Bosque de Maldición ―迷いの森―
翌日からリオは、金の森に入ることができなかった。
厳密には、森に入っても娘のいた泉と洞窟のある丘に辿り着くことができなくなったのだ。
同じ場所を何度もぐるぐる回っているような気がする時もあれば、そのまま森を突っ切って畑に出てしまい、獣道ひとつ見つけられない時もあった。普段通っていた道と違う場所から入ろうとしたが無駄だった。道に目印をつけるのも方位磁針に頼るのも失敗に終わった。つけたはずの印は全て消えてしまい、コンパスは磁気を乱されて役に立たなくなった。何度森に行こうと同じだった。日を改めて向かってみたが、変わらなかった。
どうやら「ここには来るな」という娘の言葉は本気だったらしい。あるいはもしかしたら、今までが違っただけで、これが本来の森の姿なのかもしれない。
「他の方法を探さないといけない、か……」
森と畑を隔てる道の間で、リオは思案した。彼が森で探していた目的は未だ果たされていない。しかし森に入れない今、他に調査する手立てはあるだろうか。
リオが道端で腕組みをしていると、そこへ一人の農夫が通りかかった。
「おや、ダリんとこに泊まってる兄ちゃんじゃねえか。どうなすったんです、難しい顔して。町じゃもうみんな仕事上がって、祭りの準備してますぜ。見てかないんですかい?」
「ああ、俺は……」
断ろうとしてリオは気づいた。まだ調べていないことは山ほどある。木は森の中だけにあるとは限らない。人だって庭に木を植えるのだ。
リオは農夫に頷いた。
「ぜひ、そうさせてもらいましょう」
厳密には、森に入っても娘のいた泉と洞窟のある丘に辿り着くことができなくなったのだ。
同じ場所を何度もぐるぐる回っているような気がする時もあれば、そのまま森を突っ切って畑に出てしまい、獣道ひとつ見つけられない時もあった。普段通っていた道と違う場所から入ろうとしたが無駄だった。道に目印をつけるのも方位磁針に頼るのも失敗に終わった。つけたはずの印は全て消えてしまい、コンパスは磁気を乱されて役に立たなくなった。何度森に行こうと同じだった。日を改めて向かってみたが、変わらなかった。
どうやら「ここには来るな」という娘の言葉は本気だったらしい。あるいはもしかしたら、今までが違っただけで、これが本来の森の姿なのかもしれない。
「他の方法を探さないといけない、か……」
森と畑を隔てる道の間で、リオは思案した。彼が森で探していた目的は未だ果たされていない。しかし森に入れない今、他に調査する手立てはあるだろうか。
リオが道端で腕組みをしていると、そこへ一人の農夫が通りかかった。
「おや、ダリんとこに泊まってる兄ちゃんじゃねえか。どうなすったんです、難しい顔して。町じゃもうみんな仕事上がって、祭りの準備してますぜ。見てかないんですかい?」
「ああ、俺は……」
断ろうとしてリオは気づいた。まだ調べていないことは山ほどある。木は森の中だけにあるとは限らない。人だって庭に木を植えるのだ。
リオは農夫に頷いた。
「ぜひ、そうさせてもらいましょう」
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