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ゲンカクさんの話によると、ハルモニアの人達は、一週間前からやって来出して、クレスをハルモニアに囲わせて欲しいと連日の様にしつこく干渉されていたらしい。
ゲンカクさんがそれを断り続けて、業を濁したハルモニア側は、なら他の関係者を先に懐柔しようと
僕等をわざわざ丁寧に豪華な馬車まで用意して、迎えに来たみたいだ。
ゲンカクさんの話を聞いてようやく事態を察してくれたのかナナミは呆然とした顔で言うよ…
「もしかしてオレ…あの馬車の中に居た時…すごいマズイ状況だったの?」
内心苦笑しながら頷いて僕は返す
「正直…ナナミ一人だけじゃ、ハルモニアの人達はいい人だ~とか、言い出して
乗せられて危なかったと思うよ?、本当に?」
ナナミは突然強く抱き着いて来る、ちょっと、痛い痛い痛いっ!!!!
「ジョウイ~~~~、マジ有難う~~~!!!!!
ガチで助かったよぉ~~~!!!!
流石はオレの親友だ~~~!!!」
「分かったから!!!、ちょっと痛いってぇ、ナナミ!!!!」
僕がそう叫ぶとナナミはすぐに話してくれる。
「あ、悪い」
三人でこの後話し合っても…クレスが見つからないんじゃ、結局どうしようもないという事で会話は進まなかった。
大丈夫かなクレスは?、酷い目に遭ってなかったら良いんだけど…
そうして日も暮れだした頃
「じゃあ、僕はこれで一旦帰ります、ナナミ、又明日来るから?」
帰り際に玄関まで送り迎えに来てくれたナナミは又恥ずかしい事言って来るし…
「ああ、今日は本当に有難うな?…オレ、ジョウイと友達になれて…本当に良かったよ?」
もう良いって、恥ずかしくなって顔赤くなるだろナナミ?
「何言ってのさ?……それは、僕もだよ?、じゃあね?」
ゲンカクさんもやって来て僕に言葉をかけてくれる。
「気を付けて帰れよジョウイ?、ハルモニアの連中に話しかけられても、お前は適当にやり過ごしとけ?」
「あはは……はいっ」
「あ、お帰りかい?、君ナナミ君と友達なんだってね?、明日も来るの?」
帰り際に、ゲンカクさんの家の前に張り付いている様に居たハルモニアの青い服を着た兵士の人に僕は話しかけられる。
「ああ、まあ…そうですね?、友達ですから?、じゃあ失礼しまーーーす!!!!」
「ああ、ちょっと待ってよ?~~~」
更に話しかけて来ようとする兵士の人から僕は走って逃げ
そうして、僕の今の家、アトレイド家に帰って来る。
はぁ~~~~……ゲンカクさん達の家とは違って、僕の家は帰るのも気が重い……
どうせ又あの二人に嫌味言われるんだろうな?…まぁ、母さんに会えるのは嬉しくもあるけど……
いいや、ナナミの家は今クレスが行方不明になって大変なんだ。
こんな事思ってちゃいけないよな?、どんな関係であれ僕等は家族という繋がりがある…絆はなくてもね……
でも、いつものアトレイド家の扉を開けると、そこにはいつも僕を無視したり、見下したりして馬鹿にする
養父のマルセルさんと…弟のマルコが気持ち悪い程の笑顔を顔に張り付けて、僕に今までやったことのない程の露骨に好意的な態度で接して来て、身震いが走る。
「ジョウイ、今帰って来たのか?、駄目だぞ、こんな暗くなる時間まで遊んでいたら?
お前はアトレイド家の長男なんだ?、何かあったら、心配するじゃないか?」
「そうだよ兄さん!!、僕、兄さんが今日帰って来るって聞いて、ずっと玄関で待ってたんだよ?」
………これ、ハルモニア神聖国が裏で何か賄賂みたいなのあげてるよね?、絶対に……
気持ち悪いな…この状態の二人と、この家で暫く過ごせとか…正直キツイ…
でも、ナナミもクレスが行方不明になって、心配で仕方ないのに耐えてるんだ…僕だけが我慢出来なくてどうする?
いつもはメイド達にさえ相手にされない僕に対して、この家のメイド長がまるでいつもやっていたかのように優しく愛想笑いをして話しかけて来る。
「お帰りなさいませジョウイ坊ちゃん?、お疲れでしょう?
お夕飯の支度出来てますわよ?、どうぞダイニングまでお越しください」
グラグラ、グラグラ…僕の心の中で、言葉に出来ない汚い感情が積みあがってくる。
「…はい、分かりました。」
自分でも驚くほど、抑揚のない声が出て来る。
尚もあの人たちは僕に愛想よく話しかけて来る。
頼むから…やめてくれないかな?、これなら無視されたり、馬鹿にされた方が、この家ではまだ仕方がないと、諦められるんだよ?、納得出来るんだ……
「ジョウイ?、ユニコーン少年隊でも、お前は優秀なんだってな?
流石アトレイド家の子供だよ?、私も鼻が高いぞ?」
「わ~、兄さん凄いや?、この休みの期間中にさ?、少年隊で使ってる槍を使ってる所僕にも見せてよ?」
僕はダイニングに向かう中で何も言葉を発せられなかった。
一度言葉を発してしまったら、喉元まで出かかっている、汚い感情まで口に出してしまいそうだからだ…
なんでなんだろう?、ナナミ達の家に居た時は…こんな感情なんか湧かないのに…
なんで僕は…家族に対して、今、こんなに……気持ち悪いって思ってるんだろう?
抑えろジョウイ、お前はいつも我慢してただろ?、今回だって大丈夫さ?
きっと耐えられる。
自分の事なら、いつだって、ずっと、我慢出来ていただろ?……大丈夫だって…
僕は何も答えられないまま、ダイニングに向かう。
家族全員揃って、今日はやけに豪華な見栄えの良い食事を食べる…でも不思議だな?
こんなにいい匂いがして、美味しそうな見た目なのに…口に入れても全然味がしない………なんでだろ?、今日の昼に食べた、ユニコーン少年隊の食事は味がちゃんとしたんだよ?
「なぁジョウイ…所で、お前が小さな頃から遊びに行っていた、あの家……
妹さんが今、行方不明なんだってな?、今日もその家に行ってたんだろ?
妹さん、何か情報は分かった事あるか?」
「兄さんのお友達の妹さん……心配だよね?、僕も早く見つかって欲しいな?~」
あぁ……そうか、そうだよね?、二人共、それ聞きたかっただけだよね?
今まで…ゲンカクさんや、ナナミ、クレスに対してまで、貧乏でみっともない家の者とは付き合うな……
どこの馬の骨か分からない貧乏人の年より
乱暴者の友達、いつもニコニコして媚売ってる妹と、彼ら家族を馬鹿にしていた義父と弟の言葉の今の落差に腹が立つのが止められなくて…気が付けば
ダンッッッ!!!!!と、僕は、乱暴に机を叩いて立ち上がっていた。
もったいない事に、食べていた僕の料理の置かれた皿とかもうめちゃくちゃだ……僕も視界が揺れて、目の前が回って、すごく、気持ち悪い
「ごめんなさい……食べられる気分じゃないみたいです。
具合が……悪いみたいで…」
そう言って僕は自室に駆け込むように入ると、まだグラグラと回る気持ち悪い視界の中で、いつも勉強する机の傍に置かれた椅子に座りながら、頭を耐える押さえてうつ伏せに机に顔を伏せていると……母が部屋にノックして入って来る。
「ジョウイ?……大丈夫?」
「……平気だよ?」
震える声で、そう答えるのが精いっぱいだった。
正直母とも普段余り二人っきりになれなくて、本当は二人で居られて嬉しい事の筈なのに…今は不思議と何も感じない。
「ねぇ…せっかく、お父さんと、弟が歩み寄ってるんだから……
あなたも、受け入れてあげてくれる?」
はぁ?……何言ってるんだ、この人?……気持ち悪い、何でだよ?、何で母さんまで、今は、こんなに、気持ち、悪いんだ……
「せっかく、あなたのお友達の事で…共通の話題が出来たじゃない?
だから、それを私達にも、教えて欲しいの?…皆、知りたがってるじゃない」
何かが…崩れた気がした。
僕が今まで堪えてきてたものの土台が……あっけなく崩れて行く。
そして堪え切れなくなって、ついにその汚い言葉が僕の口から出て来る。
「それが聞きたかったんだ?…母さんも?、皆、ね?……
僕が小さな頃から、義父さんに相手にされなかった事も、弟が物心ついてから父親を真似て僕を馬鹿にし出しても、母さん見て見ぬふりだったよね?
勿論この家には感謝してるよ?…不自由なく育ててくれた事だけの一点はね?
…でも、母さんが大事なのは、僕よりも今の家庭なんだろ?……
僕も……ナナミ達家族の方が、ずっと大事だよ?」
母は、驚いた表情で僕を見て、何も言わなかった。
それを見て僕は確信した…ほら、やっぱりそうじゃないか?
今までため込んでいた思いを吐き出して笑っているのに、僕は涙が溢れ出て来る。
気が付けば、ユニコーン少年隊で使っていた武器の槍と、リュックに詰め込んでいた着替えを持ち出して玄関に僕は走って扉を開ける。
「坊ちゃま!?、こんな時間にどちらに行かれるんですか!?」
自分でもとても冷たい声で僕は泣きながら伝える。
「これからゲンカクさん達の家にお世話になりますので、心配しないで下さい
それがいつも通りのアトレイド家でしょう?、見え透いた演技なんかして?」
そう言って僕はゲンカクさんの家に走っていた。
ドアを何度も叩くとナナミが困った表情で扉を開けて喋る。
「もう何スか?、この時間は流石に勘弁して下さいっスよ?…って、あれ?
ジョウイ、お前、どうしたんだよ?
何かあったのか?、とにかく入れ、入って休もう?、な?
それがいいよ?」
彼は泣いている僕の背中をさすりながら家の中に招き入れてくれた。
家の明かりが点き、仄かな蝋燭の炎が座らせて貰っているテーブル席に置かれて僕はそこで嗚咽して泣いている。
その様子を見てゲンカクさんが何か察したのかナナミを見て言う。
「ナナミ、ジョウイが落ち着いたら、クレスのベッド今空いてただろう?
今日はそこで寝て貰え?
床で今の状態のジョウイを寝かせたりなんぞしたら、娘がそれこそ怒るじゃろうからな?」
そう言ってゲンカクさんは自分の部屋に戻った。
僕は震える声で俯いて泣きながら尋ねる。
「……いいの?、突然、訪ねて来たのに……
追い出されたって、僕は仕方ないのに…っ……」
ナナミは何でもない様に笑って答えてくれた。
「気にすんなよ?、辛い時はお互い様だし…オレはいつもお前に助けられてるからな?
頼ってくれよ?、こういう時位さ?、オレも、お前が困ってたら
助けたいんだよ?…」
ナナミ、僕の方だよ?……君と、友達になれて、本当に良かったのは?
「っ……っ」
僕が彼を抱きしめても、ナナミは僕が落ち着くまで受け入れてくれていた。
…そうだ、君は抜けてる所多いけどさ……こういった優しさが、いつも僕を支えてくれてたんだよな?
有難う、君が親友で、感謝してるのは僕も同じなんだから…
ゲンカクさんがそれを断り続けて、業を濁したハルモニア側は、なら他の関係者を先に懐柔しようと
僕等をわざわざ丁寧に豪華な馬車まで用意して、迎えに来たみたいだ。
ゲンカクさんの話を聞いてようやく事態を察してくれたのかナナミは呆然とした顔で言うよ…
「もしかしてオレ…あの馬車の中に居た時…すごいマズイ状況だったの?」
内心苦笑しながら頷いて僕は返す
「正直…ナナミ一人だけじゃ、ハルモニアの人達はいい人だ~とか、言い出して
乗せられて危なかったと思うよ?、本当に?」
ナナミは突然強く抱き着いて来る、ちょっと、痛い痛い痛いっ!!!!
「ジョウイ~~~~、マジ有難う~~~!!!!!
ガチで助かったよぉ~~~!!!!
流石はオレの親友だ~~~!!!」
「分かったから!!!、ちょっと痛いってぇ、ナナミ!!!!」
僕がそう叫ぶとナナミはすぐに話してくれる。
「あ、悪い」
三人でこの後話し合っても…クレスが見つからないんじゃ、結局どうしようもないという事で会話は進まなかった。
大丈夫かなクレスは?、酷い目に遭ってなかったら良いんだけど…
そうして日も暮れだした頃
「じゃあ、僕はこれで一旦帰ります、ナナミ、又明日来るから?」
帰り際に玄関まで送り迎えに来てくれたナナミは又恥ずかしい事言って来るし…
「ああ、今日は本当に有難うな?…オレ、ジョウイと友達になれて…本当に良かったよ?」
もう良いって、恥ずかしくなって顔赤くなるだろナナミ?
「何言ってのさ?……それは、僕もだよ?、じゃあね?」
ゲンカクさんもやって来て僕に言葉をかけてくれる。
「気を付けて帰れよジョウイ?、ハルモニアの連中に話しかけられても、お前は適当にやり過ごしとけ?」
「あはは……はいっ」
「あ、お帰りかい?、君ナナミ君と友達なんだってね?、明日も来るの?」
帰り際に、ゲンカクさんの家の前に張り付いている様に居たハルモニアの青い服を着た兵士の人に僕は話しかけられる。
「ああ、まあ…そうですね?、友達ですから?、じゃあ失礼しまーーーす!!!!」
「ああ、ちょっと待ってよ?~~~」
更に話しかけて来ようとする兵士の人から僕は走って逃げ
そうして、僕の今の家、アトレイド家に帰って来る。
はぁ~~~~……ゲンカクさん達の家とは違って、僕の家は帰るのも気が重い……
どうせ又あの二人に嫌味言われるんだろうな?…まぁ、母さんに会えるのは嬉しくもあるけど……
いいや、ナナミの家は今クレスが行方不明になって大変なんだ。
こんな事思ってちゃいけないよな?、どんな関係であれ僕等は家族という繋がりがある…絆はなくてもね……
でも、いつものアトレイド家の扉を開けると、そこにはいつも僕を無視したり、見下したりして馬鹿にする
養父のマルセルさんと…弟のマルコが気持ち悪い程の笑顔を顔に張り付けて、僕に今までやったことのない程の露骨に好意的な態度で接して来て、身震いが走る。
「ジョウイ、今帰って来たのか?、駄目だぞ、こんな暗くなる時間まで遊んでいたら?
お前はアトレイド家の長男なんだ?、何かあったら、心配するじゃないか?」
「そうだよ兄さん!!、僕、兄さんが今日帰って来るって聞いて、ずっと玄関で待ってたんだよ?」
………これ、ハルモニア神聖国が裏で何か賄賂みたいなのあげてるよね?、絶対に……
気持ち悪いな…この状態の二人と、この家で暫く過ごせとか…正直キツイ…
でも、ナナミもクレスが行方不明になって、心配で仕方ないのに耐えてるんだ…僕だけが我慢出来なくてどうする?
いつもはメイド達にさえ相手にされない僕に対して、この家のメイド長がまるでいつもやっていたかのように優しく愛想笑いをして話しかけて来る。
「お帰りなさいませジョウイ坊ちゃん?、お疲れでしょう?
お夕飯の支度出来てますわよ?、どうぞダイニングまでお越しください」
グラグラ、グラグラ…僕の心の中で、言葉に出来ない汚い感情が積みあがってくる。
「…はい、分かりました。」
自分でも驚くほど、抑揚のない声が出て来る。
尚もあの人たちは僕に愛想よく話しかけて来る。
頼むから…やめてくれないかな?、これなら無視されたり、馬鹿にされた方が、この家ではまだ仕方がないと、諦められるんだよ?、納得出来るんだ……
「ジョウイ?、ユニコーン少年隊でも、お前は優秀なんだってな?
流石アトレイド家の子供だよ?、私も鼻が高いぞ?」
「わ~、兄さん凄いや?、この休みの期間中にさ?、少年隊で使ってる槍を使ってる所僕にも見せてよ?」
僕はダイニングに向かう中で何も言葉を発せられなかった。
一度言葉を発してしまったら、喉元まで出かかっている、汚い感情まで口に出してしまいそうだからだ…
なんでなんだろう?、ナナミ達の家に居た時は…こんな感情なんか湧かないのに…
なんで僕は…家族に対して、今、こんなに……気持ち悪いって思ってるんだろう?
抑えろジョウイ、お前はいつも我慢してただろ?、今回だって大丈夫さ?
きっと耐えられる。
自分の事なら、いつだって、ずっと、我慢出来ていただろ?……大丈夫だって…
僕は何も答えられないまま、ダイニングに向かう。
家族全員揃って、今日はやけに豪華な見栄えの良い食事を食べる…でも不思議だな?
こんなにいい匂いがして、美味しそうな見た目なのに…口に入れても全然味がしない………なんでだろ?、今日の昼に食べた、ユニコーン少年隊の食事は味がちゃんとしたんだよ?
「なぁジョウイ…所で、お前が小さな頃から遊びに行っていた、あの家……
妹さんが今、行方不明なんだってな?、今日もその家に行ってたんだろ?
妹さん、何か情報は分かった事あるか?」
「兄さんのお友達の妹さん……心配だよね?、僕も早く見つかって欲しいな?~」
あぁ……そうか、そうだよね?、二人共、それ聞きたかっただけだよね?
今まで…ゲンカクさんや、ナナミ、クレスに対してまで、貧乏でみっともない家の者とは付き合うな……
どこの馬の骨か分からない貧乏人の年より
乱暴者の友達、いつもニコニコして媚売ってる妹と、彼ら家族を馬鹿にしていた義父と弟の言葉の今の落差に腹が立つのが止められなくて…気が付けば
ダンッッッ!!!!!と、僕は、乱暴に机を叩いて立ち上がっていた。
もったいない事に、食べていた僕の料理の置かれた皿とかもうめちゃくちゃだ……僕も視界が揺れて、目の前が回って、すごく、気持ち悪い
「ごめんなさい……食べられる気分じゃないみたいです。
具合が……悪いみたいで…」
そう言って僕は自室に駆け込むように入ると、まだグラグラと回る気持ち悪い視界の中で、いつも勉強する机の傍に置かれた椅子に座りながら、頭を耐える押さえてうつ伏せに机に顔を伏せていると……母が部屋にノックして入って来る。
「ジョウイ?……大丈夫?」
「……平気だよ?」
震える声で、そう答えるのが精いっぱいだった。
正直母とも普段余り二人っきりになれなくて、本当は二人で居られて嬉しい事の筈なのに…今は不思議と何も感じない。
「ねぇ…せっかく、お父さんと、弟が歩み寄ってるんだから……
あなたも、受け入れてあげてくれる?」
はぁ?……何言ってるんだ、この人?……気持ち悪い、何でだよ?、何で母さんまで、今は、こんなに、気持ち、悪いんだ……
「せっかく、あなたのお友達の事で…共通の話題が出来たじゃない?
だから、それを私達にも、教えて欲しいの?…皆、知りたがってるじゃない」
何かが…崩れた気がした。
僕が今まで堪えてきてたものの土台が……あっけなく崩れて行く。
そして堪え切れなくなって、ついにその汚い言葉が僕の口から出て来る。
「それが聞きたかったんだ?…母さんも?、皆、ね?……
僕が小さな頃から、義父さんに相手にされなかった事も、弟が物心ついてから父親を真似て僕を馬鹿にし出しても、母さん見て見ぬふりだったよね?
勿論この家には感謝してるよ?…不自由なく育ててくれた事だけの一点はね?
…でも、母さんが大事なのは、僕よりも今の家庭なんだろ?……
僕も……ナナミ達家族の方が、ずっと大事だよ?」
母は、驚いた表情で僕を見て、何も言わなかった。
それを見て僕は確信した…ほら、やっぱりそうじゃないか?
今までため込んでいた思いを吐き出して笑っているのに、僕は涙が溢れ出て来る。
気が付けば、ユニコーン少年隊で使っていた武器の槍と、リュックに詰め込んでいた着替えを持ち出して玄関に僕は走って扉を開ける。
「坊ちゃま!?、こんな時間にどちらに行かれるんですか!?」
自分でもとても冷たい声で僕は泣きながら伝える。
「これからゲンカクさん達の家にお世話になりますので、心配しないで下さい
それがいつも通りのアトレイド家でしょう?、見え透いた演技なんかして?」
そう言って僕はゲンカクさんの家に走っていた。
ドアを何度も叩くとナナミが困った表情で扉を開けて喋る。
「もう何スか?、この時間は流石に勘弁して下さいっスよ?…って、あれ?
ジョウイ、お前、どうしたんだよ?
何かあったのか?、とにかく入れ、入って休もう?、な?
それがいいよ?」
彼は泣いている僕の背中をさすりながら家の中に招き入れてくれた。
家の明かりが点き、仄かな蝋燭の炎が座らせて貰っているテーブル席に置かれて僕はそこで嗚咽して泣いている。
その様子を見てゲンカクさんが何か察したのかナナミを見て言う。
「ナナミ、ジョウイが落ち着いたら、クレスのベッド今空いてただろう?
今日はそこで寝て貰え?
床で今の状態のジョウイを寝かせたりなんぞしたら、娘がそれこそ怒るじゃろうからな?」
そう言ってゲンカクさんは自分の部屋に戻った。
僕は震える声で俯いて泣きながら尋ねる。
「……いいの?、突然、訪ねて来たのに……
追い出されたって、僕は仕方ないのに…っ……」
ナナミは何でもない様に笑って答えてくれた。
「気にすんなよ?、辛い時はお互い様だし…オレはいつもお前に助けられてるからな?
頼ってくれよ?、こういう時位さ?、オレも、お前が困ってたら
助けたいんだよ?…」
ナナミ、僕の方だよ?……君と、友達になれて、本当に良かったのは?
「っ……っ」
僕が彼を抱きしめても、ナナミは僕が落ち着くまで受け入れてくれていた。
…そうだ、君は抜けてる所多いけどさ……こういった優しさが、いつも僕を支えてくれてたんだよな?
有難う、君が親友で、感謝してるのは僕も同じなんだから…