第三話 輝く色
博多女子高校での昼休み。
私とさっしーはいつも通り屋上にいた。
「ねえ咲良!!ゴールデンウィーク公演の千秋楽よかったよね!?」
「う、うん。よかった。はるっぴすごかった」
さっしーの圧に圧倒されながらも、お弁当を食べ進める。
秋元バレエ劇団のゴールデンウィーク公演。
私がはじめてさっしーに連れられたのが初日で、きのうの最終日が千秋楽だった。
私は初日と千秋楽しか行ってないけど、さっしーは全公演見に行ったそうだ。
はじめて見たときと同じ、優雅な立ち振る舞い。
それを見てもう一度胸が高鳴ったと同時に、私はこの人と一緒に自主練したんだという実感を噛み締めていた。
「あのね、さっしー」
「ん?どした、咲良」
「私、はるっぴと会ったんだ。」
「え、まじ!?」
「ゴールデンウィークに、バレエの無料体験に行って。レッスンが終わったあと、自主練してたら偶然会って…お友達になった」
「ま、まじ??きのうそんなこと一言も言わなかったじゃん!!」
さっしーは叫びながらそう言う。
「ほんとだよ。きのうは、なんだか信じられなくて言わなかったんだ。でも、公演を見てびっくりした。踊ってるときはあんなにきれいでかっこいいのに、しゃべったらなんだかふわふわしててかわいいの。きのうはそのギャップにやられてた。」
「いいな〜!推しと会えるとか、めっちゃラッキーじゃん。指原もまゆゆに会いたいよ〜」
さっしーは天を仰いで、心底うらやましそうな顔をした。
「さっしーもどう?初回は無料だよ」
「指原はいいよ!高い月謝払うなら、まゆゆの公演代に回す!」
「さっしーらしい」
放課後、教室を出て行こうとすると、クラスメイトが話していた内容が耳に入る。
奈子「HKT女学院ってすごいよね」
美久「お嬢様学校でしょ?私たちとは違うよね」
村重「身分違いってやつね〜」
(身分違い…か)
はるっぴがどこの学校に通っているかは知らないけれど、彼女はきっとお嬢様で、バレエに対してすごく真剣な女の子だ。
そんな彼女と、普通の私が友達になったなんて、数日経っても事実とは信じがたい。
そのまま校門に出て、さっしーと合流する。
「咲良ー!帰ろ〜」
「うん」
帰り道、HKT女学院の前を偶然通りかかった。
「HKT女学院…クラスの子が話してた。私たちとは違うって」
「まあ、HKT女学院はレベルが違うからねえ。博多一のお嬢様学校だもん。きっと、こんなすごいところにまゆゆは通ってるんだろうなあ…」
さっしーがそう言った瞬間、校門から見慣れた人物が出てきた。
可憐で品のある、そんな輝きをもった人が。
「え!?まゆゆ!?!?」
その隣には、私の友達も。
「はるっぴ!」
私は迷わずはるっぴのもとへ駆けつけた。
「さくちゃん!まさかこんなところで会うなんて」
「咲良の話、信じてなかったわけじゃないけど…本当だったんだ…はるっぴと友達って…」
「今日、レッスンある?」
「うん、あるよ」
「じゃあ…また一緒に自主練したいな」
「もちろん。さくちゃんと踊るの楽しみにしとるけん」
「なんかふたりの空気みたいなの流れてるんですけど…」
さっしーが真顔で突っ立っていると、彼女に声をかける人がいた。
「あの…!公演見にきてくれた人ですよね?」
それは、さっしーの推し、渡辺麻友。
「ま、まゆゆが、私のこと認知してる!?」
さっしーは衝撃で膝から崩れ落ちた。
私はそれを見て、若干引いた。
「声出しokパートであんなに大きな声で応援してくれるの、あなたしかいないので。今回の、ゴールデンウィーク公演、全部きてくれてましたよね。それと…東京の公演も一度だけ」
「まゆゆ覚えててくれたの?はじめて見たあの日、あまりにもかわいすぎて叫びまくって、次の日声枯れた…」
(さっしー何してんの…)
「お名前、聞いてもいいですか?ずっと話してみたかったんです」
「指原莉乃です!!名前は呼ばなくていいです!!指原なんかそこらへんの虫けらと同じように扱っていいので!!!」
(うわあ…)
「咲良?ねえ、咲良??今まゆゆが私と話してみたいって言ってた?言ってたよね!?え、これ夢?夢じゃなかったら何?現実!?え!?!?」
さっしーがあんまりにもうるさいから、頬を少し引っ張ってあげた。
「痛ッ!咲良何すんの!?」
「痛いってことは現実じゃん」
私たちのやりとりを見て、まゆゆは小さく笑う。
「ふふ、指原さんですね。お友達の方も、よろしくお願いします」
「まゆゆが!指原の名前呼んでくれた!よ、よろしくお願いします!!!」
「よろしくお願いします…うるさくしてすいません」
「いえいえ、全然。指原さん、もしよかったら今度一緒にお茶でもどうですか?」
「え!?まゆゆとお茶!?!?指原これからバイトなんですけど、飛んだ方がいいかな」
「ばか、今度だって言ってるじゃん。バイトない日にしなよ」
「たしかにその通りだわ。指原勘違いしてて草。じゃあ、バイトない日にまゆゆのこと校門前で待ち伏せします!!!」
「不審者じゃん…」
「ふふ、待ってます」
まゆゆは天使のような微笑みをさっしーに向けた。
「アッ!!!!死ぬ!!!」
さっしーはまた膝から崩れ落ちた。
「じゃあ、私たちそろそろ行くので」
「さくちゃん、またね」
「うん。はるっぴ、またあとで」
そのままふたりは博多の街へと消えていった。
「すぅーーー…はぁーーー…咲良、指原今日死ぬ?」
「勝手に死ねば…」
「ねえなんでそんなこと言うの!!せっかくまゆゆと会えたのに!!」
「ごめん、冗談だって。っていうかさっきからうるさいよ。」
「すんません…これからバイト行けるかな…」
「がんばれ。私もバレエのレッスンがんばるから」
「うん。わかった…」
私はさっしーの体を起こして、バイト先まで着いていってあげた。
私とさっしーはいつも通り屋上にいた。
「ねえ咲良!!ゴールデンウィーク公演の千秋楽よかったよね!?」
「う、うん。よかった。はるっぴすごかった」
さっしーの圧に圧倒されながらも、お弁当を食べ進める。
秋元バレエ劇団のゴールデンウィーク公演。
私がはじめてさっしーに連れられたのが初日で、きのうの最終日が千秋楽だった。
私は初日と千秋楽しか行ってないけど、さっしーは全公演見に行ったそうだ。
はじめて見たときと同じ、優雅な立ち振る舞い。
それを見てもう一度胸が高鳴ったと同時に、私はこの人と一緒に自主練したんだという実感を噛み締めていた。
「あのね、さっしー」
「ん?どした、咲良」
「私、はるっぴと会ったんだ。」
「え、まじ!?」
「ゴールデンウィークに、バレエの無料体験に行って。レッスンが終わったあと、自主練してたら偶然会って…お友達になった」
「ま、まじ??きのうそんなこと一言も言わなかったじゃん!!」
さっしーは叫びながらそう言う。
「ほんとだよ。きのうは、なんだか信じられなくて言わなかったんだ。でも、公演を見てびっくりした。踊ってるときはあんなにきれいでかっこいいのに、しゃべったらなんだかふわふわしててかわいいの。きのうはそのギャップにやられてた。」
「いいな〜!推しと会えるとか、めっちゃラッキーじゃん。指原もまゆゆに会いたいよ〜」
さっしーは天を仰いで、心底うらやましそうな顔をした。
「さっしーもどう?初回は無料だよ」
「指原はいいよ!高い月謝払うなら、まゆゆの公演代に回す!」
「さっしーらしい」
放課後、教室を出て行こうとすると、クラスメイトが話していた内容が耳に入る。
奈子「HKT女学院ってすごいよね」
美久「お嬢様学校でしょ?私たちとは違うよね」
村重「身分違いってやつね〜」
(身分違い…か)
はるっぴがどこの学校に通っているかは知らないけれど、彼女はきっとお嬢様で、バレエに対してすごく真剣な女の子だ。
そんな彼女と、普通の私が友達になったなんて、数日経っても事実とは信じがたい。
そのまま校門に出て、さっしーと合流する。
「咲良ー!帰ろ〜」
「うん」
帰り道、HKT女学院の前を偶然通りかかった。
「HKT女学院…クラスの子が話してた。私たちとは違うって」
「まあ、HKT女学院はレベルが違うからねえ。博多一のお嬢様学校だもん。きっと、こんなすごいところにまゆゆは通ってるんだろうなあ…」
さっしーがそう言った瞬間、校門から見慣れた人物が出てきた。
可憐で品のある、そんな輝きをもった人が。
「え!?まゆゆ!?!?」
その隣には、私の友達も。
「はるっぴ!」
私は迷わずはるっぴのもとへ駆けつけた。
「さくちゃん!まさかこんなところで会うなんて」
「咲良の話、信じてなかったわけじゃないけど…本当だったんだ…はるっぴと友達って…」
「今日、レッスンある?」
「うん、あるよ」
「じゃあ…また一緒に自主練したいな」
「もちろん。さくちゃんと踊るの楽しみにしとるけん」
「なんかふたりの空気みたいなの流れてるんですけど…」
さっしーが真顔で突っ立っていると、彼女に声をかける人がいた。
「あの…!公演見にきてくれた人ですよね?」
それは、さっしーの推し、渡辺麻友。
「ま、まゆゆが、私のこと認知してる!?」
さっしーは衝撃で膝から崩れ落ちた。
私はそれを見て、若干引いた。
「声出しokパートであんなに大きな声で応援してくれるの、あなたしかいないので。今回の、ゴールデンウィーク公演、全部きてくれてましたよね。それと…東京の公演も一度だけ」
「まゆゆ覚えててくれたの?はじめて見たあの日、あまりにもかわいすぎて叫びまくって、次の日声枯れた…」
(さっしー何してんの…)
「お名前、聞いてもいいですか?ずっと話してみたかったんです」
「指原莉乃です!!名前は呼ばなくていいです!!指原なんかそこらへんの虫けらと同じように扱っていいので!!!」
(うわあ…)
「咲良?ねえ、咲良??今まゆゆが私と話してみたいって言ってた?言ってたよね!?え、これ夢?夢じゃなかったら何?現実!?え!?!?」
さっしーがあんまりにもうるさいから、頬を少し引っ張ってあげた。
「痛ッ!咲良何すんの!?」
「痛いってことは現実じゃん」
私たちのやりとりを見て、まゆゆは小さく笑う。
「ふふ、指原さんですね。お友達の方も、よろしくお願いします」
「まゆゆが!指原の名前呼んでくれた!よ、よろしくお願いします!!!」
「よろしくお願いします…うるさくしてすいません」
「いえいえ、全然。指原さん、もしよかったら今度一緒にお茶でもどうですか?」
「え!?まゆゆとお茶!?!?指原これからバイトなんですけど、飛んだ方がいいかな」
「ばか、今度だって言ってるじゃん。バイトない日にしなよ」
「たしかにその通りだわ。指原勘違いしてて草。じゃあ、バイトない日にまゆゆのこと校門前で待ち伏せします!!!」
「不審者じゃん…」
「ふふ、待ってます」
まゆゆは天使のような微笑みをさっしーに向けた。
「アッ!!!!死ぬ!!!」
さっしーはまた膝から崩れ落ちた。
「じゃあ、私たちそろそろ行くので」
「さくちゃん、またね」
「うん。はるっぴ、またあとで」
そのままふたりは博多の街へと消えていった。
「すぅーーー…はぁーーー…咲良、指原今日死ぬ?」
「勝手に死ねば…」
「ねえなんでそんなこと言うの!!せっかくまゆゆと会えたのに!!」
「ごめん、冗談だって。っていうかさっきからうるさいよ。」
「すんません…これからバイト行けるかな…」
「がんばれ。私もバレエのレッスンがんばるから」
「うん。わかった…」
私はさっしーの体を起こして、バイト先まで着いていってあげた。