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綿がし記念日

梅雨の季節の帰り道、
「雨ばっかり続くとさ、何か気分が沈むんだよね。」僕は溜息をついた。
「へえー、お前らしくねー。お前でも
気分が沈むんだな。」アイツは、少し馬鹿にした感じに言ってきたので僕はムッとした。
「僕だって、気分が沈む時はあるんだ
よ!」と、口を尖らせると、アイツが僕の頬をキュッとつねって言った。
「天気に左右されんなよ。情けない。
本当お前が気分沈んでいるせいで、
俺の気分も沈むだろ。お前は犬っこ
ろみたいに、はしゃいでいる方がお
前らしい。」
アイツはつねるのを辞めて、何事も無かったかのように前を向いた。アイツの顔が一瞬、ほんのり赤く染まっていたのを僕は見た。何だかお互いに気ま付く感じたのか、しばらく無言のまま歩いた。
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