげだよ。」
「いや、さくちゃんがたくさん練習したからだよ!」
「はるっぴに比べたらまだまだなんだけどね」
「そんなことないよ。いつか追いついて、一緒に踊ってくれる夢、早く叶えてほしいなあ」
「それはもちろん。私、これからもがんばる」
「私もがんばる!じゃあ、さっそく練習しよっか」
「うん!」
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