誘拐 第1話
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オスカーおじさんが1番最初に席を立つ
「俺、サインするよ、だって
父ちゃんが死んで、その後も財産貰えるんだろ?
どうせ俺は銃工場もこの家も継げないし……
500億貰えるんなら、俺はそれでいいや」
そう言って念書の紙にサインをしてトランクケースを持ってこの部屋を出て行った。
それを見てエミリーおばさん、ローガンおじさんも渋々といった感じで続いてサインしてトランクケースを持って出て行く。
タイラーおじさんとミアおばさんも散々ごちゃごちゃとその後も文句を言っていたが、1日が終わる寸前の時間でとうとう観念したのか、サインをしてトランクケースを持ってこの部屋を出て行くが、流石にこの時間帯なので、今晩はうちの屋敷に泊るんだろう。
ジョシュダもおじさんとおばさんが泊る部屋へと案内する為にあの人達と一緒に出て行く。
弁護士の人達も出て行き、この部屋の中ににアタシとじいちゃん、顔見知りの使用人の人達しかいなくなると、アタシは机にうつ伏せぼやく
「あぁ~、疲れたぁ~
あの人達とこんなに長い時間一緒にいると
流石に疲れるっス~~~~」
じいちゃんは愉快そうに笑いながらアタシを見て言う。
「それも今日で終わりじゃ
奴らは金がたかれなければお前に
用等ないだろうしな
今日まで苦労かけたカーヤ
儂が死んだら、後はお前の好きにやれ」
「何言ってるんスか、まだまだじいちゃんは
元気なんだから、そんなにすぐ
死なないで、長生きしてっスよ
じいちゃんが死んじゃったら
アタシは1人ぼっちになっちゃうんスから」
使用人の人に案内されて部屋まで戻り少し経つと、コンコンとノックの音がして、ジョシュダの声が聞こえて来る。
「お嬢様、夜分遅くに失礼します。
まだ、お目覚めでいらっしゃいますか?」
外に聞こえる声を上げるので、一応お嬢様口調で言う。
「えぇ、大丈夫よジョシュダ、入って頂戴」
「失礼致します。」
ジョシュダが入って来て部屋のドアを閉めるのを確認すると、アタシは素に戻って労いの声をかける。
「今日は本当にお疲れ様っス、ジョシュダ
あの人達が来ると、毎回お金の話か
アタシへの嫌がらせのどっちかなんだから
いやんなっちゃうっスよねぇ~」
ジョシュダは口元に軽く握った右手を当ててお上品に笑いながら言う。
「お嬢様こそ、お疲れ様でした。
この度も、ミア様の罵詈雑言は
相変わらずでしたね?、あの方が汚い言葉を
放つ度に、ミア様の額に、以前お嬢様から教わった
ミートと言う文字が書かれているのを
想像してしまったら、吹き出しそうで本当に危なかったのですが、この方法は平静を保つのに
有効でした、教えて頂き有難う御座います。」
この話は、以前にミアおばさんや、ほかの親戚の人達の悪口が毎回酷いので、平静を保つ方法はどうしたら良いのかと
ジョシュダに相談された時があってさ……
額にミートって書いてある主人公が出て来る筋肉モリモリマッチョマンのジャポンのマンガを見て、ムカついた時は、とりあえずムカつく事言う奴の額に、ミートって書いてあるのを想像してみろって冗談で教えたのよ、そうか、あの時の笑顔はそれを想像してたのか……これはいいとこのお坊ちゃんに、悪い事を教えてしまったかもなぁ……まあ
ジョシュダの用事はコレを伝えに来ただけじゃないんだろう、多分、タイミング的にそろそろ足りなくなる筈だ。
それは分かってるけど、一応気になっていた事を確認する。
「しかし、ジョシュダも成長したっスね〜、普通に女の人と話せるし、近くに寄られても大丈夫そうだし、今は何処まで平気なの?」
ジョシュダは最初に会った時とんでもない女性恐怖症だった。
どれぐらいかっつーと、女の人にちょっと触られたら悲鳴を上げて大泣きするわ、近づいて来た女の人がいたら、常に震え出して気持ち悪くなるそうで大汗かくわ、風の様な速さでその場から猛ダッシュするわで大変だったよ。
まあ、その他にも「死にたい」って言って自殺未遂を何度も繰り返してたんだけど、その話は別の機会に話すよ。
何でも元の家にいた頃、ジョシュダの父親と再婚した女の人が、まだ異性の体に性的興味を持つ段階の前の小さな子供の年齢のコイツにさ、全裸を見せて、体の関係を迫って来たそうなのよ、父親の息子として、それは大事に大事に清く正しく育てられてきたコイツには、それが相当なトラウマになってしまった。
何せ、今でもその症状に苦しんでる位だし、その女の人とは、そりが合わなくて嫌いな部類だったそうなんだけど
そりゃ好きになれない相手の性器とかいきなり見たくもないもん見せられて、体の関係を迫られちゃ、トラウマにもなるよねぇ?
「大分改善出来てきてます。
今は軽く触れたり、手を握る位までなら何とか大丈夫なのですが、いきなり女性にベタベタ触られる、スキンシップは、嫌悪感が出て来て、まだ、駄目、ですね……」
「アンタの場合、女の人の方から一方的にそうゆー事されちゃう訳っスから
それは今のままでも嫌悪感を感じる自分に罪悪感を感じる必要はないだろうっスね?
なんせ好みじゃない男から同じ事やられたら、同じ様に嫌悪感感じる人いるし
ゆっくり治していけばいいっスよ、心の傷なんて、治るの生傷よりもずっと時間が掛かるし、流石にそれはアタシの力でも治す事は出来ないから……良くなってて安心したっス」
アタシが笑ってそう言い終えると、ジョシュダは信頼してくれている眼差しでアタシを見て又丁寧に頭を下げて言う。
「お嬢様、あなたと出会えたから、ここまで良くなったんです。
あなたには、本当にご迷惑をおかけしましたが
あの家に居た状態でしたら、今も酷い状態のままでしたでしょうから……」
まぁ、コイツん家も色々複雑な事情があったからなぁ……
しばらくしてジョシュダは未だにあの事を頼むのが恥ずかしいらしく少し俯いて、緊張した震える声で本題を切り出す。
「あの……お嬢様……
足りなくなりました……ですから、欲しいんです……」
アタシは頭にしているリボンを外し
「いいよ、ジョシュダ、来て?」
そう言ってジョシュダに背を向ける。
ジョシュダはアタシの長い髪をそっと手でどかすと、ジョシュダの吐息を首筋に感じる…………
事が終り、顔を若干紅潮させ、フラフラとした足取りのジョシュダをベッドに座らせる。
普段から整いすぎた顔を紅潮させぼんやりとしているジョシュダはかなり色気のある表情でアタシに話しかけて来る。
「ご馳走様でした。
これで、数日間は大丈夫そうです。」
「流石にその状態じゃ、仕事なんて難しいだろうし
落ち着くまでもう少し休んできなよ?」
ジョシュダはアタシの言葉に頷いて少ししてから、何か吹っ切れた様子で口を開く
「今年に入ってから、父から謝罪の連絡がありました。
この仕事の事も、俺のやりたい様にやっていいと……」
「……そうスか、そりゃ良かったっスね?
前は酷かったからねぇアンタのおとっちゃんのモンスターペアレントも……
アンタが来たばかりの頃は息子を帰せ、誘拐で訴えるぞ‼‼‼‼とか、他にもジョシュダが使用人見習いになった時も
うちの子が使用人になるのは許せんとか怒鳴り込んで来て、ジョシュダと大喧嘩になってたっけ?」
ジョシュダは深く頭を下げて申し訳なさそうに言う。
「お嬢様達には、本当に、親子共々、ご迷惑をおかけしました。
父からも改めて謝罪をしたいそうなのですが
来月に予定を入れさせて貰っても宜しいでしょうか?」
「うん、いいよ?、でも、高そうなお土産とかはこっちも貰っても返しに困るっスし
何も持ってこない様にお父さんに言っておいてっス?」
「はい、伝えておきます。」
実はこのジョシュダは本当の名前は別にあって、今の名前はアタシが冗談半分で適当に付けた名前なのよ、助手だをジョシュダってね?、本当の名前はもっとカッコイイんだけど、本人は嫌がって名乗りたがらない。
大富豪ランキングに毎回ファミリーネームが掲載されるやんごとなき生まれのサラブレッドで、そんな生まれも育ちも良いとこのお坊ちゃんが、何でうちにいるかと言うと、昔、親父さんとジョシュダはひと悶着あってね、家出したジョシュダをアタシが見つけて、うちで預かる事になって、現在になってようやくギスギスしてたあの親子関係が落ち着き出したんだわ。
いやぁ~、大変だったわ、親子喧嘩でさ、何度うちの屋敷が崩壊一歩直前までぶっ壊されかけた事もあったし、毎回毎回ジョシュダのおとっちゃんから「息子を誘惑するのを止めろ、お前のせいで息子が言う事を聞かなくなった。
あの子に下卑た事を教えるな」とか他にも色々言われたっけ?、まあ最後の部分だけは今も守ってないけどさ?
「ごめんなさい……ちょっと、まだ慣れないみたいで、フラフラします。」
頭を押さえて言うジョシュダを見てアタシは背を向けてパソコンの置いてある机に向かい
「ジョシュダ、具合良くなるまでベッドで寝てなよ?
アタシは調べ物があるっスから、その間電脳ページ使うし?」
申し訳なさそうにジョシュダは頭を下げて執事の顔になってアタシに注意してくる。
「はい、30分程休ませて頂きます。
ですが、お嬢様?、く・れ・ぐ・れ・も・不適切なサイトは
探索なさらないで下さいね?」
本来使用人が仕えている人の部屋のベッドでこうして眠るなんてあり得ないんだけど、アタシとジョシュダは小さな頃からの友人関係の仲だから、コイツの特性を知っているだけあって、2人でいる時に限り、割とこうゆう事もしている。
「え?、不適切ってどんなのよ?、ジョシュダの口から
直接教えてくれなくちゃ分かんないっスね?」
靴を脱いでベッドに入ると布団をかぶって笑顔をアタシに向けるとジョシュダは言う。
「さあ?、俺よりもお嬢様がよくご存じなのでは御座いませんか?」
そう言うとジョシュダは眠りについた。
アタシはパソコンデスクの椅子に座ると、パソコンを起動させ、自分の携帯電話も取り出して、メモ機能で書いてあった文章を見ながら探索を始める。
暫くしてコンコンとアタシの部屋をノックする音が聞こえて来る。
「はい、誰ですか?」
猫を被り返事をしてみるが、外からの答えは一切ない。
ベッドの方を見て見ると、ジョシュダは均一な寝息を立てて、無防備な表情で眠っている。
ちょっと怪しいけど、もしかしたらおじさんおばさん達かも知れないし、こんな事でせっかく寝ているジョシュダを起こすのも悪い、出てみるか、何かあったら叫べばいいだけだし
アタシが椅子から立ち上がり、入口のドアまで歩きドアを開けると、いきなり口元に何か抑え付けられて、視界が暗転する。
そうして、又あの夢を見た。
何処かの森の中で、クルタ族の青い衣装を着た、肩まで伸びた金髪の中性的な、性別の分からない、丁度、パイロ位の歳の子をそれは飲み込んでいる。
その子は必死にもがいて苦しそうな声を出す。
「……イ……ン……に……てっ……」
手を上に上げたり下げたりしてそれから必死に抗おうとするけれど、やがてすぐに動かなくなり、その子は全身を飲み込まれていった。
続く
「俺、サインするよ、だって
父ちゃんが死んで、その後も財産貰えるんだろ?
どうせ俺は銃工場もこの家も継げないし……
500億貰えるんなら、俺はそれでいいや」
そう言って念書の紙にサインをしてトランクケースを持ってこの部屋を出て行った。
それを見てエミリーおばさん、ローガンおじさんも渋々といった感じで続いてサインしてトランクケースを持って出て行く。
タイラーおじさんとミアおばさんも散々ごちゃごちゃとその後も文句を言っていたが、1日が終わる寸前の時間でとうとう観念したのか、サインをしてトランクケースを持ってこの部屋を出て行くが、流石にこの時間帯なので、今晩はうちの屋敷に泊るんだろう。
ジョシュダもおじさんとおばさんが泊る部屋へと案内する為にあの人達と一緒に出て行く。
弁護士の人達も出て行き、この部屋の中ににアタシとじいちゃん、顔見知りの使用人の人達しかいなくなると、アタシは机にうつ伏せぼやく
「あぁ~、疲れたぁ~
あの人達とこんなに長い時間一緒にいると
流石に疲れるっス~~~~」
じいちゃんは愉快そうに笑いながらアタシを見て言う。
「それも今日で終わりじゃ
奴らは金がたかれなければお前に
用等ないだろうしな
今日まで苦労かけたカーヤ
儂が死んだら、後はお前の好きにやれ」
「何言ってるんスか、まだまだじいちゃんは
元気なんだから、そんなにすぐ
死なないで、長生きしてっスよ
じいちゃんが死んじゃったら
アタシは1人ぼっちになっちゃうんスから」
使用人の人に案内されて部屋まで戻り少し経つと、コンコンとノックの音がして、ジョシュダの声が聞こえて来る。
「お嬢様、夜分遅くに失礼します。
まだ、お目覚めでいらっしゃいますか?」
外に聞こえる声を上げるので、一応お嬢様口調で言う。
「えぇ、大丈夫よジョシュダ、入って頂戴」
「失礼致します。」
ジョシュダが入って来て部屋のドアを閉めるのを確認すると、アタシは素に戻って労いの声をかける。
「今日は本当にお疲れ様っス、ジョシュダ
あの人達が来ると、毎回お金の話か
アタシへの嫌がらせのどっちかなんだから
いやんなっちゃうっスよねぇ~」
ジョシュダは口元に軽く握った右手を当ててお上品に笑いながら言う。
「お嬢様こそ、お疲れ様でした。
この度も、ミア様の罵詈雑言は
相変わらずでしたね?、あの方が汚い言葉を
放つ度に、ミア様の額に、以前お嬢様から教わった
ミートと言う文字が書かれているのを
想像してしまったら、吹き出しそうで本当に危なかったのですが、この方法は平静を保つのに
有効でした、教えて頂き有難う御座います。」
この話は、以前にミアおばさんや、ほかの親戚の人達の悪口が毎回酷いので、平静を保つ方法はどうしたら良いのかと
ジョシュダに相談された時があってさ……
額にミートって書いてある主人公が出て来る筋肉モリモリマッチョマンのジャポンのマンガを見て、ムカついた時は、とりあえずムカつく事言う奴の額に、ミートって書いてあるのを想像してみろって冗談で教えたのよ、そうか、あの時の笑顔はそれを想像してたのか……これはいいとこのお坊ちゃんに、悪い事を教えてしまったかもなぁ……まあ
ジョシュダの用事はコレを伝えに来ただけじゃないんだろう、多分、タイミング的にそろそろ足りなくなる筈だ。
それは分かってるけど、一応気になっていた事を確認する。
「しかし、ジョシュダも成長したっスね〜、普通に女の人と話せるし、近くに寄られても大丈夫そうだし、今は何処まで平気なの?」
ジョシュダは最初に会った時とんでもない女性恐怖症だった。
どれぐらいかっつーと、女の人にちょっと触られたら悲鳴を上げて大泣きするわ、近づいて来た女の人がいたら、常に震え出して気持ち悪くなるそうで大汗かくわ、風の様な速さでその場から猛ダッシュするわで大変だったよ。
まあ、その他にも「死にたい」って言って自殺未遂を何度も繰り返してたんだけど、その話は別の機会に話すよ。
何でも元の家にいた頃、ジョシュダの父親と再婚した女の人が、まだ異性の体に性的興味を持つ段階の前の小さな子供の年齢のコイツにさ、全裸を見せて、体の関係を迫って来たそうなのよ、父親の息子として、それは大事に大事に清く正しく育てられてきたコイツには、それが相当なトラウマになってしまった。
何せ、今でもその症状に苦しんでる位だし、その女の人とは、そりが合わなくて嫌いな部類だったそうなんだけど
そりゃ好きになれない相手の性器とかいきなり見たくもないもん見せられて、体の関係を迫られちゃ、トラウマにもなるよねぇ?
「大分改善出来てきてます。
今は軽く触れたり、手を握る位までなら何とか大丈夫なのですが、いきなり女性にベタベタ触られる、スキンシップは、嫌悪感が出て来て、まだ、駄目、ですね……」
「アンタの場合、女の人の方から一方的にそうゆー事されちゃう訳っスから
それは今のままでも嫌悪感を感じる自分に罪悪感を感じる必要はないだろうっスね?
なんせ好みじゃない男から同じ事やられたら、同じ様に嫌悪感感じる人いるし
ゆっくり治していけばいいっスよ、心の傷なんて、治るの生傷よりもずっと時間が掛かるし、流石にそれはアタシの力でも治す事は出来ないから……良くなってて安心したっス」
アタシが笑ってそう言い終えると、ジョシュダは信頼してくれている眼差しでアタシを見て又丁寧に頭を下げて言う。
「お嬢様、あなたと出会えたから、ここまで良くなったんです。
あなたには、本当にご迷惑をおかけしましたが
あの家に居た状態でしたら、今も酷い状態のままでしたでしょうから……」
まぁ、コイツん家も色々複雑な事情があったからなぁ……
しばらくしてジョシュダは未だにあの事を頼むのが恥ずかしいらしく少し俯いて、緊張した震える声で本題を切り出す。
「あの……お嬢様……
足りなくなりました……ですから、欲しいんです……」
アタシは頭にしているリボンを外し
「いいよ、ジョシュダ、来て?」
そう言ってジョシュダに背を向ける。
ジョシュダはアタシの長い髪をそっと手でどかすと、ジョシュダの吐息を首筋に感じる…………
事が終り、顔を若干紅潮させ、フラフラとした足取りのジョシュダをベッドに座らせる。
普段から整いすぎた顔を紅潮させぼんやりとしているジョシュダはかなり色気のある表情でアタシに話しかけて来る。
「ご馳走様でした。
これで、数日間は大丈夫そうです。」
「流石にその状態じゃ、仕事なんて難しいだろうし
落ち着くまでもう少し休んできなよ?」
ジョシュダはアタシの言葉に頷いて少ししてから、何か吹っ切れた様子で口を開く
「今年に入ってから、父から謝罪の連絡がありました。
この仕事の事も、俺のやりたい様にやっていいと……」
「……そうスか、そりゃ良かったっスね?
前は酷かったからねぇアンタのおとっちゃんのモンスターペアレントも……
アンタが来たばかりの頃は息子を帰せ、誘拐で訴えるぞ‼‼‼‼とか、他にもジョシュダが使用人見習いになった時も
うちの子が使用人になるのは許せんとか怒鳴り込んで来て、ジョシュダと大喧嘩になってたっけ?」
ジョシュダは深く頭を下げて申し訳なさそうに言う。
「お嬢様達には、本当に、親子共々、ご迷惑をおかけしました。
父からも改めて謝罪をしたいそうなのですが
来月に予定を入れさせて貰っても宜しいでしょうか?」
「うん、いいよ?、でも、高そうなお土産とかはこっちも貰っても返しに困るっスし
何も持ってこない様にお父さんに言っておいてっス?」
「はい、伝えておきます。」
実はこのジョシュダは本当の名前は別にあって、今の名前はアタシが冗談半分で適当に付けた名前なのよ、助手だをジョシュダってね?、本当の名前はもっとカッコイイんだけど、本人は嫌がって名乗りたがらない。
大富豪ランキングに毎回ファミリーネームが掲載されるやんごとなき生まれのサラブレッドで、そんな生まれも育ちも良いとこのお坊ちゃんが、何でうちにいるかと言うと、昔、親父さんとジョシュダはひと悶着あってね、家出したジョシュダをアタシが見つけて、うちで預かる事になって、現在になってようやくギスギスしてたあの親子関係が落ち着き出したんだわ。
いやぁ~、大変だったわ、親子喧嘩でさ、何度うちの屋敷が崩壊一歩直前までぶっ壊されかけた事もあったし、毎回毎回ジョシュダのおとっちゃんから「息子を誘惑するのを止めろ、お前のせいで息子が言う事を聞かなくなった。
あの子に下卑た事を教えるな」とか他にも色々言われたっけ?、まあ最後の部分だけは今も守ってないけどさ?
「ごめんなさい……ちょっと、まだ慣れないみたいで、フラフラします。」
頭を押さえて言うジョシュダを見てアタシは背を向けてパソコンの置いてある机に向かい
「ジョシュダ、具合良くなるまでベッドで寝てなよ?
アタシは調べ物があるっスから、その間電脳ページ使うし?」
申し訳なさそうにジョシュダは頭を下げて執事の顔になってアタシに注意してくる。
「はい、30分程休ませて頂きます。
ですが、お嬢様?、く・れ・ぐ・れ・も・不適切なサイトは
探索なさらないで下さいね?」
本来使用人が仕えている人の部屋のベッドでこうして眠るなんてあり得ないんだけど、アタシとジョシュダは小さな頃からの友人関係の仲だから、コイツの特性を知っているだけあって、2人でいる時に限り、割とこうゆう事もしている。
「え?、不適切ってどんなのよ?、ジョシュダの口から
直接教えてくれなくちゃ分かんないっスね?」
靴を脱いでベッドに入ると布団をかぶって笑顔をアタシに向けるとジョシュダは言う。
「さあ?、俺よりもお嬢様がよくご存じなのでは御座いませんか?」
そう言うとジョシュダは眠りについた。
アタシはパソコンデスクの椅子に座ると、パソコンを起動させ、自分の携帯電話も取り出して、メモ機能で書いてあった文章を見ながら探索を始める。
暫くしてコンコンとアタシの部屋をノックする音が聞こえて来る。
「はい、誰ですか?」
猫を被り返事をしてみるが、外からの答えは一切ない。
ベッドの方を見て見ると、ジョシュダは均一な寝息を立てて、無防備な表情で眠っている。
ちょっと怪しいけど、もしかしたらおじさんおばさん達かも知れないし、こんな事でせっかく寝ているジョシュダを起こすのも悪い、出てみるか、何かあったら叫べばいいだけだし
アタシが椅子から立ち上がり、入口のドアまで歩きドアを開けると、いきなり口元に何か抑え付けられて、視界が暗転する。
そうして、又あの夢を見た。
何処かの森の中で、クルタ族の青い衣装を着た、肩まで伸びた金髪の中性的な、性別の分からない、丁度、パイロ位の歳の子をそれは飲み込んでいる。
その子は必死にもがいて苦しそうな声を出す。
「……イ……ン……に……てっ……」
手を上に上げたり下げたりしてそれから必死に抗おうとするけれど、やがてすぐに動かなくなり、その子は全身を飲み込まれていった。
続く