混乱 第9話
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ゲンスルーがおもちゃの形をした銃の引き金を引くと、彼女の念の力の光が彼の身体全体を輝かせ、ゲンスルーのオーラ量を倍に増幅させてしまう。
お嬢様があの銃に込めている念は、一定時間念能力の底上げと、修行をしなくても欲しいと思った念能力を習得出来、又、念能力の力を持っていない者を強制的に念能力者にしてしまう(ただし、銃の効果が切れたら、念修行なしで覚えてしまった素人は、後々銃の効果が切れると相当大変な事になってしまうが)本来なら1つ10億でも安い代物だ。
「はははははっ‼‼、この力があれば俺はもう誰にも負けねぇ‼‼‼‼」
どうやら、新しい力を覚えてしまったか…あの銃の力で彼は本来覚える事も出来ない段階の能力も身に着ける事が出来る様になってしまうから…
ふははは!!!!!!、この力があれば俺はもう何でも出来る!!、怖い物なんてない、世界を征服する事さえ可能の筈、さぁ、まずは手始めにあの執事野郎を始末するか。
俺はスカしている奴を見て新しく覚えた能力、思っただけで、指定した相手を爆発する能力、ボマーexplosion を発動させる。
奴は危険を察知したのか、飛行船の上を飛び退いて降りやがるんだよ?、判断は正しいが、コイツからは逃げられないぜっ!!
ある程度奴との距離が離れたのを確認してから俺は最高火力の新技を使う。
チュドーンっっっ!!!
飛行船から離れた場所で凄まじい爆発音と熱風がこっちにも飛んで来やがる。
あんなすげー爆破じゃあもうあの世行き確定だろう。
「ケケケケケケケケ」
その時に下から白い毛並みのイタチの様な奴らがこっちを目指して飛んでやって来る。
念獣?、まだ念能力者の誰かがこの飛行船に潜んでやがったのか?、チ?、顔も見せないでどっかから隠れてこんな念獣出して来てんのかよ?、うぜぇなぁ…
「「「ケケケケケケケケ!!!!!」 」」
「うわ、危ねぇ!?」
この念獣共両手と両足に鋭く長い爪を持ってやがる。
俺は王子を持ちながら避けて行くのだが、段々段々と奴らの数が増えて避けるのが難しくなる。
面倒くさいな…だが新しく覚えた能力で、依頼人を逆に脅してしまえば別に律儀に依頼をいつまでも守ってやる義務はねぇか?
「おらよ王子様、空を散歩していきな?」
俺は王子を空の下に投げ捨てる。
「やだ、やだぁ〜怖いよぉ〜!!!〜」
勢いよく下に落ちて行くシャツィ王子をあの忌々しい念獣の1匹が追いかけて首元を咥えてゆっくりと空を飛んでいる。
「使ってしまいましたね?、その銃を?…これは明確な契約違反です。
違反には、相応の罰則を与えさせて貰います。」
前を振り向くといつの間にか爆破して殺したとばかり思っていた執事野郎が目の前にいやがった。
これも野郎の能力か?、何て面倒な能力持ってやがる!!
嘘だろ?、あの執事野郎はあの爆破で確実に殺した筈だ。
あの新技は、絶対に相手を外させない
あんな強力な爆破をされてどうして生きてられんだよこの野郎はよ?
何か爆発に対抗出来る能力でも持ってやがったのか?
しかし奴が防御系の念能力を使った感じはしなかったんだが?…まぁ、偶然助かったって事もあるしな?、取り敢えずもう一度、今度は下の飛行船に影響が出ない位に出力を落として…
奴を新技で爆破するが…
ドカンッ‼
ドカンッッ‼‼
ドカンッッッ‼‼‼
人体を破壊するには十分な爆発が奴の体中心で起こるが、アイツの四肢は繋がったままで、怪我一つ、汚れ一つなく、野郎はつまらなそうな表情で俺を見ている。
その様子に俺は悪寒が走る。
「お、お前…一体なんなんだよ?、本当に人間なのかよ?」
コイツ、念での防御も使ってねぇ、ありえねーだろ?
奴は冷たく笑って、正気なのか、冗談とも取れる言葉を言いやがる。
「その通り、俺は化物ですから、貴方方の攻撃は意味がありません。
ですが、その能力で俺をまだ殺せるというのなら、どうぞ、やってみせて下さい。」
コイツの目は正気で言ってやがる。
イカれてるぜコイツは?…
いつの間にか俺の視界は宙を舞っていた。
え?、な、何、これ?
俺の肩をイタチの様な念獣が咥えて持ち上げ、宙を飛び…
下を向くと身体が両手と両足が切り離されており、切り離された手と足は大量の血が流れる中、あの念獣共がかぶりついて咀嚼 してやがる。
不思議と痛みがないのが、この執事野郎の念能力の一つなんだろう、尋問系の能力としては恐ろしい程に効果のある力じゃねーか!、自分の四肢が切られて、念獣に食べられるなんてよぉ、臆さない奴なんてほぼいないからな。
駄目だ、あれだけ何度も新技を喰らってもコイツはのうのうと生きてやがる。
こんな野郎に勝ち筋は全く見えない。
俺は作り笑いを浮かべて奴に命乞いをする。
「へへへ、分かった、降参するよ、だから命までは勘弁してくれよ?」
執事野郎は頷いて俺の所に来ると
「分かりました。 命までは俺も取りません……ですが、その銃を使って得たオーラの力は奪取させて頂きます。」
そう、歯並びの整った口を大きく開けると、上の歯から犬歯部分に伸びている歯というより鋭い牙が、チラリと見えて俺の首元に噛み付いてきて、血を吸われる気持ち悪い感覚がする。
「ぎゃっ!!」
身体から血が抜かれると同時に、俺の沢山あったオーラも奪われていくのを感じる。
更に、念を発動出来ないまでオーラを奪われ、俺は意識が朦朧 とし、次の瞬間意識を失う。
ゲンスルーが意識を失ったのを確認すると、ジョシュダはハンカチを取り出して口に付いた血を拭い気分が悪そうに呟く。
「…同じ人でもあの人とは、これだけ違うのか」
俺は携帯を取り出して、リアムに連絡を取る。
「リアム、今から契約違反者1人をそっちに送るから、いつもの様に医師達の手配を頼むよ…」
そう会話を終え携帯をきり、気絶しているゲンスルーの前に手を翳 して、ゲンスルーを加えているカマイタチ達に行き先を告げる。
「ファストン家のリアムの部屋の中まで運んで」
ゲンスルーを咥えていたカマイタチ達2匹は、ゲンスルーから離れるとクルクルと舞い踊り、旋風に変わるとゲンスルーと共にこの場から消えていなくなった。
(シャツィ王子をここに)
次に、鋭利な爪を仕舞い込んだカマイタチがシャツィ王子をジョシュダの前まで連れて来る。
ジョシュダは一礼してシャツィ王子に腰を下げて優しく言う。
「救出が遅れ申し訳ありませんシャツィ王子」
シャツィ王子は小さな体でひしっとジョシュダに抱きついて泣きわめく
「こわかったよぉ〜!!、ははうえにあいたいよぉ〜!!!」
ジョシュダはシャツィ王子の背中を摩り安心させる様に優しく伝える。
「もう大丈夫ですよ、すぐに王妃様の元へお連れ致します。
……あ、王子、捕まっていて下さい
強い風が来ます。」
シャツィ王子を抱き寄せてジョシュダはやってくる強風に耐える。
その風はとても強く、俺達に吹き付けていくが、何処か心地が良い、これがこのアルコバリーノ国一帯に吹く、精霊の風か……
丁度良い、アルコバリーノ国の為にも、この風に協力して貰おう…
俺は念を練り上げ風に飛ばし片手を上げる。
「来い」
俺の飛ばした念が風を吸い取り、何千、何万、何億ものカマイタチ達が顕現 する。
第一級隔離指定種 達を仕留めろ‼‼
俺の指示に従い、数えきれない程の大量のカマイタチ達が下に向かい移動する。
その様子を見て、シャツィ王子が無邪気な表情で尋ねる。
「あのもふもふしたいきものどこにいくの?」
「あの生き物達はこれから、この国の人々を襲う悪い虫達を退治しに行きます。」
…最も、室内に侵入し、外からの風の届かない場所までは退治に向かう事は出来ないが…
繁殖能力の高い虫達が室内に侵入していたら厄介だな…
俺達の去った後は、この国の軍隊とハンター協会の向かわせるハンター達と強力して駆除して貰うしかないだろう…
「もふもふしたいきもの~
~、さっきはたすけてくれてありがと〜、がんばってね?~」
シャツィ王子は無邪気にカマイタチ達に手を振っている。
小さな子供は本当に無邪気で、可愛らしいな…
王城から離れて、ノアの念の届かない市街に突如アルコバリーノの上空を覆いつくさんばかりに白い大量のカマイタチ達が現れる。
キメラアント達から逃げ惑う人々は空を見上げる。
「何なんだアレは?、またおかしな生き物が空から降りて来たのか!?」
「もうおしまいだよこの国は〜」
「ケケケケケケケケ!!!!!!!」
空から降りて来た謎のイタチの様な白い動物は威嚇音を出しながら、空を飛び、人を避けて次々に小さな体で巨大なキメラアント達を切り裂き、屠って行く。
「え?、何だあの飛んでるイタチみたいなの?、でっかい虫共を倒してくれてるのか?」
「あいつ等、おれら人間には手をださねーぞ、味方、なのか?」
場所は飛行船に戻り
シャツィ王子をマイア王妃の元にジョシュダは連れて行く。
「ははうえ~‼」
「シャツィ‼‼」
俺は操縦室に向かう。
操縦室では、カーミラ王子の仲間が操縦しているのだろう。
「な、何だ、お前は‼‼?」
操縦室にいた者達は俺を見て警戒し出し
俺は人前でお嬢様の前以外では外さない眼鏡を外す。
夕刻の日が暮れる頃には、ジョシュダの活躍のおかげで、この国全体に投下された殆どのキメラアント達の討伐と、それを投下していた飛行船も全て、空港に不時着させ、飛行船を操縦していた船員たちも素直にこちらに協力してくれている。
この国にとっちゃまだまだ全然終りじゃないけど、シャツィ王子もマイア王妃も無事に戻って来たし、アタシ等の仕事はこれで粗方終わったのよ。
まず、アタシの能力じゃさ、1日に2人しか生き返らせないから、証人としてヨイサク・ンサウツイコ氏を生き返らせて、ジョシュダに悪さしない様に体から出ているオーラを吸血で抜き取って貰い
運の良い事に、まだ生き残っていたハンターの、ゲンスルーの仲間ではなかったゴレイヌさんに、恐らく変化系の能力で変わってたと思うんだけど、アタシと大差ない子供の外見だった、あのビスケちゃんがさ…
筋肉ムキムキのボディビルダー大会でも余裕で優勝かっさらいそうなカッコイイ巨大な50代位の体格に変わっててさ、色々あって弱ってたビスケちゃんもアタシの念能力で助けたんよ
いいなぁ~、アタシもこんだけ体力と筋肉ありゃあさ、もっと出来る事多くなるんだけどね。
アタシはそれからも城の医療室で、酷い怪我をしている人達を治し続けて、19時に王座へ呼び出される。
アタシはジョシュダとノアの3人で王座に向かい、オーガスト国王が玉座に座り、その隣にマイア王妃(シャツィ王子はまだ子供だからなぁ〜、いないのは疲れて寝てるんだろう。)
アタシ等3人が来るのを確認すると2人は立ち上がり、深く一礼して感謝して貰える。
「この度は誠に感謝する。
そなた等がいなければこの国は侵略者達に私共々屈し、地獄と化しただろう。」
「私共の救出とアルコバリーノを襲う恐ろしい虫達への駆除にご尽力頂き感謝致します。」
アタシも恭しく頭を下げて発言する。
「光栄に御座います。
所でオーガスト様、大臣の方々から国を裏切った事情は話されましたか?」
オーガスト国王は眉間に皺を寄せて暗い表情で言う。
「いや、奴等なら黙秘を続けているよ…国の法を覆した物の、流石に拷問で強制的に聞き出す訳にもいかぬしな…どうした物か頭を抱えているのだ。」
お優しいこった…まぁでもそんなんじゃいつまで経っても詰められないだろうね。
「ならば、今彼等をここに連れて来て頂く事は可能ですか?、後、牢に入れいてるヨイサク・ンサウツイコ氏も一緒にお願いします。
私共の力で事実を喋らせますので」
「真にその様な事が出来る物なのか?、にわかには信じがたいが…
いや、この国を救ってくれたそなた等の言葉を聞かぬ訳にはゆかぬな…連れて来なさい。」
オーガスト国王の命令で大臣等とヨイサク氏が連れて来られる。
彼等はここに連れて来られても黙秘の意思は固いらしくて静かにいじけたムスッとした顔で黙り を決め込んでいる様だ。
「ジョシュダ?」
アタシがやれと頼むとジョシュダは国王夫妻とこの場にいる兵士達に向けて注意する。
「国王御夫妻様、この場にいる兵士の方々、俺がいいと言うまで、決して目を開かないで下さい。」
オーガスト王は不思議そうにしながらこの場にいる兵士達にも声をかける。
「彼の言う通りに皆目を瞑りなさい。」
「「「「「はい」」」」」
国王夫妻と兵士の人等が目を瞑ったのを確認すると、ジョシュダは眼鏡を取り、大臣等のいる方向に歩み出す。
お嬢様があの銃に込めている念は、一定時間念能力の底上げと、修行をしなくても欲しいと思った念能力を習得出来、又、念能力の力を持っていない者を強制的に念能力者にしてしまう(ただし、銃の効果が切れたら、念修行なしで覚えてしまった素人は、後々銃の効果が切れると相当大変な事になってしまうが)本来なら1つ10億でも安い代物だ。
「はははははっ‼‼、この力があれば俺はもう誰にも負けねぇ‼‼‼‼」
どうやら、新しい力を覚えてしまったか…あの銃の力で彼は本来覚える事も出来ない段階の能力も身に着ける事が出来る様になってしまうから…
ふははは!!!!!!、この力があれば俺はもう何でも出来る!!、怖い物なんてない、世界を征服する事さえ可能の筈、さぁ、まずは手始めにあの執事野郎を始末するか。
俺はスカしている奴を見て新しく覚えた能力、思っただけで、指定した相手を爆発する能力、ボマー
奴は危険を察知したのか、飛行船の上を飛び退いて降りやがるんだよ?、判断は正しいが、コイツからは逃げられないぜっ!!
ある程度奴との距離が離れたのを確認してから俺は最高火力の新技を使う。
チュドーンっっっ!!!
飛行船から離れた場所で凄まじい爆発音と熱風がこっちにも飛んで来やがる。
あんなすげー爆破じゃあもうあの世行き確定だろう。
「ケケケケケケケケ」
その時に下から白い毛並みのイタチの様な奴らがこっちを目指して飛んでやって来る。
念獣?、まだ念能力者の誰かがこの飛行船に潜んでやがったのか?、チ?、顔も見せないでどっかから隠れてこんな念獣出して来てんのかよ?、うぜぇなぁ…
「「「ケケケケケケケケ!!!!!」 」」
「うわ、危ねぇ!?」
この念獣共両手と両足に鋭く長い爪を持ってやがる。
俺は王子を持ちながら避けて行くのだが、段々段々と奴らの数が増えて避けるのが難しくなる。
面倒くさいな…だが新しく覚えた能力で、依頼人を逆に脅してしまえば別に律儀に依頼をいつまでも守ってやる義務はねぇか?
「おらよ王子様、空を散歩していきな?」
俺は王子を空の下に投げ捨てる。
「やだ、やだぁ〜怖いよぉ〜!!!〜」
勢いよく下に落ちて行くシャツィ王子をあの忌々しい念獣の1匹が追いかけて首元を咥えてゆっくりと空を飛んでいる。
「使ってしまいましたね?、その銃を?…これは明確な契約違反です。
違反には、相応の罰則を与えさせて貰います。」
前を振り向くといつの間にか爆破して殺したとばかり思っていた執事野郎が目の前にいやがった。
これも野郎の能力か?、何て面倒な能力持ってやがる!!
嘘だろ?、あの執事野郎はあの爆破で確実に殺した筈だ。
あの新技は、絶対に相手を外させない
あんな強力な爆破をされてどうして生きてられんだよこの野郎はよ?
何か爆発に対抗出来る能力でも持ってやがったのか?
しかし奴が防御系の念能力を使った感じはしなかったんだが?…まぁ、偶然助かったって事もあるしな?、取り敢えずもう一度、今度は下の飛行船に影響が出ない位に出力を落として…
奴を新技で爆破するが…
ドカンッ‼
ドカンッッ‼‼
ドカンッッッ‼‼‼
人体を破壊するには十分な爆発が奴の体中心で起こるが、アイツの四肢は繋がったままで、怪我一つ、汚れ一つなく、野郎はつまらなそうな表情で俺を見ている。
その様子に俺は悪寒が走る。
「お、お前…一体なんなんだよ?、本当に人間なのかよ?」
コイツ、念での防御も使ってねぇ、ありえねーだろ?
奴は冷たく笑って、正気なのか、冗談とも取れる言葉を言いやがる。
「その通り、俺は化物ですから、貴方方の攻撃は意味がありません。
ですが、その能力で俺をまだ殺せるというのなら、どうぞ、やってみせて下さい。」
コイツの目は正気で言ってやがる。
イカれてるぜコイツは?…
いつの間にか俺の視界は宙を舞っていた。
え?、な、何、これ?
俺の肩をイタチの様な念獣が咥えて持ち上げ、宙を飛び…
下を向くと身体が両手と両足が切り離されており、切り離された手と足は大量の血が流れる中、あの念獣共がかぶりついて
不思議と痛みがないのが、この執事野郎の念能力の一つなんだろう、尋問系の能力としては恐ろしい程に効果のある力じゃねーか!、自分の四肢が切られて、念獣に食べられるなんてよぉ、臆さない奴なんてほぼいないからな。
駄目だ、あれだけ何度も新技を喰らってもコイツはのうのうと生きてやがる。
こんな野郎に勝ち筋は全く見えない。
俺は作り笑いを浮かべて奴に命乞いをする。
「へへへ、分かった、降参するよ、だから命までは勘弁してくれよ?」
執事野郎は頷いて俺の所に来ると
「分かりました。 命までは俺も取りません……ですが、その銃を使って得たオーラの力は奪取させて頂きます。」
そう、歯並びの整った口を大きく開けると、上の歯から犬歯部分に伸びている歯というより鋭い牙が、チラリと見えて俺の首元に噛み付いてきて、血を吸われる気持ち悪い感覚がする。
「ぎゃっ!!」
身体から血が抜かれると同時に、俺の沢山あったオーラも奪われていくのを感じる。
更に、念を発動出来ないまでオーラを奪われ、俺は意識が
ゲンスルーが意識を失ったのを確認すると、ジョシュダはハンカチを取り出して口に付いた血を拭い気分が悪そうに呟く。
「…同じ人でもあの人とは、これだけ違うのか」
俺は携帯を取り出して、リアムに連絡を取る。
「リアム、今から契約違反者1人をそっちに送るから、いつもの様に医師達の手配を頼むよ…」
そう会話を終え携帯をきり、気絶しているゲンスルーの前に手を
「ファストン家のリアムの部屋の中まで運んで」
ゲンスルーを咥えていたカマイタチ達2匹は、ゲンスルーから離れるとクルクルと舞い踊り、旋風に変わるとゲンスルーと共にこの場から消えていなくなった。
(シャツィ王子をここに)
次に、鋭利な爪を仕舞い込んだカマイタチがシャツィ王子をジョシュダの前まで連れて来る。
ジョシュダは一礼してシャツィ王子に腰を下げて優しく言う。
「救出が遅れ申し訳ありませんシャツィ王子」
シャツィ王子は小さな体でひしっとジョシュダに抱きついて泣きわめく
「こわかったよぉ〜!!、ははうえにあいたいよぉ〜!!!」
ジョシュダはシャツィ王子の背中を摩り安心させる様に優しく伝える。
「もう大丈夫ですよ、すぐに王妃様の元へお連れ致します。
……あ、王子、捕まっていて下さい
強い風が来ます。」
シャツィ王子を抱き寄せてジョシュダはやってくる強風に耐える。
その風はとても強く、俺達に吹き付けていくが、何処か心地が良い、これがこのアルコバリーノ国一帯に吹く、精霊の風か……
丁度良い、アルコバリーノ国の為にも、この風に協力して貰おう…
俺は念を練り上げ風に飛ばし片手を上げる。
「来い」
俺の飛ばした念が風を吸い取り、何千、何万、何億ものカマイタチ達が
俺の指示に従い、数えきれない程の大量のカマイタチ達が下に向かい移動する。
その様子を見て、シャツィ王子が無邪気な表情で尋ねる。
「あのもふもふしたいきものどこにいくの?」
「あの生き物達はこれから、この国の人々を襲う悪い虫達を退治しに行きます。」
…最も、室内に侵入し、外からの風の届かない場所までは退治に向かう事は出来ないが…
繁殖能力の高い虫達が室内に侵入していたら厄介だな…
俺達の去った後は、この国の軍隊とハンター協会の向かわせるハンター達と強力して駆除して貰うしかないだろう…
「もふもふしたいきもの~
~、さっきはたすけてくれてありがと〜、がんばってね?~」
シャツィ王子は無邪気にカマイタチ達に手を振っている。
小さな子供は本当に無邪気で、可愛らしいな…
王城から離れて、ノアの念の届かない市街に突如アルコバリーノの上空を覆いつくさんばかりに白い大量のカマイタチ達が現れる。
キメラアント達から逃げ惑う人々は空を見上げる。
「何なんだアレは?、またおかしな生き物が空から降りて来たのか!?」
「もうおしまいだよこの国は〜」
「ケケケケケケケケ!!!!!!!」
空から降りて来た謎のイタチの様な白い動物は威嚇音を出しながら、空を飛び、人を避けて次々に小さな体で巨大なキメラアント達を切り裂き、屠って行く。
「え?、何だあの飛んでるイタチみたいなの?、でっかい虫共を倒してくれてるのか?」
「あいつ等、おれら人間には手をださねーぞ、味方、なのか?」
場所は飛行船に戻り
シャツィ王子をマイア王妃の元にジョシュダは連れて行く。
「ははうえ~‼」
「シャツィ‼‼」
俺は操縦室に向かう。
操縦室では、カーミラ王子の仲間が操縦しているのだろう。
「な、何だ、お前は‼‼?」
操縦室にいた者達は俺を見て警戒し出し
俺は人前でお嬢様の前以外では外さない眼鏡を外す。
夕刻の日が暮れる頃には、ジョシュダの活躍のおかげで、この国全体に投下された殆どのキメラアント達の討伐と、それを投下していた飛行船も全て、空港に不時着させ、飛行船を操縦していた船員たちも素直にこちらに協力してくれている。
この国にとっちゃまだまだ全然終りじゃないけど、シャツィ王子もマイア王妃も無事に戻って来たし、アタシ等の仕事はこれで粗方終わったのよ。
まず、アタシの能力じゃさ、1日に2人しか生き返らせないから、証人としてヨイサク・ンサウツイコ氏を生き返らせて、ジョシュダに悪さしない様に体から出ているオーラを吸血で抜き取って貰い
運の良い事に、まだ生き残っていたハンターの、ゲンスルーの仲間ではなかったゴレイヌさんに、恐らく変化系の能力で変わってたと思うんだけど、アタシと大差ない子供の外見だった、あのビスケちゃんがさ…
筋肉ムキムキのボディビルダー大会でも余裕で優勝かっさらいそうなカッコイイ巨大な50代位の体格に変わっててさ、色々あって弱ってたビスケちゃんもアタシの念能力で助けたんよ
いいなぁ~、アタシもこんだけ体力と筋肉ありゃあさ、もっと出来る事多くなるんだけどね。
アタシはそれからも城の医療室で、酷い怪我をしている人達を治し続けて、19時に王座へ呼び出される。
アタシはジョシュダとノアの3人で王座に向かい、オーガスト国王が玉座に座り、その隣にマイア王妃(シャツィ王子はまだ子供だからなぁ〜、いないのは疲れて寝てるんだろう。)
アタシ等3人が来るのを確認すると2人は立ち上がり、深く一礼して感謝して貰える。
「この度は誠に感謝する。
そなた等がいなければこの国は侵略者達に私共々屈し、地獄と化しただろう。」
「私共の救出とアルコバリーノを襲う恐ろしい虫達への駆除にご尽力頂き感謝致します。」
アタシも恭しく頭を下げて発言する。
「光栄に御座います。
所でオーガスト様、大臣の方々から国を裏切った事情は話されましたか?」
オーガスト国王は眉間に皺を寄せて暗い表情で言う。
「いや、奴等なら黙秘を続けているよ…国の法を覆した物の、流石に拷問で強制的に聞き出す訳にもいかぬしな…どうした物か頭を抱えているのだ。」
お優しいこった…まぁでもそんなんじゃいつまで経っても詰められないだろうね。
「ならば、今彼等をここに連れて来て頂く事は可能ですか?、後、牢に入れいてるヨイサク・ンサウツイコ氏も一緒にお願いします。
私共の力で事実を喋らせますので」
「真にその様な事が出来る物なのか?、にわかには信じがたいが…
いや、この国を救ってくれたそなた等の言葉を聞かぬ訳にはゆかぬな…連れて来なさい。」
オーガスト国王の命令で大臣等とヨイサク氏が連れて来られる。
彼等はここに連れて来られても黙秘の意思は固いらしくて静かにいじけたムスッとした顔で
「ジョシュダ?」
アタシがやれと頼むとジョシュダは国王夫妻とこの場にいる兵士達に向けて注意する。
「国王御夫妻様、この場にいる兵士の方々、俺がいいと言うまで、決して目を開かないで下さい。」
オーガスト王は不思議そうにしながらこの場にいる兵士達にも声をかける。
「彼の言う通りに皆目を瞑りなさい。」
「「「「「はい」」」」」
国王夫妻と兵士の人等が目を瞑ったのを確認すると、ジョシュダは眼鏡を取り、大臣等のいる方向に歩み出す。