間章 Carta  ―手紙―

親愛なる旧友、リオへ

 急ぎでこの便りを送ります。
 あなたが巻き込まれている事件が何事だか知りませんが、事実であればかなり急いだほうがいいだろうと思い、少々強引な手段を使わせていただきました。
 次から魔導局の通信部から白い目で見られるでしょうが、まぁ多少はしょうがないでしょう。あなたの蛮行に付き合うのであればこれくらいのことは已むを得ません。
 さて、こちらの用件ですが、古代文献から分かったことはほとんどありません。
 先にも書きましたが、わかっている範囲でアンバル・デ・オロについての古い記述はほとんど残っていないのです。
 あまり古くない記述なら見つかりましたから、そちらを抄訳してお送りします。もっとも、何が問題かはこちらではそもそもわからないので、これだけの情報でも役に立つことはあるでしょう。
 抄訳にもありますが、記述が確かなら、琥珀アンバルの竜の力が無効になる日が年に一度だけあることになります。
 それが夏至の夜です。
 あなたが調査を開始したタイミングが偶然の一致によるものでないなら、この日に何かが起こると見て間違いありません。
 もう何かを掴んでいるかもしれませんが、あなたの考えを実行に移すなら急ぐように。
 それから、今までずっとあなたの耳にたこを作るつもりで言ってきたことなので今更言っても聞かないでしょうが、無茶はほどほどにしてください。あなたの無茶は人を巻き込みます。
 それと、連絡は何かに巻き込まれる前に寄越してください。できれば定期的に。
 久しぶりに寄越してきた消息が喫緊の危機を伝えるものというのは、受け取った側の身にとっては心臓に悪いのですよ。私も暇ではないのですから。
 それでは、次は良い便りを期待しています。

敬具
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