2つの糸 第7章
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「あぁ、そうそう、護衛のリーダーのゲンスルーさんから話聞いたんだけど
この国で悪さしているテロリストの連中ボマーって言うんだってさ?
グリードアイランドって言う、念能力を使うゲーム内でも
そいつら悪さしてたらしいんだよ?
でも、お嬢がバッテラさんの奥さんの病気治しちゃった後
そいつらいなくなっちゃったんだってさ?」
ほーん、バッテラさんは奥さんの病気を治す為に、グリードアイランドに存在するある物を求めてたそうなんだけどさ
プロのハンター達や、念能力を使える手練れの人達を何人も雇っても、中々その欲しい物と、それを現実世界に持ち帰る為の条件であるゲームクリアが出来なかった。
あの人ももう年だし、恋人の状態も常に宜しくない状態だからさ、凄い焦ってたみたいで
死者や難病を治すうちの話を探し当てて交渉してきたのよ?
「そのボマーというテロリスト達も
バッテラ氏に雇われていた者達で間違いないでしょうね?
お嬢様が彼の奥様を治した結果
バッテラ氏から貰える報酬は一部の貢献者を覗き
ほぼ無報酬だと聞きました。
何も貰えないのならゲームに留まる意味もないでしょうし」
「他の護衛のゴレイヌさんからもそいつ等の話聞いたんだけどさ
ゲームに参加してたプレイヤーの頭とか、腹とかの体の一部を爆発させて現実の人間を殺す、プレイヤーキル行為をする連中らしいのよ?」
……この国で暴れてるテロリストの話と若干違うなぁ
ボマーは、恐らく対象の人だけ殺す事を目的とした能力な訳で……
鉄道爆破のテロをやった奴は、実際に多くの人や電車を強力な力で爆破させる周囲を巻き込むはた迷惑な自爆系の能力なのよ
シャツィ王子の怪我なんかも酷かったかんね……
似た能力者同士がテロ行為に加担してんのか~
「それよか、ジョシュダはもう食事はしたの?
なんかさ〜、きなくさい臭いがするから今の内にとっといた方がいいよ?」
ノアに聞かれてジョシュダは気まずそうにアタシを見て答える。
「……いや、まだだけど……」
アタシもジョシュダを見て許可する。
「飲むんだったらアタシの隣に座りなっスよ?
アンタすぐ具合悪くなっちゃうじゃん?」
ジョシュダの奴は頭を一度律儀に下げて、アタシの座っているベッドの隣に座ると注射器を取り出してアタシの左手の長いヒラヒラした袖を捲って注射器で血を取る。
「いつもみたいにガブリッて噛んで飲めばいいじゃんっスよ?
注射器とか用意すんの面倒くないっスか?」
「怪我人の貴女を噛める訳ないでしょう?
それに、いつも言ってるではないですか
噛んで吸血するなんて不衛生だし、時代錯誤も甚だしいんです。
今の時代は皆さん噛んでなんか吸血はしません。
輸血パックを購入して飲んでるんです」
そう少し不快そうな顔をしつつ
取ったアタシの血液を小型のコップに入れ血を飲んでいる。
その隙にアタシはベッドからヒョイと下りた。
アタシの血を飲み終えてジョシュダは顔を色っぽく染めて具合が悪そうに言う。
「血酔い、してきたみたいです。」
「おっし、ねなねなっスよ?
今ならノアッチもいるから安心っしょ?」
ジョシュダが持っていたコップと注射機を受け取って、それをノアに渡す。
「すみません、失礼します」
ジョシュダは申し訳なさそうにアタシが寝ていたベッドに入って眠りに落ちて行く。
アタシが誘拐された件で相当責任感じたみたいで、自分から罰して欲しいってじいちゃんに直訴しに行く位落ち込んじゃっててさ(じいちゃんもジョシュダの事情を知ってるから罰は与えなかった)だからノアが来るまでは食事は断固として取ろうとしなかったのよ
……まぁ、分かってたとは思うけどさ、ジョシュダの奴は、吸血鬼なのよ?
血を吸血したら、吸血鬼って種族は元気になるイメージがあるけどさ
人間のそれぞれ流れてるオーラの量の多い人の血程、アルコールの度数の高いもんを飲んで、酔っ払い状態になっちまうそうなのよ?
アタシの血はかなり度数が高いもんみたいで、毎回ジョシュダの奴こうなっちゃうの
その分念能力を使う力も回復するの早いらしいけど
食事取る度に酔っぱらい状態になるなんて難儀なもんだよねぇ、他の人の血を飲んだら?って
聞いてみた事あるけどさ、血の味も人それぞれ性格や健康状態によって違うそうで、あんましヤバイ性格の人の血は、メシマズもんなんだと?、だから今は直接噛んで吸血なんぞ運試しみたいなもんだからやりたくないんだって
コヤツにアタシの血どんな味すんのって1回聞いてみたら
「いい意味で、刺激的な味ですよ?」
なんだと?、まぁアタシはお色気ムンムンの色気たっぷりのセキシーな女だからねぇ?、その味で納得だわ、間違いない。
「そういやビスケちゃんからジョシュダ宛に手紙貰ってたんだ
確認するの忘れてた。」
そう言いつついかにも女の子っぽい可愛いピンク色の可愛い柄の手紙をノアの奴は取り出し丁寧に手紙の封をしている可愛いらしいシールを勝手に外してノアは読んでいる。
その様を見てアタシはジョシュダに心底同情する。
「あ~ぁ、やんごとなき生まれっつーのも
大変っスねぇ
自分に渡された手紙も誰かにいちいち検閲されて
プライベートってもんがないんスから」
ノアの奴は手紙を読みつつ困った表情で呟く
「それが他の人より良い生活が出来る代償なんだろうね?
お嬢が死んだら、オレ等が仕えてるご主人様の人形としてしか生きていく道しかないんだよ坊ちゃんは?、オレの死んだその後もずっとね……」
吸血鬼って奴は基本的には不死だからなぁ、お金持ちなんかが良く不老不死になりたいとか言うけど、実際に不死になっちまったジョシュダの奴は心底自分自身を怖がってんのよ
「こんな体になるより、人として死にたかった。」
って泣きながら何度も言ってた。
ジョシュダは元は人間でさ、それが、色々あっていきなり吸血鬼になっちまった時にアタシと出会ってね…
自分が吸血鬼なのをスッゲー嫌がってたし、あの問題のアイツのおとっつぁんがよ、吸血鬼としての知識をなんも教えないで自分好みにだけ育ててたもんだから、種族が変わってすごい混乱しててさ……大変だったわ
今はどうにもならないって諦めがついたみたいだけどね……
助けてあげられるもんならあげたかったけど
アタシの能力じゃ別の者になっちまった奴は戻してあげる事は出来ないんだよ
そんでノアの奴はジョシュダの家の家臣の一族でさ、同い年だから話し易いだろうって、小さな頃からジョシュダに仕えてたそうなの。
コイツも特殊な一族でね、一族が一夫多妻制で兄弟がスゲーいるんだわ
その兄弟のうち10人程がうちで働いてんのよ……勿論
ノア含めてジョシュダのお目付け役とか監視係としてね……
「へー、これ面白そう、最近流行りの恋のおまじないだって?」
ビスケって子の手紙を読んでノアが興味深々で呟いとる…
そういやジョシュダが嫌がってたから、あの子
見た目通りの中身も可愛い女の子って訳じゃないんだろうな
とゆーのもさ、吸血鬼は自分が性的対象として誰に見られてるのか直感的に分かっちまうもんなんだってさ?
可哀想になぁ、やたらめったら外見いいだけにアイツにとっちゃ外出するだけで外はホラーなんだろうね、なんせほら、女性恐怖症じゃん?
「ノア、恋愛事に興味なんかあったんスか?」
「うん、あるよ〜、今は無理だけどいつかは恋愛から結婚して、子供は3人まで欲しいなぁ〜」
「……それ、3人の人と恋愛して1人ずつと子供作るんっスか?」
アンタの一族、一夫多妻制だもんねぇ
「いやいや、1人の奥さんとですよ?
多妻制ってそういう制度じゃない男の人達は羨ましがるけどさ、実際は大変なんだよ?
それぞれの記念日を忘れよう物なら奥さん達が結託して袋叩きにしてくるからね?
結婚してるそれぞれの親への挨拶や年間行事もした数程増えるし
オレはそういうの沢山覚えるの苦手だから1人でいいや?」
まぁ結婚って奴はさ、好きな人と一緒になるだけじゃなくて
結婚した人の家族の一員にもなるって事だもんねぇ?
アタシみたいに身内に問題のある人がいたらいくら好きでもくれぐれもやめといた方がいいよ?(親族と絶縁なんか殆どの場合簡単に出来るもんじゃないし)
タイラーおじさんやミアおばさんみたいな人が親族の集まりにいたら、冗談抜きで何されるか分かんないからね?
「所でその手紙の内容どんなのよ?」
「ん〜、かいつまむと、坊ちゃんへのアプローチとこの仕事が終わったらファストン家に自分を紹介してくんないっつー仕事の売り込みと~
後一緒にやりませんかっ〜て恋のおまじないね?」
お~お〜ビスケちゃん、うちに仕事の紹介求めるなんて新人なのにちゃっかりしてんじゃん?
「おまじないってどんなのよ?、花占いとかっスか?」
ノアは一枚のメモ用紙を取りだす。
メモ用紙には紙一面に大きな丸が書いてあり、その中にあの子の名前が書かれていた。
「丸の中に、ペンで自分の名前と結ばれたい相手の名前を書いてこう言うんだって、私の運命を託します、この人と縁を結んで下さいって」
「へ〜面白そうっスね、ノアノアの
名前書いてやってみれば?」
「いやぁ〜……流石にあの子みたいな小さい子は恋愛対象外だしねぇ〜?」
「ノアッチそれ貸してよ?、後ペンあるっスか?」
「あるけどお嬢が名前書くの?」
ノアからビスケちゃんのメモ用紙とボールペンを受け取りアタシは他の人の名前もついでに書いていく
じいちゃんにパイロ、フラヴィアについでにノアの名前とクルタ族の元長老の名前と
どうせならジョシュダのおとっつぁんの名前も書いとくか…
最後にアタシの名前を書いて…っと
「ちょっとお嬢、どんだけ縁結ぶつもりなのよアンタ
うちのご主人様の名前とオレまで書いて?
アンタこんなに愛せんの?
ビスケちゃんとは今日会ったばっかじゃんよ?」
「大丈夫っスよ、アタシの愛は海よりも深いんスよ?
じいちゃんは家族だし愛せる。
ビスケたんだって今この時は愛せる、元長老の最近たるんできたお腹だってなんか今ならたぷたぷ触りたいレベルで愛おしく思う。
ジョシュダのおとっつぁんだって、うん、あれだ、まぁなんか愛せるっぽい?
フラヴィアもパイロも可愛いし愛せる。
ノアノアとアタシは阿吽の呼吸だから言わずもがなっスよ?
エミリーおばさんの真実の愛を超えて
お前達6人との愛を未知の彼方の愛にまで昇華させるんスよ」
ノアはおかしそうに笑いながらアタシからメモ用紙を奪いやがる。
「ハハハハハはっダ〜メ、これは流石に没収だって?、冗談でもうちのご主人様の名前使わないでよ?」
「んだよぉ〜、ノアノアが振ってきた話しじゃんっスかよ〜」
アタシが文句を言うとノアはメモ用紙を取り出してアタシに差し出して来る。
「そうだけどさぁ〜、流石に人数多すぎるっしょ?
もう少し絞りなよ?、後オレはなしね?
お嬢の事は人としては好きだけど、恋愛対象としては見れないよ?
見た目もあってか今の素の時は年下の子にしか見れないし」
仕方のないやっちゃ、書き直すか…ノアに渡されたメモ用紙一面に丸を書いて、アタシの名前を書く
「……だよね?、おめぇがアタシを恋愛対象として見ちまったら
ロリコン確定っスからね?」
で、縁を結ぶ相手は……ジョシュダと最近来たクラピカ君でいっか
ジョシュダの奴とは恋愛感情はないけど愛情はあるからそーゆ意味ではアタシ等相思相愛なんよ?
クラピカ君は……まぁ真面目そうな子だし、からかいがいがありそうだし愛せる愛せる?
今この時限定で、アタシは2人を愛してる、取り合えずおばさんの真実の愛よりはこの時限定で2人を誠実に愛そう。
名前を書き込んだメモを見てノアの奴は又ケチを付けて来る。
「お嬢、なんで又2人も名前書いちゃうのよ?
まぁ坊ちゃんの方は本名じゃないからいいけどさ」
「わーったっスよ、新しいメモ用紙頂戴っスよ
今度はお前の兄ちゃん姉ちゃん達全員と縁を結ぶっスから」
「駄目だって、兄ちゃん姉ちゃん結婚してたり子供いる人もいるんだよ?
女の人は多重婚出来ないんだってうちの一族」
たかが遊びなのに細かいやっちゃ……もうこれでいいや
アタシは面倒くさくなり例のおまじないの言葉を声に出して言う。
「アタシの運命を託しま~すっス、この人達と縁を結んで下さ~いっスよ~」
「あっ、もうお嬢、せめて1人に絞りなよぉ~」
どうせただのよくあるおまじない程度にしか思っていなかったが、数秒してアタシ等が宿泊している部屋中一面を赤黒い邪悪なオーラが漂い出す。
……マジか、このオーラ、人間のものじゃなくて、吸血鬼のオーラだわ……
この国で悪さしているテロリストの連中ボマーって言うんだってさ?
グリードアイランドって言う、念能力を使うゲーム内でも
そいつら悪さしてたらしいんだよ?
でも、お嬢がバッテラさんの奥さんの病気治しちゃった後
そいつらいなくなっちゃったんだってさ?」
ほーん、バッテラさんは奥さんの病気を治す為に、グリードアイランドに存在するある物を求めてたそうなんだけどさ
プロのハンター達や、念能力を使える手練れの人達を何人も雇っても、中々その欲しい物と、それを現実世界に持ち帰る為の条件であるゲームクリアが出来なかった。
あの人ももう年だし、恋人の状態も常に宜しくない状態だからさ、凄い焦ってたみたいで
死者や難病を治すうちの話を探し当てて交渉してきたのよ?
「そのボマーというテロリスト達も
バッテラ氏に雇われていた者達で間違いないでしょうね?
お嬢様が彼の奥様を治した結果
バッテラ氏から貰える報酬は一部の貢献者を覗き
ほぼ無報酬だと聞きました。
何も貰えないのならゲームに留まる意味もないでしょうし」
「他の護衛のゴレイヌさんからもそいつ等の話聞いたんだけどさ
ゲームに参加してたプレイヤーの頭とか、腹とかの体の一部を爆発させて現実の人間を殺す、プレイヤーキル行為をする連中らしいのよ?」
……この国で暴れてるテロリストの話と若干違うなぁ
ボマーは、恐らく対象の人だけ殺す事を目的とした能力な訳で……
鉄道爆破のテロをやった奴は、実際に多くの人や電車を強力な力で爆破させる周囲を巻き込むはた迷惑な自爆系の能力なのよ
シャツィ王子の怪我なんかも酷かったかんね……
似た能力者同士がテロ行為に加担してんのか~
「それよか、ジョシュダはもう食事はしたの?
なんかさ〜、きなくさい臭いがするから今の内にとっといた方がいいよ?」
ノアに聞かれてジョシュダは気まずそうにアタシを見て答える。
「……いや、まだだけど……」
アタシもジョシュダを見て許可する。
「飲むんだったらアタシの隣に座りなっスよ?
アンタすぐ具合悪くなっちゃうじゃん?」
ジョシュダの奴は頭を一度律儀に下げて、アタシの座っているベッドの隣に座ると注射器を取り出してアタシの左手の長いヒラヒラした袖を捲って注射器で血を取る。
「いつもみたいにガブリッて噛んで飲めばいいじゃんっスよ?
注射器とか用意すんの面倒くないっスか?」
「怪我人の貴女を噛める訳ないでしょう?
それに、いつも言ってるではないですか
噛んで吸血するなんて不衛生だし、時代錯誤も甚だしいんです。
今の時代は皆さん噛んでなんか吸血はしません。
輸血パックを購入して飲んでるんです」
そう少し不快そうな顔をしつつ
取ったアタシの血液を小型のコップに入れ血を飲んでいる。
その隙にアタシはベッドからヒョイと下りた。
アタシの血を飲み終えてジョシュダは顔を色っぽく染めて具合が悪そうに言う。
「血酔い、してきたみたいです。」
「おっし、ねなねなっスよ?
今ならノアッチもいるから安心っしょ?」
ジョシュダが持っていたコップと注射機を受け取って、それをノアに渡す。
「すみません、失礼します」
ジョシュダは申し訳なさそうにアタシが寝ていたベッドに入って眠りに落ちて行く。
アタシが誘拐された件で相当責任感じたみたいで、自分から罰して欲しいってじいちゃんに直訴しに行く位落ち込んじゃっててさ(じいちゃんもジョシュダの事情を知ってるから罰は与えなかった)だからノアが来るまでは食事は断固として取ろうとしなかったのよ
……まぁ、分かってたとは思うけどさ、ジョシュダの奴は、吸血鬼なのよ?
血を吸血したら、吸血鬼って種族は元気になるイメージがあるけどさ
人間のそれぞれ流れてるオーラの量の多い人の血程、アルコールの度数の高いもんを飲んで、酔っ払い状態になっちまうそうなのよ?
アタシの血はかなり度数が高いもんみたいで、毎回ジョシュダの奴こうなっちゃうの
その分念能力を使う力も回復するの早いらしいけど
食事取る度に酔っぱらい状態になるなんて難儀なもんだよねぇ、他の人の血を飲んだら?って
聞いてみた事あるけどさ、血の味も人それぞれ性格や健康状態によって違うそうで、あんましヤバイ性格の人の血は、メシマズもんなんだと?、だから今は直接噛んで吸血なんぞ運試しみたいなもんだからやりたくないんだって
コヤツにアタシの血どんな味すんのって1回聞いてみたら
「いい意味で、刺激的な味ですよ?」
なんだと?、まぁアタシはお色気ムンムンの色気たっぷりのセキシーな女だからねぇ?、その味で納得だわ、間違いない。
「そういやビスケちゃんからジョシュダ宛に手紙貰ってたんだ
確認するの忘れてた。」
そう言いつついかにも女の子っぽい可愛いピンク色の可愛い柄の手紙をノアの奴は取り出し丁寧に手紙の封をしている可愛いらしいシールを勝手に外してノアは読んでいる。
その様を見てアタシはジョシュダに心底同情する。
「あ~ぁ、やんごとなき生まれっつーのも
大変っスねぇ
自分に渡された手紙も誰かにいちいち検閲されて
プライベートってもんがないんスから」
ノアの奴は手紙を読みつつ困った表情で呟く
「それが他の人より良い生活が出来る代償なんだろうね?
お嬢が死んだら、オレ等が仕えてるご主人様の人形としてしか生きていく道しかないんだよ坊ちゃんは?、オレの死んだその後もずっとね……」
吸血鬼って奴は基本的には不死だからなぁ、お金持ちなんかが良く不老不死になりたいとか言うけど、実際に不死になっちまったジョシュダの奴は心底自分自身を怖がってんのよ
「こんな体になるより、人として死にたかった。」
って泣きながら何度も言ってた。
ジョシュダは元は人間でさ、それが、色々あっていきなり吸血鬼になっちまった時にアタシと出会ってね…
自分が吸血鬼なのをスッゲー嫌がってたし、あの問題のアイツのおとっつぁんがよ、吸血鬼としての知識をなんも教えないで自分好みにだけ育ててたもんだから、種族が変わってすごい混乱しててさ……大変だったわ
今はどうにもならないって諦めがついたみたいだけどね……
助けてあげられるもんならあげたかったけど
アタシの能力じゃ別の者になっちまった奴は戻してあげる事は出来ないんだよ
そんでノアの奴はジョシュダの家の家臣の一族でさ、同い年だから話し易いだろうって、小さな頃からジョシュダに仕えてたそうなの。
コイツも特殊な一族でね、一族が一夫多妻制で兄弟がスゲーいるんだわ
その兄弟のうち10人程がうちで働いてんのよ……勿論
ノア含めてジョシュダのお目付け役とか監視係としてね……
「へー、これ面白そう、最近流行りの恋のおまじないだって?」
ビスケって子の手紙を読んでノアが興味深々で呟いとる…
そういやジョシュダが嫌がってたから、あの子
見た目通りの中身も可愛い女の子って訳じゃないんだろうな
とゆーのもさ、吸血鬼は自分が性的対象として誰に見られてるのか直感的に分かっちまうもんなんだってさ?
可哀想になぁ、やたらめったら外見いいだけにアイツにとっちゃ外出するだけで外はホラーなんだろうね、なんせほら、女性恐怖症じゃん?
「ノア、恋愛事に興味なんかあったんスか?」
「うん、あるよ〜、今は無理だけどいつかは恋愛から結婚して、子供は3人まで欲しいなぁ〜」
「……それ、3人の人と恋愛して1人ずつと子供作るんっスか?」
アンタの一族、一夫多妻制だもんねぇ
「いやいや、1人の奥さんとですよ?
多妻制ってそういう制度じゃない男の人達は羨ましがるけどさ、実際は大変なんだよ?
それぞれの記念日を忘れよう物なら奥さん達が結託して袋叩きにしてくるからね?
結婚してるそれぞれの親への挨拶や年間行事もした数程増えるし
オレはそういうの沢山覚えるの苦手だから1人でいいや?」
まぁ結婚って奴はさ、好きな人と一緒になるだけじゃなくて
結婚した人の家族の一員にもなるって事だもんねぇ?
アタシみたいに身内に問題のある人がいたらいくら好きでもくれぐれもやめといた方がいいよ?(親族と絶縁なんか殆どの場合簡単に出来るもんじゃないし)
タイラーおじさんやミアおばさんみたいな人が親族の集まりにいたら、冗談抜きで何されるか分かんないからね?
「所でその手紙の内容どんなのよ?」
「ん〜、かいつまむと、坊ちゃんへのアプローチとこの仕事が終わったらファストン家に自分を紹介してくんないっつー仕事の売り込みと~
後一緒にやりませんかっ〜て恋のおまじないね?」
お~お〜ビスケちゃん、うちに仕事の紹介求めるなんて新人なのにちゃっかりしてんじゃん?
「おまじないってどんなのよ?、花占いとかっスか?」
ノアは一枚のメモ用紙を取りだす。
メモ用紙には紙一面に大きな丸が書いてあり、その中にあの子の名前が書かれていた。
「丸の中に、ペンで自分の名前と結ばれたい相手の名前を書いてこう言うんだって、私の運命を託します、この人と縁を結んで下さいって」
「へ〜面白そうっスね、ノアノアの
名前書いてやってみれば?」
「いやぁ〜……流石にあの子みたいな小さい子は恋愛対象外だしねぇ〜?」
「ノアッチそれ貸してよ?、後ペンあるっスか?」
「あるけどお嬢が名前書くの?」
ノアからビスケちゃんのメモ用紙とボールペンを受け取りアタシは他の人の名前もついでに書いていく
じいちゃんにパイロ、フラヴィアについでにノアの名前とクルタ族の元長老の名前と
どうせならジョシュダのおとっつぁんの名前も書いとくか…
最後にアタシの名前を書いて…っと
「ちょっとお嬢、どんだけ縁結ぶつもりなのよアンタ
うちのご主人様の名前とオレまで書いて?
アンタこんなに愛せんの?
ビスケちゃんとは今日会ったばっかじゃんよ?」
「大丈夫っスよ、アタシの愛は海よりも深いんスよ?
じいちゃんは家族だし愛せる。
ビスケたんだって今この時は愛せる、元長老の最近たるんできたお腹だってなんか今ならたぷたぷ触りたいレベルで愛おしく思う。
ジョシュダのおとっつぁんだって、うん、あれだ、まぁなんか愛せるっぽい?
フラヴィアもパイロも可愛いし愛せる。
ノアノアとアタシは阿吽の呼吸だから言わずもがなっスよ?
エミリーおばさんの真実の愛を超えて
お前達6人との愛を未知の彼方の愛にまで昇華させるんスよ」
ノアはおかしそうに笑いながらアタシからメモ用紙を奪いやがる。
「ハハハハハはっダ〜メ、これは流石に没収だって?、冗談でもうちのご主人様の名前使わないでよ?」
「んだよぉ〜、ノアノアが振ってきた話しじゃんっスかよ〜」
アタシが文句を言うとノアはメモ用紙を取り出してアタシに差し出して来る。
「そうだけどさぁ〜、流石に人数多すぎるっしょ?
もう少し絞りなよ?、後オレはなしね?
お嬢の事は人としては好きだけど、恋愛対象としては見れないよ?
見た目もあってか今の素の時は年下の子にしか見れないし」
仕方のないやっちゃ、書き直すか…ノアに渡されたメモ用紙一面に丸を書いて、アタシの名前を書く
「……だよね?、おめぇがアタシを恋愛対象として見ちまったら
ロリコン確定っスからね?」
で、縁を結ぶ相手は……ジョシュダと最近来たクラピカ君でいっか
ジョシュダの奴とは恋愛感情はないけど愛情はあるからそーゆ意味ではアタシ等相思相愛なんよ?
クラピカ君は……まぁ真面目そうな子だし、からかいがいがありそうだし愛せる愛せる?
今この時限定で、アタシは2人を愛してる、取り合えずおばさんの真実の愛よりはこの時限定で2人を誠実に愛そう。
名前を書き込んだメモを見てノアの奴は又ケチを付けて来る。
「お嬢、なんで又2人も名前書いちゃうのよ?
まぁ坊ちゃんの方は本名じゃないからいいけどさ」
「わーったっスよ、新しいメモ用紙頂戴っスよ
今度はお前の兄ちゃん姉ちゃん達全員と縁を結ぶっスから」
「駄目だって、兄ちゃん姉ちゃん結婚してたり子供いる人もいるんだよ?
女の人は多重婚出来ないんだってうちの一族」
たかが遊びなのに細かいやっちゃ……もうこれでいいや
アタシは面倒くさくなり例のおまじないの言葉を声に出して言う。
「アタシの運命を託しま~すっス、この人達と縁を結んで下さ~いっスよ~」
「あっ、もうお嬢、せめて1人に絞りなよぉ~」
どうせただのよくあるおまじない程度にしか思っていなかったが、数秒してアタシ等が宿泊している部屋中一面を赤黒い邪悪なオーラが漂い出す。
……マジか、このオーラ、人間のものじゃなくて、吸血鬼のオーラだわ……