Lobo en Pueblo ―町の狼―
翌朝早くに、リオは修道院の門扉を叩いた。もちろん埃避けの布も忘れずに持ってきて。
朝寝を邪魔された老女は随分と不機嫌そうで、リオが昨晩から温めていた疑問の数々をぶつけても一つも返してはくれなかった。年老いた修道女が朝に弱いというにわかには信じがたい事実に打ちのめされ、リオはすごすごと退散するしかなかった。
退散した先で彼は昨日の続き、すなわち小屋の中の整理を再開した。この埃だらけの屋内に何か有用な物品が残っているのだろうかという疑問が拭い去れなかったが、なるべく考えないようにした。とにかくひたすら手を動かすことに注力する。
時間的にも少し余裕があったので、荷物の整理をしながら、中をある程度検めていった。しかし出てくるものは古びた什器や道具といったものがあらかたで、先程の疑問がだんだんと避け難い現実として重くのしかかりつつあるのだった。
それでも朝早く来たおかげで昼過ぎにはあらかたの整理がひと段落し、ついに石造りの床が見えるまでになった。つい嬉しくなり、黒に近い深緑色のつるつるとした床を思わず触ってみる。指が埃まみれになったものの、ひんやりとして気持ちいい。
おや、とリオは思った。以前これと似たものを触ったことがある気がする。
何だったか、と思い出そうとした時、腹が空腹を訴えて大きく鳴った。休憩も挟まず重いものを動かし続けたので流石に疲れた。その分達成感もひとしおだったが、休息を取らないことには始まらない。続きは昼飯でも取ってから作業を再開することにしよう。礼拝堂の方面から、人の話し声が少し聞こえてきた。もう誰か集まっているらしい。その人たちに話を聞いてみるのもいいだろう。
そんなことを考えているうちに、だんだんと目蓋が重くなってきた。
扉と壁の隙間から漏れ差す陽光が、心地よい温度となってリオを包んだ。
朝寝を邪魔された老女は随分と不機嫌そうで、リオが昨晩から温めていた疑問の数々をぶつけても一つも返してはくれなかった。年老いた修道女が朝に弱いというにわかには信じがたい事実に打ちのめされ、リオはすごすごと退散するしかなかった。
退散した先で彼は昨日の続き、すなわち小屋の中の整理を再開した。この埃だらけの屋内に何か有用な物品が残っているのだろうかという疑問が拭い去れなかったが、なるべく考えないようにした。とにかくひたすら手を動かすことに注力する。
時間的にも少し余裕があったので、荷物の整理をしながら、中をある程度検めていった。しかし出てくるものは古びた什器や道具といったものがあらかたで、先程の疑問がだんだんと避け難い現実として重くのしかかりつつあるのだった。
それでも朝早く来たおかげで昼過ぎにはあらかたの整理がひと段落し、ついに石造りの床が見えるまでになった。つい嬉しくなり、黒に近い深緑色のつるつるとした床を思わず触ってみる。指が埃まみれになったものの、ひんやりとして気持ちいい。
おや、とリオは思った。以前これと似たものを触ったことがある気がする。
何だったか、と思い出そうとした時、腹が空腹を訴えて大きく鳴った。休憩も挟まず重いものを動かし続けたので流石に疲れた。その分達成感もひとしおだったが、休息を取らないことには始まらない。続きは昼飯でも取ってから作業を再開することにしよう。礼拝堂の方面から、人の話し声が少し聞こえてきた。もう誰か集まっているらしい。その人たちに話を聞いてみるのもいいだろう。
そんなことを考えているうちに、だんだんと目蓋が重くなってきた。
扉と壁の隙間から漏れ差す陽光が、心地よい温度となってリオを包んだ。
