2つの糸 第7章
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カインはおかしな嘘なんかつく奴じゃない(そういうふうに私がちゃんと教育しているからな?)から、それは嘘ではないんだろうが……
「いや、私には見えないな……もしかしたらそれも念という物かもそしれないし
後で迎えに来てくれるファストン家の護衛の人に聞いてみるよ?」
ノアさんの兄弟の人だから、当然念能力は覚えてるだろうしな?
(その人も念って力が使えるんだね、すごいなぁ~、ねぇ、兄さんも念って力が使える様になったら、どんな力にしたい?)
「うん、構想はいくつかあるものの、まだ明確には決まってないな……
これから、覚えていく段階で考えていくとするよ?」
私のすぐ側を、何処かの富豪なのか大勢の護衛を引き連れた人物が通りすぎる。
その集団の中心にいるいる分け目の20代後半程の年齢の値の張りそうなスーツを着た金髪の貫禄のある男の持っている携帯から聞き覚えのあるジョシュダさんの声が聞こえて来て私は男の方に視線を向ける。
「……その話は、以前お断りしましたが
お忘れですか?」
「いえいえ、ちゃんと覚えてますよ?
前のオーナーとしては、私が売却した
緋の眼がちゃんと保管されてるのか
気になるんです、特に、子供の黒髪のショートボブの頭部セットの緋の眼がお気に入りでしてね…
まだ死にたくないって、見ていて伝わってくる
あの無念の表情が堪らなく良くてねぇ?
現在の画像だけでもいいので、送っては…」
……あの男の話を聞いていて、段々と腸が煮えくり返ってくる。
外見だけならまともそうな好青年ににも見える人物だが、人の見た目程この世で信用出来ない物はない。
外見等、その時その時でいくらでも取り繕えるからな?
「…失礼させて頂きます。」
ジョシュダさんは我々クルタ族を色々と気遣ってくれる人だ、もうこの男の話を聞きたくなかったんだろう……男が喋り終わる前に電話を切る。
「あ、切れちゃった。
なんだよ?、ファストンの関係者なら、当然緋の眼や、クルタ族の頭部なんて見慣れてるだろうに?
あんな事でなんで切るんだかねぇ?」
貫禄のある男の取り巻きの女が機嫌を取るように、相槌を打つ
「全くですよねぇ、ツェリード二ヒ様」
男達の一団は足早に空港出口へと向かい去って行く
……ツェリード二ヒか……先程の話からして、殺されてしまったパイロ達の頭部や緋の眼の所持者だった男か……覚えておこう
私は立ち止まって連中が見えなくなるまで睨み付けていた。
あの男の話をカインも聞いていたのだろう、私を気遣って気まずそうに声を伝えてくる。
(兄さん……大丈夫?)
「……あぁ、私は平気だよ……」
(僕ね……ずっと思ってた事があるんだ
嫌な思いをさせちゃうけど、言ってもいい?)
「何だ?、言って見ろ」
(兄さんの同族を皆殺しにした盗賊の人達全員を仮にやっつけても……
それって本当に復讐になったのかなって?)
「どうして、そう思った?」
(だって……殺した盗賊の人達も勿論悪いけど、一番悪いのは
さっきの人みたいに、クルタ族の人が死んでも構わないから、緋の眼を欲しがる人でしょ?
だったら、盗賊の人達だけやっつけても……
復讐になんかならないよ?……)
ああ……それはな、何千、何万回も頭の中で今まで繰り返したよカイン?
分かっていたさ……頭の中では間違っているって
でも、どうしようもなかった。
「お前の言う事は正しいよ?
だが、少なくとも、私は、自分の中の怒りの感情に抗えなかったんだ。
いつも正しくはありたいとは思う、でもな
どんなに正しいと分かっていた事でも、時として
どうしても抗えない強い感情に流されてしまうと、それを選べない時があるんだよ?」
(……本当に、もう、復讐はしないの?)
心配そうにカインは確認してくる。
「ああ、本当だ、今まで心配かけたな?
今は、新しく帰る場所が出来て、私の事を待っていてくれる家族や友人達が戻って来たんだ。
復讐等、もういい……私はそんな物より、家族や友人、お前の方が、ずっと大事だから」
既に空港に到着した事はカーヤ家に連絡済なので、空港の入口付近で暫く待っていると
レオリオの奴と、黒い長髪に顔は兄弟だからかノアさんに似た、彼よりも背が高く、筋肉の付いた体格のいいスーツを着たリアムさんという人が、私達の方に真っ直ぐやって来る。
カインを知っているレオリオを連れて来た方が弟も安心するだろうと判断して奴を連れて来てくれたんだろうが……コイツは煩いから話しが面倒臭くなりそうだ。
まぁあれで悪い奴ではないんだがな…
レオリオの奴が意気揚々と私に近づいて尋ねてくる。
「よぉクラピカ、随分沢山土産買って来たなぁ、所でカインの奴はトイレか?
アイツとは久しぶりに会えんなぁ〜」
……当然こうなるよな?、カインが虫や動物に心を移動出来る能力を持っているなんて、誰かに悪用されない為に誰にも言わない様に今まで言い聞かせてきたから、ハンター試験仲間のレオリオやゴンも知っている筈がない。
どう切り出した物か……まぁ、単刀直入に言う以外ないだろうが…
「……落ち着いて、聞いてくれ?、くれぐれも、この公共の場で、騒ぐなよ?、迷惑だからな?
色々、込み入った事情があってな
カインは、もう私の側にいる、この虫カゴに入っているのが今カインなんだ。」
そう首に下げている小さな虫カゴを見て言うと暫くの沈黙の後、レオリオの奴は爆笑しながらおかしそうに喋り出す。
「ギャハハハハ‼‼‼、お前も案外上手い冗談言うんだな?
それ、その辺によくいるダンゴコロコロ虫じゃねーか
チビ達の土産にでもすんのか?、しかしカインの奴おせーなぁ
もしかしてウンコの方か?」
……まぁ、同じ事を言われても、私も信じないだろうが……
(レオリオ~、久しぶり〜?)
「おぅ、カイン久しぶりだな?、ってお前何処にいんだよ?」
カインの声を聞いてレオリオはキョロキョロと周りを見渡す。
(ここにいるよ?〜、兄さんの首から下げてる虫カゴの中〜)
私の首から下げてるストラップの付いた虫かごのプラスチックの容器の中で、カインの精神の入ったダンゴコロコロ虫が丸々とした小さな体で立ち上がってレオリオに向かって手を振っている。
「ふぁ~っっっっ‼‼‼‼‼‼???~~~なんでお前虫になってんだよ?!」
その様を見てレオリオの奴は案の定大声で騒ぐ。
「だから騒ぐなと言っただろうにお前は」
「だってお前、ダチがよ、急に虫になっちまったら誰だって驚くじゃねーかよっ‼︎」
それは分からんでもないが頼むからもう少し静かにしてくれ、周囲からの視線が痛くて堪らん
周りの人々も我々に注目する中、リアムさんが気を効かせてくれる。
「…ここじゃ大勢の人もいるし、その話しの続きは一旦中断して車の中で話そうか?
クラピカ君、荷物を持つよ?」
そう言ってリアムさんはひょいと両手に持っていた荷物を持ってくれるが
「ああ、有難う御座います。
ですが流石に、全部は悪いですよ……」
「構わないよ?、こういう仕事をしているだけあって
鍛えてるからね?」
両手に持っていた荷物をリアムさんに持って貰い、私達一行はリアムさんが乗って来た黒のリムジンに乗り込む。
車に荷物を置いて貰い私達も乗り込むと、隣に座っているレオリオが早速質問してくる。
「で…だ、何でカインは虫になっちまってるんだよ?」
「それが…」
私はカインが以前から人間以外の虫や動物に心を移動させる力を持っているのを説明し、凶狸狐達とカインと人格が交代してカインの体を使っていたアベルがテレビのニュースで見た謎の生物に食べられている状態で、その生物は現在姿を消して行方不明である事を説明した。
……ただ、こんなにもアイツ達が食べられてから時間が経過してしまっていると……嫌でも気がかりになる事がある。
私は頭の中では分かっていても、それから目を背けている。
「……その話しが本当ならよ、こっちに戻って来て良かったのかよ?……」
「彼等の住んでいた場所でポックルとポンズ達と再会してな、アベルを食べた生物について話を聞いたのだが、一度出たきり姿を現さないそうなんだ。
あの生物については探す当てが全くないのだ、ポックルはまだあの場に
留まっているそうだから、彼に金銭を渡して何か分かったら連絡して貰う事になっている。」
リアムさんはすまなさそうな口調で私の懸念していた事を指摘する。
「君を疑いたくはないが、謎の生物とやらに食べられたのなら、君達には悪いが
カイン君はもう生きてないんじゃないのか?
その子が食べられてしまったのは2月16日なんだろう?、今日はもう2月25日だ
少なくとも、消化が遅い段階でも、体は溶かされて原形はもうない筈だ」
…………あぁ、そう……なんだよな…………
普通の生物なら、もうとっくにここにいるカインも死んでいておかしくない
カインは悲しそうに嗚咽した声で私達に伝えてくる。
(僕……もう、死んでるの?、じゃあ、キリコさん達も、アベルも?……僕が助けてってアベルに頼んだから、死んじゃったの?
キリコさん……アベル……っ……)
「カイン、大丈夫だよ?、仮にお前達が死んでいたら
私達の同胞を生き返らせたファストン家の秘薬で助けて貰える筈だ。
だから私は戻って来たんだ、同族の人達とも、早く打ち解けて欲しいしな……」
最も、わざわざ我々の緋の眼や頭部を収集しなければ生き返らせれない様だし、流石に何も無い状態からでは蘇らせる事は無理なんだろう。
カインの抜けた乳歯なら捨てられなくて、記念に持ってたな……体の一部でいいのなら、アレでも十分可能性はある筈だ。
「ねぇ、兄さん、それは、もしキリコさん達も死んでたら、生き返らせて貰えるの?」
流石に凶狸狐達の物は持ってない、カインを大事に預かってくれた恩のある者達だし、出来るなら私だってなんとかしてやりたいが…
「……生き返らせるにも、条件がある様なんだ、彼等が死んでいた場合は、無理だと思う。」
(……っ……っっ)
カインはそれにショックを受けているんだろう。
声を出さない様に泣くのを押さえている。
レオリオがタイミングを見計らい、この話題を逸らそうと別の話題を振ってくる。
「そーいやぁ、お前にそっくりの母ちゃん最近蘇ったんだったなぁ?
何って喋ってるか分かんねーけど
なぁクラピカよぉ、秘薬はお前見たんだろ?、どんな豪華なしろもんだったよ?」
母さんはまだこっちの言葉は話せないし文字も分からないからな
「…口外はするなと言われたから詳しくは言えないが、衝撃的な秘薬だったよ…」
リアムさんは、カインの能力を確認したかったのだろう。
カインに別の生き物に移る様提案してくる。
「カイン君、動物や虫に心を移せるんだってね?
一つやって見せてくれないか?、あそこの電柱のケーブルに鳩がいるだろう?
試しにあの鳩に移ってみてくれないかい?」
(……はい)
リアムさんが車のドアの窓ガラス部分を上げ下げするボタンを押してガラスを全開きにすると
少ししてから電柱ケーブルにいた鳩が私達の方向を確認する様に此方の方を向き
羽音をたてながら車内に入って来て助手席に着地する。
(移ってきました)
「おお〜スッゲー!!!」
リアムさんは何故か難しい表情をして鳩に心を移したカインを見つめている。
「ふむ……」
どうしたんだろうな?、私がそう尋ねようとした時レオリオの馬鹿が悪巧みを思い付いたけしからん顔でカインを呼びつける。
「カッインちゃーん、ちょっとこっちに来てくれよぉ?」
レオリオに手招きされて無防備にカインは奴の傍に羽ばたいて飛んで行ってしまい
「何レオリオ?、わ~‼‼‼‼‼‼」
バンッ‼‼‼‼
レオリオの大馬鹿は鳩に心を移したカインを両手で鷲掴みにすると奴は車を勢いよく閉め、大急ぎで走って何処かへと駆けて行く。
「おいコラ、待て‼‼‼‼‼‼
アイツめ~…すみません、リアムさん
あのばかのバカの馬鹿を追いかけて来ます。」
「クラピカ君、予備の携帯渡しておくよ、何かあったらこの携帯の俺の番号に連絡してくれ」
「分かりました。」
私は携帯を受け取り、レオリオの走って行った方向へと向かい走る。
「いや、私には見えないな……もしかしたらそれも念という物かもそしれないし
後で迎えに来てくれるファストン家の護衛の人に聞いてみるよ?」
ノアさんの兄弟の人だから、当然念能力は覚えてるだろうしな?
(その人も念って力が使えるんだね、すごいなぁ~、ねぇ、兄さんも念って力が使える様になったら、どんな力にしたい?)
「うん、構想はいくつかあるものの、まだ明確には決まってないな……
これから、覚えていく段階で考えていくとするよ?」
私のすぐ側を、何処かの富豪なのか大勢の護衛を引き連れた人物が通りすぎる。
その集団の中心にいるいる分け目の20代後半程の年齢の値の張りそうなスーツを着た金髪の貫禄のある男の持っている携帯から聞き覚えのあるジョシュダさんの声が聞こえて来て私は男の方に視線を向ける。
「……その話は、以前お断りしましたが
お忘れですか?」
「いえいえ、ちゃんと覚えてますよ?
前のオーナーとしては、私が売却した
緋の眼がちゃんと保管されてるのか
気になるんです、特に、子供の黒髪のショートボブの頭部セットの緋の眼がお気に入りでしてね…
まだ死にたくないって、見ていて伝わってくる
あの無念の表情が堪らなく良くてねぇ?
現在の画像だけでもいいので、送っては…」
……あの男の話を聞いていて、段々と腸が煮えくり返ってくる。
外見だけならまともそうな好青年ににも見える人物だが、人の見た目程この世で信用出来ない物はない。
外見等、その時その時でいくらでも取り繕えるからな?
「…失礼させて頂きます。」
ジョシュダさんは我々クルタ族を色々と気遣ってくれる人だ、もうこの男の話を聞きたくなかったんだろう……男が喋り終わる前に電話を切る。
「あ、切れちゃった。
なんだよ?、ファストンの関係者なら、当然緋の眼や、クルタ族の頭部なんて見慣れてるだろうに?
あんな事でなんで切るんだかねぇ?」
貫禄のある男の取り巻きの女が機嫌を取るように、相槌を打つ
「全くですよねぇ、ツェリード二ヒ様」
男達の一団は足早に空港出口へと向かい去って行く
……ツェリード二ヒか……先程の話からして、殺されてしまったパイロ達の頭部や緋の眼の所持者だった男か……覚えておこう
私は立ち止まって連中が見えなくなるまで睨み付けていた。
あの男の話をカインも聞いていたのだろう、私を気遣って気まずそうに声を伝えてくる。
(兄さん……大丈夫?)
「……あぁ、私は平気だよ……」
(僕ね……ずっと思ってた事があるんだ
嫌な思いをさせちゃうけど、言ってもいい?)
「何だ?、言って見ろ」
(兄さんの同族を皆殺しにした盗賊の人達全員を仮にやっつけても……
それって本当に復讐になったのかなって?)
「どうして、そう思った?」
(だって……殺した盗賊の人達も勿論悪いけど、一番悪いのは
さっきの人みたいに、クルタ族の人が死んでも構わないから、緋の眼を欲しがる人でしょ?
だったら、盗賊の人達だけやっつけても……
復讐になんかならないよ?……)
ああ……それはな、何千、何万回も頭の中で今まで繰り返したよカイン?
分かっていたさ……頭の中では間違っているって
でも、どうしようもなかった。
「お前の言う事は正しいよ?
だが、少なくとも、私は、自分の中の怒りの感情に抗えなかったんだ。
いつも正しくはありたいとは思う、でもな
どんなに正しいと分かっていた事でも、時として
どうしても抗えない強い感情に流されてしまうと、それを選べない時があるんだよ?」
(……本当に、もう、復讐はしないの?)
心配そうにカインは確認してくる。
「ああ、本当だ、今まで心配かけたな?
今は、新しく帰る場所が出来て、私の事を待っていてくれる家族や友人達が戻って来たんだ。
復讐等、もういい……私はそんな物より、家族や友人、お前の方が、ずっと大事だから」
既に空港に到着した事はカーヤ家に連絡済なので、空港の入口付近で暫く待っていると
レオリオの奴と、黒い長髪に顔は兄弟だからかノアさんに似た、彼よりも背が高く、筋肉の付いた体格のいいスーツを着たリアムさんという人が、私達の方に真っ直ぐやって来る。
カインを知っているレオリオを連れて来た方が弟も安心するだろうと判断して奴を連れて来てくれたんだろうが……コイツは煩いから話しが面倒臭くなりそうだ。
まぁあれで悪い奴ではないんだがな…
レオリオの奴が意気揚々と私に近づいて尋ねてくる。
「よぉクラピカ、随分沢山土産買って来たなぁ、所でカインの奴はトイレか?
アイツとは久しぶりに会えんなぁ〜」
……当然こうなるよな?、カインが虫や動物に心を移動出来る能力を持っているなんて、誰かに悪用されない為に誰にも言わない様に今まで言い聞かせてきたから、ハンター試験仲間のレオリオやゴンも知っている筈がない。
どう切り出した物か……まぁ、単刀直入に言う以外ないだろうが…
「……落ち着いて、聞いてくれ?、くれぐれも、この公共の場で、騒ぐなよ?、迷惑だからな?
色々、込み入った事情があってな
カインは、もう私の側にいる、この虫カゴに入っているのが今カインなんだ。」
そう首に下げている小さな虫カゴを見て言うと暫くの沈黙の後、レオリオの奴は爆笑しながらおかしそうに喋り出す。
「ギャハハハハ‼‼‼、お前も案外上手い冗談言うんだな?
それ、その辺によくいるダンゴコロコロ虫じゃねーか
チビ達の土産にでもすんのか?、しかしカインの奴おせーなぁ
もしかしてウンコの方か?」
……まぁ、同じ事を言われても、私も信じないだろうが……
(レオリオ~、久しぶり〜?)
「おぅ、カイン久しぶりだな?、ってお前何処にいんだよ?」
カインの声を聞いてレオリオはキョロキョロと周りを見渡す。
(ここにいるよ?〜、兄さんの首から下げてる虫カゴの中〜)
私の首から下げてるストラップの付いた虫かごのプラスチックの容器の中で、カインの精神の入ったダンゴコロコロ虫が丸々とした小さな体で立ち上がってレオリオに向かって手を振っている。
「ふぁ~っっっっ‼‼‼‼‼‼???~~~なんでお前虫になってんだよ?!」
その様を見てレオリオの奴は案の定大声で騒ぐ。
「だから騒ぐなと言っただろうにお前は」
「だってお前、ダチがよ、急に虫になっちまったら誰だって驚くじゃねーかよっ‼︎」
それは分からんでもないが頼むからもう少し静かにしてくれ、周囲からの視線が痛くて堪らん
周りの人々も我々に注目する中、リアムさんが気を効かせてくれる。
「…ここじゃ大勢の人もいるし、その話しの続きは一旦中断して車の中で話そうか?
クラピカ君、荷物を持つよ?」
そう言ってリアムさんはひょいと両手に持っていた荷物を持ってくれるが
「ああ、有難う御座います。
ですが流石に、全部は悪いですよ……」
「構わないよ?、こういう仕事をしているだけあって
鍛えてるからね?」
両手に持っていた荷物をリアムさんに持って貰い、私達一行はリアムさんが乗って来た黒のリムジンに乗り込む。
車に荷物を置いて貰い私達も乗り込むと、隣に座っているレオリオが早速質問してくる。
「で…だ、何でカインは虫になっちまってるんだよ?」
「それが…」
私はカインが以前から人間以外の虫や動物に心を移動させる力を持っているのを説明し、凶狸狐達とカインと人格が交代してカインの体を使っていたアベルがテレビのニュースで見た謎の生物に食べられている状態で、その生物は現在姿を消して行方不明である事を説明した。
……ただ、こんなにもアイツ達が食べられてから時間が経過してしまっていると……嫌でも気がかりになる事がある。
私は頭の中では分かっていても、それから目を背けている。
「……その話しが本当ならよ、こっちに戻って来て良かったのかよ?……」
「彼等の住んでいた場所でポックルとポンズ達と再会してな、アベルを食べた生物について話を聞いたのだが、一度出たきり姿を現さないそうなんだ。
あの生物については探す当てが全くないのだ、ポックルはまだあの場に
留まっているそうだから、彼に金銭を渡して何か分かったら連絡して貰う事になっている。」
リアムさんはすまなさそうな口調で私の懸念していた事を指摘する。
「君を疑いたくはないが、謎の生物とやらに食べられたのなら、君達には悪いが
カイン君はもう生きてないんじゃないのか?
その子が食べられてしまったのは2月16日なんだろう?、今日はもう2月25日だ
少なくとも、消化が遅い段階でも、体は溶かされて原形はもうない筈だ」
…………あぁ、そう……なんだよな…………
普通の生物なら、もうとっくにここにいるカインも死んでいておかしくない
カインは悲しそうに嗚咽した声で私達に伝えてくる。
(僕……もう、死んでるの?、じゃあ、キリコさん達も、アベルも?……僕が助けてってアベルに頼んだから、死んじゃったの?
キリコさん……アベル……っ……)
「カイン、大丈夫だよ?、仮にお前達が死んでいたら
私達の同胞を生き返らせたファストン家の秘薬で助けて貰える筈だ。
だから私は戻って来たんだ、同族の人達とも、早く打ち解けて欲しいしな……」
最も、わざわざ我々の緋の眼や頭部を収集しなければ生き返らせれない様だし、流石に何も無い状態からでは蘇らせる事は無理なんだろう。
カインの抜けた乳歯なら捨てられなくて、記念に持ってたな……体の一部でいいのなら、アレでも十分可能性はある筈だ。
「ねぇ、兄さん、それは、もしキリコさん達も死んでたら、生き返らせて貰えるの?」
流石に凶狸狐達の物は持ってない、カインを大事に預かってくれた恩のある者達だし、出来るなら私だってなんとかしてやりたいが…
「……生き返らせるにも、条件がある様なんだ、彼等が死んでいた場合は、無理だと思う。」
(……っ……っっ)
カインはそれにショックを受けているんだろう。
声を出さない様に泣くのを押さえている。
レオリオがタイミングを見計らい、この話題を逸らそうと別の話題を振ってくる。
「そーいやぁ、お前にそっくりの母ちゃん最近蘇ったんだったなぁ?
何って喋ってるか分かんねーけど
なぁクラピカよぉ、秘薬はお前見たんだろ?、どんな豪華なしろもんだったよ?」
母さんはまだこっちの言葉は話せないし文字も分からないからな
「…口外はするなと言われたから詳しくは言えないが、衝撃的な秘薬だったよ…」
リアムさんは、カインの能力を確認したかったのだろう。
カインに別の生き物に移る様提案してくる。
「カイン君、動物や虫に心を移せるんだってね?
一つやって見せてくれないか?、あそこの電柱のケーブルに鳩がいるだろう?
試しにあの鳩に移ってみてくれないかい?」
(……はい)
リアムさんが車のドアの窓ガラス部分を上げ下げするボタンを押してガラスを全開きにすると
少ししてから電柱ケーブルにいた鳩が私達の方向を確認する様に此方の方を向き
羽音をたてながら車内に入って来て助手席に着地する。
(移ってきました)
「おお〜スッゲー!!!」
リアムさんは何故か難しい表情をして鳩に心を移したカインを見つめている。
「ふむ……」
どうしたんだろうな?、私がそう尋ねようとした時レオリオの馬鹿が悪巧みを思い付いたけしからん顔でカインを呼びつける。
「カッインちゃーん、ちょっとこっちに来てくれよぉ?」
レオリオに手招きされて無防備にカインは奴の傍に羽ばたいて飛んで行ってしまい
「何レオリオ?、わ~‼‼‼‼‼‼」
バンッ‼‼‼‼
レオリオの大馬鹿は鳩に心を移したカインを両手で鷲掴みにすると奴は車を勢いよく閉め、大急ぎで走って何処かへと駆けて行く。
「おいコラ、待て‼‼‼‼‼‼
アイツめ~…すみません、リアムさん
あのばかのバカの馬鹿を追いかけて来ます。」
「クラピカ君、予備の携帯渡しておくよ、何かあったらこの携帯の俺の番号に連絡してくれ」
「分かりました。」
私は携帯を受け取り、レオリオの走って行った方向へと向かい走る。