藁人形論法 第8話
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ノアが変身した分身の黒くてでかい狼達は次々に移動出来る念の円の範囲まで素早く移動して行く。
まぁ、それでもここいら一帯を一掃出するだけなんだけどね…他の場所までは流石にハンター協会がやってくんないとこいつ等キメラアントを駆除出来ない。
特に虫系なんか繁殖能力高いじゃん?、ああゆうのが大繁殖して人間を食べて個人意思なんか持って、外に出て来たらもう一大事だよ。
ノアは、狼に変身してキメラアント食べても、胃に溜まんない制約付けててさ、人間の姿の時じゃないと腹は満たせないの
だからこうゆー非常時には長期で滞在させられないんだよね?、すっげー大食いだから、この国の人達に与えられる備蓄食料とか食い尽くしちまうし
これは後でノアの他の兄弟派遣させるしかないか
「ノアッチ、こいつ等どれ位強いん?」
「ん〜…威力のある銃とかあれば、一般の人でも倒せる段階だね。」
この国の軍隊はこーゆー時出番だってのにさ、絶対すぐには動かないで、このままだと多くの国民の人達が犠牲になるだろうな…
良い人達だけに胸が痛むわぁ〜、あのホテルもサービスが行き届いて良い人達が多かっただけにさ…
「ジョシュダは飛行船に行って、王妃様と王子様の救出と、他のキメラアントを投下してる飛行船の捕捉もお願い。
アタシ等は落ちて来る虫の一掃と、王様に軍隊出す様に発破をかけてくるわ」
「了解しました。
ノア、あの時の様に気を抜かないでね?
お嬢様から目を離したら、何するか分からないから」
「了解、お嬢の事は分かってるって?」
「そうそう、アタシ等は死ぬ時も一緒って誓い合った仲だしねぇ♡」
「そんな物騒な事誓ってないって言ってるでしょこの子は!?〜」
「絶対にノアから離れないで下さい、貴女も狙われてるんですからね?」
「わーてるっスよ、心配性っスねぇジョシュダは〜
ノアッチはアタシがちゃんと見ててあげるっスから、ノープロブレムっスよ〜」
ため息を吐いてジョシュダはジト目でアタシを見てもう諦めた様に呟く
「それが一番心配なんですよ?、貴女はいざとなったら自身の危険は顧み無い人なんですから…それでは行って来ますね」
ジョシュダは背中から自分の背丈の半分はある蝙蝠の翼を生やし、空へと向かって素早く飛んで行く。
「すっごいよねぇ〜、吸血鬼って、アレ修行なしで自由自在に翼出し入れできんしょ〜?
あんなの人間だったら一生かけて覚えられるかどうかな力を念能力無しでタダで他にも色々使用出来るし
やっぱ吸血鬼って人間より能力ぶっ飛んでるっスねぇ?」
「そんな方を顎で使ってるお嬢の方が、オレ等からしたら異常すぎるんだけどね?
本来ならさ、俺らからでも坊ちゃんは触るのだっていちいちご主人様の許可がないと出来ない方だし
吸血鬼が人間の下で働くなんてとんでもない事なんだからね?
始祖様が特例で許可しないとこんな事絶対に許されないんだよ?」
あのうちの親族の集まりの場でリアムがいたら、まず間違いなくミアおばさんとジョシュダを馬鹿にして顔触ってたタイラーおじさんは首飛んでただろうなぁ…つーかさ…
うちの親戚達来るたびに何度か今までおっちんでたんだよ?
ジョシュダを馬鹿にする度、ミアおばさんの身体とか子供の玩具のブロックみたいに毎度千切られちゃってさぁ…
その度にアタシはおばさんやおじさんを生き返らせて、ノアの兄弟が一部だけ記憶を消す能力を持ってるからその兄弟に協力して貰っていちいちその時の記憶を消してたんだわ
リッたんは無表情でジョシュダに失礼な事する人がいたら平気でヤッちまうからね〜
一昨年は遊びに連れて来たミアおばさんの子供達がジョシュダの執事服を生意気な奴だからって悪戯で燃やしたから、生きたまま灯油をかけて燃やしてたんよ?
人の焼ける臭いってさ…すっげぇ焦げ臭いわだわ…今でも思い出せるよ
「ちゃんと捕まっててね、くれぐれも掴む手を離しちゃ駄目だかんね?
大人しくしててよ?、アンタ怪我人なんだから」
アタシはノアの着替えを片手で持ちながら返事をする。
「分かってるっスよ〜、アタシは清廉潔白な淑女様なんだぜ?」
「本当に淑女の人は、自分から淑女って言わないと思うけどね?」
黒い狼状態のノアはそう減らず口をほざくと、アタシをデカい口で咥えて背中の上に乗せると他の分身と分かれて王城へ走り出す。
その道中でノア達の分身が空から落下してくるデッカイ虫とか爬虫類とか鳥とか色々な生物の特徴が混ざったキメラアントを駆除している最中、突如空から降って来た巨大なキメラアントとそれをやっつけているこっちもデカいノアを見て、アルコバリーノの人達はやはり大混乱状態だった。(まぁ、ノアも正体知らない人達から見たら、キメラアントと似たようなもんだろうしね)
車道に入り走っていると、この国の中年男性が怒った様子で一台の車を叩いている。
「おい、ふざけるな!!これは俺の車だぞ、返せ!!」
その人が叩いている車の中には恐らくは観光出来た外国人が車を叩いている人を嘲笑いながら楽しそうに言葉をかけている。
「煩い、この国の人間が外国人を差別してんじゃねーよ!!
外国人の僕が困ってたら、優先されんのは現地人よりも
この僕なんだよ?、分かる?
それが外国人思いやり法なんだよ、法律守れよ〜?」
「畜生!!、何が法律だよ!!
非常時に自分の所有物を窃盗されても泣き寝入りするしかねーなんてふざんけんなよっ!!!!」
可哀想に、外国人思いやり法の悪影響が出てんのか、こんなもん早々に撤廃した方が絶対いいのにさ…
国が守らなくちゃいけないのは、外国人より税金払ってるこの国の国民だってのにね?、アタシを乗せたノアが走り去る中
ノアの分身がおじさんの元にやって来て声をかけている。
「この国の法律とはいえ酷いねぇ?〜、お兄さんそのままじゃ危ないから避難所ま送ってあげるよ
多分今の状況じゃ車よりオレのが早いし安全だから」
車を奪われたおじさんは、狼状態のノアの分身を見て腰を抜かして驚く
「ひ、ヒイィ、ば、化け物!?」
「大丈夫だって、オレ人間は今の所は食べないから?
人間より屠殺場で加工された牛や豚の方が断然美味いしね?」
そう言ってノアの分身の1匹はおじさんを咥えて避難所へと向かって走って行く。
一方アタシ等はキメラアントが空から暫く大混雑中の車道をようやく抜けたと思ったらさ
「きゃあぁ〜〜〜!!?、嫌ああぁ〜!!?
お父さん、お母さん!!!!!!〜」
昨日公園近くの喫茶店にいた娘さんのポニーテールの髪型をしたアミちゃんが
3mのでっけーカエルの腕に掴まれている。
カエルの口元には気絶して捕食されている最中のアミちゃんの両親が上半身だけ飲み込まれる形で見えてんのよ
カエルってのは歯がないってイメージあるけどさ、上顎にだけ歯が生えてる種類もいるんだよ
幸いにもあれは上顎に歯が生えないタイプのヒキガエル種だ。
今からノアが始末すれば外傷なくアミちゃん達家族を助ける事が出来るだろう。
「ノア?」
「了解です」
ノアは彼女達を捕らえているでっけーカエルの元に素早く向かい
ザンッ、と音を立て長い爪でデカカエルを一刀両断にするとノアは素早く飲み込まれ途中でカエルの体液がベト付いているアミちゃんのご両親とアミちゃんの3人を背中に乗せた。
アタシは何が起こったのか理解出来ずに今も呆然としているアミちゃんに声を掛ける。
「アミお姉様、ご無事の様で安心しました。」
「良かったねぇ〜?、歯が付いてないタイプのカエルで5体満足で助かってさ?…歯が生えてる種類だったら
こうはいかなかったよ君のご両親」
「何で!!?〜何でお嬢様がこんな所に犬に乗って来てんのぉ!?〜
しかもこのバカデカい犬喋ってる〜!!?」
「ちょっと、犬じゃなくてオレ狼ね?、そこんとこ間違えないで」
まぁ、当然の疑問よね、それっぽい事説明しとくか
「アミお姉様、この子は、ファストン家の護衛狼です。
人は襲いませんから安心して下さい」
ノアの背中に乗って走る中少し落ち着いて来たアミちゃんがこれまでの経緯を説明してくれた。
今日は通っている学校の開校記念日で、休みの日に家族で買い物に行こうとしていた所、キメラアント達が空から降って来て大混乱の中
乗って来ていた車もさっきのおじさんの様にタチの悪い外国人の人達に奪われて
仕方なく走って避難所に逃げていた所をあの巨大カエルに襲われていたそうなんだわ
暫く走りアタシ等はようやく避難所の一つにもなっている王城に辿り着くと、当然だけど、でかい狼状態のノアに警戒して、お城の門番の人等が警戒した様子でアタシ等の元にやってくる。
「止まれ!!、な、何だ、このデカい犬は!!?」
「だから、オレ犬じゃないの、狼なんですってのっ!!」
アタシはノアから降りて、護衛の人等に事情を説明し、城の兵士の人達に気絶しているアミちゃんの両親を医療室まで運んで貰っている間にノアに着替えを渡し、すぐに人間の姿になって戻って来る。
「お嬢様達もここで避難するの?」
「いえ、私達はこれから王様に軍隊を出すように直訴しに行きます。
この国の人達を守れるのは彼等しかいませんからね」
アタシの言葉を聞いてアミちゃんは医療室のご両親の所に行くと思いきや
「私も一緒に行くっ!、このままだと、友達とか、近所の人達だって皆皆危険なんだもんっ!!!
平和平和って言って、偉い人達みたいに言ってさ
何もしないんじゃ、大切な人達がいなくなっちゃうよっ!!!!」
あんなにのんびりした子でも、こんなに危機感感じてんのにさ
この国のお偉い様は本当に何やってんだろうね?
アタシは断る理由はないのでアミちゃんと一緒に3人で城内に入ると、入り口付近には大勢の外から避難して来た大勢の人達が不安そうに
入って来たアタシ等を不安気に見て来る。
親族や友人、恋人ととか、大切な人達とと離れ離れになってここに来ていないか確認しに来た人達なんだろう。
そこにタイミング良く、映画俳優ばりに渋くてカッコいい容姿をしているアルコバリーノ国の国王、オーガスト様がこの国の大臣達を連れていらっしゃった。
王様にその場にいた国民の人達は群がって、嘆願し始める。
「オーガスト様、どうか軍隊を出動させて下さい!!!!
オレの母ちゃん、まだ家から避難所に逃げてないみたいなんです!!」
「私はホテルの受け付けをしている娘と連絡が取れないんです!!、お願いします!!
早く軍隊を出して助けに行ってあげて下さい!!」
「オレは妹と連絡が取れません、アイツ凄い虫嫌いだから今頃凄い怖がってると思います、どうか軍隊を出動させて助けてあげて下さい!!!!」
アミちゃんも王様に嘆願する。
「ここに逃げて来るまで、落ちて来るでっかい変な生き物に襲われたんです!!
王様、皆を助けて下さい!!」
王様は顔に深い皺を寄せて、集まった人達に暗い表情をしながらしっかりとした声で声を伝える。
「安心せよ、私はこれからテロリスト達に降伏し、この国事奴等にあけ渡す。
これで其方達国民の安全は保証されるだろう
攫われた王妃と王子もこれで助かる筈だしな……
そうなのだろう防衛大臣?」
その場にいたこの国の人達に同様が広がる。
「え?…降伏?、どうゆう事?」
「そう言えば、シャツィ王子とマイア王妃がテロリストに攫われたってさっき聞いたわ」
「この国が、無くなってしまう?、それって本当に大丈夫なのか?」
近くにいたミアおばさん並みにブランドモンのキンキラキンのアクセサリーを身に付けた気の強そうな中年の女性の大臣、確か名前は新聞で読んだね。
バズッタリオ・ウンセイさんだったか、彼女が気味の悪い程満面の笑みで頷いて答える。
「えぇえぇ、そうですとも、だって抑える方法があるからあんな訳の分からない生き物達をこの国に放ったんですわ
でなければ征服しようとしている国に解き放つ訳がないじゃあありませんの?
ワタクシ、彼等から連絡先を貰っておりますので此方に連絡して頂ければ
これで一気に全て平和に丸々と解決致しますわ、たったこれだけの事なのに王様ったら本当に頑固なんですから
その間に起きた国民達の被害は全て貴方様のせいなんですからね?」
あちゃ〜…見事に駄目だこりゃ、キメラアントにリモコンに付いてる停止ボタンなんぞテロリストもといカミーラ王子が持ってる訳ないじゃん?
あの人感情優先で、行動の結果考えてないんだもんよ
他の大臣等を見ても全く防衛大臣に反論しないし皆同意見って事なんだろう。
非常自体に適切な判断が出来ない人等が国の責任者とかもう悲しくて泣けてくるね?
王様もこんな偏った考えの人達連日相手にして、王妃や王子が攫われちまったからついに精神的に参っちゃったんだろうなぁ…
アタシは声を張り上げて喋る。
「王様、僭越ながら発言をお許し下さい、私はカーヤ・ファストンと申します。」
「おぉ、其方がシャツィを助けたという者か、礼が遅れて済まぬ。
発言は構わぬが、その様な怪我のままここまで避難して来たのは大変だっただろう。
苦しければ医療室がある故そこに行くといい」
アタシはうやうやしく頭を下げて礼をし、姿勢を正して王様を見上げて意見を述べる。
「発言の許可有難う御座います、怪我は問題ありません。
王妃様と王子様の件は私の護衛が救出に向かっているので安心なさって下さい。
それよりも、貴方様がなさる事は、テロリストへの降伏ではなく
今すぐ後ろに集まっている大臣の方々全員を更迭なさって
貴方様の指示で軍隊を出し、この国の国民を優先的に救出に向かわせるべきです。」
当然ながらアタシの発言に王様に付いて来ていた大臣方がキレるわキレる。
まぁ、それでもここいら一帯を一掃出するだけなんだけどね…他の場所までは流石にハンター協会がやってくんないとこいつ等キメラアントを駆除出来ない。
特に虫系なんか繁殖能力高いじゃん?、ああゆうのが大繁殖して人間を食べて個人意思なんか持って、外に出て来たらもう一大事だよ。
ノアは、狼に変身してキメラアント食べても、胃に溜まんない制約付けててさ、人間の姿の時じゃないと腹は満たせないの
だからこうゆー非常時には長期で滞在させられないんだよね?、すっげー大食いだから、この国の人達に与えられる備蓄食料とか食い尽くしちまうし
これは後でノアの他の兄弟派遣させるしかないか
「ノアッチ、こいつ等どれ位強いん?」
「ん〜…威力のある銃とかあれば、一般の人でも倒せる段階だね。」
この国の軍隊はこーゆー時出番だってのにさ、絶対すぐには動かないで、このままだと多くの国民の人達が犠牲になるだろうな…
良い人達だけに胸が痛むわぁ〜、あのホテルもサービスが行き届いて良い人達が多かっただけにさ…
「ジョシュダは飛行船に行って、王妃様と王子様の救出と、他のキメラアントを投下してる飛行船の捕捉もお願い。
アタシ等は落ちて来る虫の一掃と、王様に軍隊出す様に発破をかけてくるわ」
「了解しました。
ノア、あの時の様に気を抜かないでね?
お嬢様から目を離したら、何するか分からないから」
「了解、お嬢の事は分かってるって?」
「そうそう、アタシ等は死ぬ時も一緒って誓い合った仲だしねぇ♡」
「そんな物騒な事誓ってないって言ってるでしょこの子は!?〜」
「絶対にノアから離れないで下さい、貴女も狙われてるんですからね?」
「わーてるっスよ、心配性っスねぇジョシュダは〜
ノアッチはアタシがちゃんと見ててあげるっスから、ノープロブレムっスよ〜」
ため息を吐いてジョシュダはジト目でアタシを見てもう諦めた様に呟く
「それが一番心配なんですよ?、貴女はいざとなったら自身の危険は顧み無い人なんですから…それでは行って来ますね」
ジョシュダは背中から自分の背丈の半分はある蝙蝠の翼を生やし、空へと向かって素早く飛んで行く。
「すっごいよねぇ〜、吸血鬼って、アレ修行なしで自由自在に翼出し入れできんしょ〜?
あんなの人間だったら一生かけて覚えられるかどうかな力を念能力無しでタダで他にも色々使用出来るし
やっぱ吸血鬼って人間より能力ぶっ飛んでるっスねぇ?」
「そんな方を顎で使ってるお嬢の方が、オレ等からしたら異常すぎるんだけどね?
本来ならさ、俺らからでも坊ちゃんは触るのだっていちいちご主人様の許可がないと出来ない方だし
吸血鬼が人間の下で働くなんてとんでもない事なんだからね?
始祖様が特例で許可しないとこんな事絶対に許されないんだよ?」
あのうちの親族の集まりの場でリアムがいたら、まず間違いなくミアおばさんとジョシュダを馬鹿にして顔触ってたタイラーおじさんは首飛んでただろうなぁ…つーかさ…
うちの親戚達来るたびに何度か今までおっちんでたんだよ?
ジョシュダを馬鹿にする度、ミアおばさんの身体とか子供の玩具のブロックみたいに毎度千切られちゃってさぁ…
その度にアタシはおばさんやおじさんを生き返らせて、ノアの兄弟が一部だけ記憶を消す能力を持ってるからその兄弟に協力して貰っていちいちその時の記憶を消してたんだわ
リッたんは無表情でジョシュダに失礼な事する人がいたら平気でヤッちまうからね〜
一昨年は遊びに連れて来たミアおばさんの子供達がジョシュダの執事服を生意気な奴だからって悪戯で燃やしたから、生きたまま灯油をかけて燃やしてたんよ?
人の焼ける臭いってさ…すっげぇ焦げ臭いわだわ…今でも思い出せるよ
「ちゃんと捕まっててね、くれぐれも掴む手を離しちゃ駄目だかんね?
大人しくしててよ?、アンタ怪我人なんだから」
アタシはノアの着替えを片手で持ちながら返事をする。
「分かってるっスよ〜、アタシは清廉潔白な淑女様なんだぜ?」
「本当に淑女の人は、自分から淑女って言わないと思うけどね?」
黒い狼状態のノアはそう減らず口をほざくと、アタシをデカい口で咥えて背中の上に乗せると他の分身と分かれて王城へ走り出す。
その道中でノア達の分身が空から落下してくるデッカイ虫とか爬虫類とか鳥とか色々な生物の特徴が混ざったキメラアントを駆除している最中、突如空から降って来た巨大なキメラアントとそれをやっつけているこっちもデカいノアを見て、アルコバリーノの人達はやはり大混乱状態だった。(まぁ、ノアも正体知らない人達から見たら、キメラアントと似たようなもんだろうしね)
車道に入り走っていると、この国の中年男性が怒った様子で一台の車を叩いている。
「おい、ふざけるな!!これは俺の車だぞ、返せ!!」
その人が叩いている車の中には恐らくは観光出来た外国人が車を叩いている人を嘲笑いながら楽しそうに言葉をかけている。
「煩い、この国の人間が外国人を差別してんじゃねーよ!!
外国人の僕が困ってたら、優先されんのは現地人よりも
この僕なんだよ?、分かる?
それが外国人思いやり法なんだよ、法律守れよ〜?」
「畜生!!、何が法律だよ!!
非常時に自分の所有物を窃盗されても泣き寝入りするしかねーなんてふざんけんなよっ!!!!」
可哀想に、外国人思いやり法の悪影響が出てんのか、こんなもん早々に撤廃した方が絶対いいのにさ…
国が守らなくちゃいけないのは、外国人より税金払ってるこの国の国民だってのにね?、アタシを乗せたノアが走り去る中
ノアの分身がおじさんの元にやって来て声をかけている。
「この国の法律とはいえ酷いねぇ?〜、お兄さんそのままじゃ危ないから避難所ま送ってあげるよ
多分今の状況じゃ車よりオレのが早いし安全だから」
車を奪われたおじさんは、狼状態のノアの分身を見て腰を抜かして驚く
「ひ、ヒイィ、ば、化け物!?」
「大丈夫だって、オレ人間は今の所は食べないから?
人間より屠殺場で加工された牛や豚の方が断然美味いしね?」
そう言ってノアの分身の1匹はおじさんを咥えて避難所へと向かって走って行く。
一方アタシ等はキメラアントが空から暫く大混雑中の車道をようやく抜けたと思ったらさ
「きゃあぁ〜〜〜!!?、嫌ああぁ〜!!?
お父さん、お母さん!!!!!!〜」
昨日公園近くの喫茶店にいた娘さんのポニーテールの髪型をしたアミちゃんが
3mのでっけーカエルの腕に掴まれている。
カエルの口元には気絶して捕食されている最中のアミちゃんの両親が上半身だけ飲み込まれる形で見えてんのよ
カエルってのは歯がないってイメージあるけどさ、上顎にだけ歯が生えてる種類もいるんだよ
幸いにもあれは上顎に歯が生えないタイプのヒキガエル種だ。
今からノアが始末すれば外傷なくアミちゃん達家族を助ける事が出来るだろう。
「ノア?」
「了解です」
ノアは彼女達を捕らえているでっけーカエルの元に素早く向かい
ザンッ、と音を立て長い爪でデカカエルを一刀両断にするとノアは素早く飲み込まれ途中でカエルの体液がベト付いているアミちゃんのご両親とアミちゃんの3人を背中に乗せた。
アタシは何が起こったのか理解出来ずに今も呆然としているアミちゃんに声を掛ける。
「アミお姉様、ご無事の様で安心しました。」
「良かったねぇ〜?、歯が付いてないタイプのカエルで5体満足で助かってさ?…歯が生えてる種類だったら
こうはいかなかったよ君のご両親」
「何で!!?〜何でお嬢様がこんな所に犬に乗って来てんのぉ!?〜
しかもこのバカデカい犬喋ってる〜!!?」
「ちょっと、犬じゃなくてオレ狼ね?、そこんとこ間違えないで」
まぁ、当然の疑問よね、それっぽい事説明しとくか
「アミお姉様、この子は、ファストン家の護衛狼です。
人は襲いませんから安心して下さい」
ノアの背中に乗って走る中少し落ち着いて来たアミちゃんがこれまでの経緯を説明してくれた。
今日は通っている学校の開校記念日で、休みの日に家族で買い物に行こうとしていた所、キメラアント達が空から降って来て大混乱の中
乗って来ていた車もさっきのおじさんの様にタチの悪い外国人の人達に奪われて
仕方なく走って避難所に逃げていた所をあの巨大カエルに襲われていたそうなんだわ
暫く走りアタシ等はようやく避難所の一つにもなっている王城に辿り着くと、当然だけど、でかい狼状態のノアに警戒して、お城の門番の人等が警戒した様子でアタシ等の元にやってくる。
「止まれ!!、な、何だ、このデカい犬は!!?」
「だから、オレ犬じゃないの、狼なんですってのっ!!」
アタシはノアから降りて、護衛の人等に事情を説明し、城の兵士の人達に気絶しているアミちゃんの両親を医療室まで運んで貰っている間にノアに着替えを渡し、すぐに人間の姿になって戻って来る。
「お嬢様達もここで避難するの?」
「いえ、私達はこれから王様に軍隊を出すように直訴しに行きます。
この国の人達を守れるのは彼等しかいませんからね」
アタシの言葉を聞いてアミちゃんは医療室のご両親の所に行くと思いきや
「私も一緒に行くっ!、このままだと、友達とか、近所の人達だって皆皆危険なんだもんっ!!!
平和平和って言って、偉い人達みたいに言ってさ
何もしないんじゃ、大切な人達がいなくなっちゃうよっ!!!!」
あんなにのんびりした子でも、こんなに危機感感じてんのにさ
この国のお偉い様は本当に何やってんだろうね?
アタシは断る理由はないのでアミちゃんと一緒に3人で城内に入ると、入り口付近には大勢の外から避難して来た大勢の人達が不安そうに
入って来たアタシ等を不安気に見て来る。
親族や友人、恋人ととか、大切な人達とと離れ離れになってここに来ていないか確認しに来た人達なんだろう。
そこにタイミング良く、映画俳優ばりに渋くてカッコいい容姿をしているアルコバリーノ国の国王、オーガスト様がこの国の大臣達を連れていらっしゃった。
王様にその場にいた国民の人達は群がって、嘆願し始める。
「オーガスト様、どうか軍隊を出動させて下さい!!!!
オレの母ちゃん、まだ家から避難所に逃げてないみたいなんです!!」
「私はホテルの受け付けをしている娘と連絡が取れないんです!!、お願いします!!
早く軍隊を出して助けに行ってあげて下さい!!」
「オレは妹と連絡が取れません、アイツ凄い虫嫌いだから今頃凄い怖がってると思います、どうか軍隊を出動させて助けてあげて下さい!!!!」
アミちゃんも王様に嘆願する。
「ここに逃げて来るまで、落ちて来るでっかい変な生き物に襲われたんです!!
王様、皆を助けて下さい!!」
王様は顔に深い皺を寄せて、集まった人達に暗い表情をしながらしっかりとした声で声を伝える。
「安心せよ、私はこれからテロリスト達に降伏し、この国事奴等にあけ渡す。
これで其方達国民の安全は保証されるだろう
攫われた王妃と王子もこれで助かる筈だしな……
そうなのだろう防衛大臣?」
その場にいたこの国の人達に同様が広がる。
「え?…降伏?、どうゆう事?」
「そう言えば、シャツィ王子とマイア王妃がテロリストに攫われたってさっき聞いたわ」
「この国が、無くなってしまう?、それって本当に大丈夫なのか?」
近くにいたミアおばさん並みにブランドモンのキンキラキンのアクセサリーを身に付けた気の強そうな中年の女性の大臣、確か名前は新聞で読んだね。
バズッタリオ・ウンセイさんだったか、彼女が気味の悪い程満面の笑みで頷いて答える。
「えぇえぇ、そうですとも、だって抑える方法があるからあんな訳の分からない生き物達をこの国に放ったんですわ
でなければ征服しようとしている国に解き放つ訳がないじゃあありませんの?
ワタクシ、彼等から連絡先を貰っておりますので此方に連絡して頂ければ
これで一気に全て平和に丸々と解決致しますわ、たったこれだけの事なのに王様ったら本当に頑固なんですから
その間に起きた国民達の被害は全て貴方様のせいなんですからね?」
あちゃ〜…見事に駄目だこりゃ、キメラアントにリモコンに付いてる停止ボタンなんぞテロリストもといカミーラ王子が持ってる訳ないじゃん?
あの人感情優先で、行動の結果考えてないんだもんよ
他の大臣等を見ても全く防衛大臣に反論しないし皆同意見って事なんだろう。
非常自体に適切な判断が出来ない人等が国の責任者とかもう悲しくて泣けてくるね?
王様もこんな偏った考えの人達連日相手にして、王妃や王子が攫われちまったからついに精神的に参っちゃったんだろうなぁ…
アタシは声を張り上げて喋る。
「王様、僭越ながら発言をお許し下さい、私はカーヤ・ファストンと申します。」
「おぉ、其方がシャツィを助けたという者か、礼が遅れて済まぬ。
発言は構わぬが、その様な怪我のままここまで避難して来たのは大変だっただろう。
苦しければ医療室がある故そこに行くといい」
アタシはうやうやしく頭を下げて礼をし、姿勢を正して王様を見上げて意見を述べる。
「発言の許可有難う御座います、怪我は問題ありません。
王妃様と王子様の件は私の護衛が救出に向かっているので安心なさって下さい。
それよりも、貴方様がなさる事は、テロリストへの降伏ではなく
今すぐ後ろに集まっている大臣の方々全員を更迭なさって
貴方様の指示で軍隊を出し、この国の国民を優先的に救出に向かわせるべきです。」
当然ながらアタシの発言に王様に付いて来ていた大臣方がキレるわキレる。