鍵の紋章
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それから暫くリアムの案内で歩き続けると、開けた草原の広がる場所に大きな石造りで出来た平べったい時計の様な物が地面にでかでかとある。
なんだろうこれ?、石で出来てるし、日時計にしては、ちゃんと1から12まで書かれた文字盤と、秒針に短針と長針も付いてるけど、まさか、動く訳ないもんね?
リアムはそれを見て不機嫌になっている。
「チッ、これは…随分と厄介な物を残してくれましたね?
日時計にも見えなくはないですが、コイツはそんな生易しい物なんかじゃないです。」
なにか、マズイ物なのかな?
「え?…ただの時計を真似た芸術作品とかじゃないのかな?」
リアムはため息を吐いてから私に指示する。
「ま、実践して見せた方が早いでしょう、クレス、アレに向かって手を翳しなさい」
リアムの言う通り右手を翳すと宿している紋章が光輝き私には聞いた事もない言葉でリアムが呪文の様な言葉を唱える。
「[[rb:הָקֵם אֶת הַמָּכוֹן > 装置よ、起動せよ]]」
リアムの呪文の様な言葉が終わると同時に、石造りで出来た針達が動き出し…凄まじい速さで日が暮れては、夜になって、朝焼けの後に青空が広が何度も繰り返して行く、私はその見た事もない異常な光景にため息の様な声を出してしまう。
「わぁ…凄い光景…」
猛スピードで空の移り変わりが変わっていくのを私は夢中になって見つめていると、又リアムが聞いた事のない呪文の様な言葉を喋る。
「[[rb:עֲצוֹר > 停止せよ]]」
リアムの言葉が終わると同時に時計の針もピタリとどれも止まり
空も青空の状態でもう日も沈まなくなっちゃった。
ちょっと残念だなぁ…もっと見たかったかも…
「ざっと、今ので2か月程月日を進めました。
クレス、この日時計みたいな奴は日時を望む時間帯に進めたり、戻したり出来る代物なんですよ?」
「ええ!?、そんな凄い物なの!?」
「でしょう?、ですからコイツは今から、ブッ壊します。」
流石にそれはちょっと酷くないかな?
「どうしてリアム?、昔の人がこれを作って残したって事は
これを使って欲しくて残したんだと思うんだけど…」
リアムは失笑した様な声で答える。
「それが厄介すぎるんですよ?
もしコレの構造を理解して扱える者が現れたら…
万が一にも使い方を誤って始まりの何もない暗闇の世界に戻してしまうかもしれません。
もしくはその逆で、終焉の世界にいきなりなってしまう可能性もあるんですよ?
仮に適切に使い方を理解する者が現れて、そいつがハルモニアの国の者だとしたら
私が貴女に宿ってすぐの頃に時間を戻されて、今度こそ確実に私達はハルモニアに捕らえられる可能性だってあるんです。
何よりもコレは人類には過ぎた物…よって破壊一択です。」
あ…そうなんだ。
確かに時間や日付を自由に進めたり、戻せたらしたら
悪い事に使おうとしたら、いくらでも出来そうだし…
使い方を間違えたら大変そうだもんね…
「分かったよ、リアム」
私はリアムを宿している方の右手を日時計の様な物に向ける。
ごめんなさい、せっかく一緒懸命に作った物を壊してしまって。
「[[rb:הַשְׁמֵד הַכֹּל > 全てを、破壊せよ]]」
右手のリアムの紋章が光輝きリアムが呪文の様な何かを唱えると
石造で出来た日時計の様な物も全体が光り、吹いている風にあっという間に埃の様に吹き飛ばされて、細かな粒子みたいになって姿形もなくなっちゃった。
「でも…何だか、凄く悪い事をした気分だよ?…」
私が暗い気持ちになってそう言うとリアムは何も感じてない様子で言って来る。
「これで良いんですって〜の
万が一にでもアレが誤った使い方をされれば
世界は瞬く間に生物の住めない終焉の世界になってしまうんですから…
そんな事になったら、私の作られた意味が無くなってしまいます」
リアムの言葉を聞いて私は不思議と思った事を尋ねる。
「ねぇ、リアム、あなたは人間同士の争いには何も関わるつもりとかはないんだよね?
それなのにさっきの、凄い事の出来る昔の人が作った危険な効果を持つ物は破壊するって考えなの?」
「ええ?、当然でしょう?
クレス、私は生物同士の争いには基本的には関与する考えはありません。
世界を大きな水槽と仮定として例えるのならば、その中で魚同士が縄張り意識で争ったり、食物連鎖が発生するのは当然の事と受け止め介入はしませんが
何等かの要因で水槽全ての生物が住めなくなる原因には介入するという事です。」
「そういう物なんだ…何か、リアムの考え方は私には分かる様で、分からないな…」
世界が終わってしまう可能性のある物を潰すのは、私にも分かるけど…
やっぱり人が苦しんでいたりする戦争を何とも思わないのは…私には理解出来ない。
でも…それはきっと、リアムが私みたいに、人間の視点でも、他の生物の視点でもなくて……
ただただ、生物を生かす環境が守れれば良いっていう考えなんだ……
戦争で、沢山の人が死んでしまうのも、リアムにから見た視点では、私達人間の争う戦争も
縄張り争いや、食物連鎖、自然淘汰と同じなんだね……
「さて、クレス、次行きますよ次?
今度はでっかい遺跡反応がありますからあそこならば何かこの事態を解決出来る手段があるかも知れません。」
え?、まだ行き先の当てがあるんだ。
リアムの指示で又暫く私は歩いているとリアムが警戒した声で指示を出してくる。
「クレス、今中間地点位ですがこのまま真っ直ぐ突っ走りなさい
誰か移動魔法でこっちにやって来ます。」
「えぇ?、で、でも、誰か来てくれるのなら助けて貰えるんじゃないのかなぁ?」
呆れた声でリアムは私を叱る
「頭ん中お花畑ですね、貴女は?
私達の元に、正確にやって来ると言う事は、私の存在を認知して、何等かの介入をしようとして来るに決まってるじゃないですか?
しかも真なる紋章反応が二人と遅れて1人と他を連れてやって来る気配がするんですっつーの!!」
え?…でも何で逃げるの?、だってリアムは、真なる紋章を抑制する事が目的なんだよね?
だったら良い事じゃないの?
「で、でも、真なる紋章を持った人達なら
リアムも真なる紋章を抑制出来るし、良い事なんじゃないの?」
ここで私はリアムに声をあげられて怒られる。
「このお馬鹿さんっ!!、良いですか?
仮に真なる紋章を抑制出来ても、貴女が宿主達に拘束されちゃ意味ないでしょって話しなんですよっ!!
真なる紋章の宿主なら尚の事、私という紋章の力を理解しているなら
自分の安全の為や利益に私と貴女を使おうと考える輩も確実に居るんですって!!」
「え…そうなの?、そっ、そっか、じゃあ逃げた方が良いんだね?」
リアムが心底呆れた声で私に言う。
「さっきからそう言ってるでしょう?…
貴女の安全の為にも、ここは絶対に逃げた方が良いんですってば?」
全力で走り出すけれど、後ろから私を呼ぶ必死そうな声が聞こえる。
「クレス!!!、頼む、待ってくれ!!」
…え?、誰?、私はスピードを下げて後ろを振り向こうとするけど、リアムが又注意して来る。
「こら、クレス、気にしないで遺跡に向かって走りなさい」
「ごめんね?、そう、だよね?…」
そう私が気を取られて又スピードを上げようとした所、足元の歪に歪んでるちょっと大きい足に躓き、私はズザーッと、大きくうつ伏せに倒れて絡んでしまう。
…痛いよぉ〜〜〜っ、痛みで涙の出る中リアムが私をまた叱って来る。
「何やってんですか?、このおドジさん、こんな時に転ぶ人がありますか?
走る時は足元と前見て走るもんでしょ?、泣いてないでさっさと立ち上がって逃げなさいって」
「ごめんなさい…」
ううぅ…せめて、心配位してくれても良いんじゃないのかなぁ〜〜〜???
私は身体全体が痛みを感じる中、何とか立ち上がり私は走り出すけれどさっき絡んでしまったのが結構追いかけて来る人との距離を詰めてしまったみたいで、後ろから私は急に力強く抱きしめられて動きを止めさせられる。
「な、何するのぉ〜〜〜!
やめて!!、やだぁ!!!、離してよ〜〜〜っ!!!!」
何とか私を捕まえている人の手から離れようともがくけど…やっぱり一般人レベルの体力の私じゃ振り解けない…ナナミ兄さん達みたいに武術の訓練が出来てたらな…
強い意志の込もった声で、私は私を抱きしめている人から言われる。
「嫌だ、絶対に離すものか……」
震えながら私を強く抱きしめている人を見ると、わぁ、凄い綺麗な顔してる子……外見は綺麗だから、
肩まで伸びた黄土色の髪に、確か、こういう髪形ってボブヘアーっていうのかな?年は私より上位なのかな?
それに立派な赤と金色の何処かの国の小さな国旗の刺繍の入った高そうな法衣を着てる…赤と金、まるで、青と白のハルモニアの神官の着てる衣装と正反対の色だなぁ…
歳は兄さん達位の年齢の子が、私を強く抱きしめていた。
その子は私を見て、何故かとても悲しそうな表情をして、苦しそうな声で尋ねて来る。
「ねぇ?、クレス、どうして逃げるの?
僕だよ、ルックだよ?…君も言ってくれたじゃないか…
家族のように、思ってくれてるって?…僕もそれは変わってないんだよ?」
ルック、君?、知らない…この彼は、誰なの?…そんな悲しそうに見られると、私まで辛くなってくるけど…本当に分からない。
そんな事まで言うまで、お互いに仲良くなったなら、絶対に忘れないで覚えてると思うけど…
私はなるべく、彼を傷つけないように言葉を選んで言う。
「ごめんなさい、人違いだと思うの…私は、あなたの事を知らないよ?…」
なんだろうこれ?、石で出来てるし、日時計にしては、ちゃんと1から12まで書かれた文字盤と、秒針に短針と長針も付いてるけど、まさか、動く訳ないもんね?
リアムはそれを見て不機嫌になっている。
「チッ、これは…随分と厄介な物を残してくれましたね?
日時計にも見えなくはないですが、コイツはそんな生易しい物なんかじゃないです。」
なにか、マズイ物なのかな?
「え?…ただの時計を真似た芸術作品とかじゃないのかな?」
リアムはため息を吐いてから私に指示する。
「ま、実践して見せた方が早いでしょう、クレス、アレに向かって手を翳しなさい」
リアムの言う通り右手を翳すと宿している紋章が光輝き私には聞いた事もない言葉でリアムが呪文の様な言葉を唱える。
「[[rb:הָקֵם אֶת הַמָּכוֹן > 装置よ、起動せよ]]」
リアムの呪文の様な言葉が終わると同時に、石造りで出来た針達が動き出し…凄まじい速さで日が暮れては、夜になって、朝焼けの後に青空が広が何度も繰り返して行く、私はその見た事もない異常な光景にため息の様な声を出してしまう。
「わぁ…凄い光景…」
猛スピードで空の移り変わりが変わっていくのを私は夢中になって見つめていると、又リアムが聞いた事のない呪文の様な言葉を喋る。
「[[rb:עֲצוֹר > 停止せよ]]」
リアムの言葉が終わると同時に時計の針もピタリとどれも止まり
空も青空の状態でもう日も沈まなくなっちゃった。
ちょっと残念だなぁ…もっと見たかったかも…
「ざっと、今ので2か月程月日を進めました。
クレス、この日時計みたいな奴は日時を望む時間帯に進めたり、戻したり出来る代物なんですよ?」
「ええ!?、そんな凄い物なの!?」
「でしょう?、ですからコイツは今から、ブッ壊します。」
流石にそれはちょっと酷くないかな?
「どうしてリアム?、昔の人がこれを作って残したって事は
これを使って欲しくて残したんだと思うんだけど…」
リアムは失笑した様な声で答える。
「それが厄介すぎるんですよ?
もしコレの構造を理解して扱える者が現れたら…
万が一にも使い方を誤って始まりの何もない暗闇の世界に戻してしまうかもしれません。
もしくはその逆で、終焉の世界にいきなりなってしまう可能性もあるんですよ?
仮に適切に使い方を理解する者が現れて、そいつがハルモニアの国の者だとしたら
私が貴女に宿ってすぐの頃に時間を戻されて、今度こそ確実に私達はハルモニアに捕らえられる可能性だってあるんです。
何よりもコレは人類には過ぎた物…よって破壊一択です。」
あ…そうなんだ。
確かに時間や日付を自由に進めたり、戻せたらしたら
悪い事に使おうとしたら、いくらでも出来そうだし…
使い方を間違えたら大変そうだもんね…
「分かったよ、リアム」
私はリアムを宿している方の右手を日時計の様な物に向ける。
ごめんなさい、せっかく一緒懸命に作った物を壊してしまって。
「[[rb:הַשְׁמֵד הַכֹּל > 全てを、破壊せよ]]」
右手のリアムの紋章が光輝きリアムが呪文の様な何かを唱えると
石造で出来た日時計の様な物も全体が光り、吹いている風にあっという間に埃の様に吹き飛ばされて、細かな粒子みたいになって姿形もなくなっちゃった。
「でも…何だか、凄く悪い事をした気分だよ?…」
私が暗い気持ちになってそう言うとリアムは何も感じてない様子で言って来る。
「これで良いんですって〜の
万が一にでもアレが誤った使い方をされれば
世界は瞬く間に生物の住めない終焉の世界になってしまうんですから…
そんな事になったら、私の作られた意味が無くなってしまいます」
リアムの言葉を聞いて私は不思議と思った事を尋ねる。
「ねぇ、リアム、あなたは人間同士の争いには何も関わるつもりとかはないんだよね?
それなのにさっきの、凄い事の出来る昔の人が作った危険な効果を持つ物は破壊するって考えなの?」
「ええ?、当然でしょう?
クレス、私は生物同士の争いには基本的には関与する考えはありません。
世界を大きな水槽と仮定として例えるのならば、その中で魚同士が縄張り意識で争ったり、食物連鎖が発生するのは当然の事と受け止め介入はしませんが
何等かの要因で水槽全ての生物が住めなくなる原因には介入するという事です。」
「そういう物なんだ…何か、リアムの考え方は私には分かる様で、分からないな…」
世界が終わってしまう可能性のある物を潰すのは、私にも分かるけど…
やっぱり人が苦しんでいたりする戦争を何とも思わないのは…私には理解出来ない。
でも…それはきっと、リアムが私みたいに、人間の視点でも、他の生物の視点でもなくて……
ただただ、生物を生かす環境が守れれば良いっていう考えなんだ……
戦争で、沢山の人が死んでしまうのも、リアムにから見た視点では、私達人間の争う戦争も
縄張り争いや、食物連鎖、自然淘汰と同じなんだね……
「さて、クレス、次行きますよ次?
今度はでっかい遺跡反応がありますからあそこならば何かこの事態を解決出来る手段があるかも知れません。」
え?、まだ行き先の当てがあるんだ。
リアムの指示で又暫く私は歩いているとリアムが警戒した声で指示を出してくる。
「クレス、今中間地点位ですがこのまま真っ直ぐ突っ走りなさい
誰か移動魔法でこっちにやって来ます。」
「えぇ?、で、でも、誰か来てくれるのなら助けて貰えるんじゃないのかなぁ?」
呆れた声でリアムは私を叱る
「頭ん中お花畑ですね、貴女は?
私達の元に、正確にやって来ると言う事は、私の存在を認知して、何等かの介入をしようとして来るに決まってるじゃないですか?
しかも真なる紋章反応が二人と遅れて1人と他を連れてやって来る気配がするんですっつーの!!」
え?…でも何で逃げるの?、だってリアムは、真なる紋章を抑制する事が目的なんだよね?
だったら良い事じゃないの?
「で、でも、真なる紋章を持った人達なら
リアムも真なる紋章を抑制出来るし、良い事なんじゃないの?」
ここで私はリアムに声をあげられて怒られる。
「このお馬鹿さんっ!!、良いですか?
仮に真なる紋章を抑制出来ても、貴女が宿主達に拘束されちゃ意味ないでしょって話しなんですよっ!!
真なる紋章の宿主なら尚の事、私という紋章の力を理解しているなら
自分の安全の為や利益に私と貴女を使おうと考える輩も確実に居るんですって!!」
「え…そうなの?、そっ、そっか、じゃあ逃げた方が良いんだね?」
リアムが心底呆れた声で私に言う。
「さっきからそう言ってるでしょう?…
貴女の安全の為にも、ここは絶対に逃げた方が良いんですってば?」
全力で走り出すけれど、後ろから私を呼ぶ必死そうな声が聞こえる。
「クレス!!!、頼む、待ってくれ!!」
…え?、誰?、私はスピードを下げて後ろを振り向こうとするけど、リアムが又注意して来る。
「こら、クレス、気にしないで遺跡に向かって走りなさい」
「ごめんね?、そう、だよね?…」
そう私が気を取られて又スピードを上げようとした所、足元の歪に歪んでるちょっと大きい足に躓き、私はズザーッと、大きくうつ伏せに倒れて絡んでしまう。
…痛いよぉ〜〜〜っ、痛みで涙の出る中リアムが私をまた叱って来る。
「何やってんですか?、このおドジさん、こんな時に転ぶ人がありますか?
走る時は足元と前見て走るもんでしょ?、泣いてないでさっさと立ち上がって逃げなさいって」
「ごめんなさい…」
ううぅ…せめて、心配位してくれても良いんじゃないのかなぁ〜〜〜???
私は身体全体が痛みを感じる中、何とか立ち上がり私は走り出すけれどさっき絡んでしまったのが結構追いかけて来る人との距離を詰めてしまったみたいで、後ろから私は急に力強く抱きしめられて動きを止めさせられる。
「な、何するのぉ〜〜〜!
やめて!!、やだぁ!!!、離してよ〜〜〜っ!!!!」
何とか私を捕まえている人の手から離れようともがくけど…やっぱり一般人レベルの体力の私じゃ振り解けない…ナナミ兄さん達みたいに武術の訓練が出来てたらな…
強い意志の込もった声で、私は私を抱きしめている人から言われる。
「嫌だ、絶対に離すものか……」
震えながら私を強く抱きしめている人を見ると、わぁ、凄い綺麗な顔してる子……外見は綺麗だから、
肩まで伸びた黄土色の髪に、確か、こういう髪形ってボブヘアーっていうのかな?年は私より上位なのかな?
それに立派な赤と金色の何処かの国の小さな国旗の刺繍の入った高そうな法衣を着てる…赤と金、まるで、青と白のハルモニアの神官の着てる衣装と正反対の色だなぁ…
歳は兄さん達位の年齢の子が、私を強く抱きしめていた。
その子は私を見て、何故かとても悲しそうな表情をして、苦しそうな声で尋ねて来る。
「ねぇ?、クレス、どうして逃げるの?
僕だよ、ルックだよ?…君も言ってくれたじゃないか…
家族のように、思ってくれてるって?…僕もそれは変わってないんだよ?」
ルック、君?、知らない…この彼は、誰なの?…そんな悲しそうに見られると、私まで辛くなってくるけど…本当に分からない。
そんな事まで言うまで、お互いに仲良くなったなら、絶対に忘れないで覚えてると思うけど…
私はなるべく、彼を傷つけないように言葉を選んで言う。
「ごめんなさい、人違いだと思うの…私は、あなたの事を知らないよ?…」