八咫烏 第5話
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「しかしあんな物騒な契約書に、良くサイン等出来た物だな?
私ならばいくら簡単に念能力が覚えられると言われても、リスクが大き過ぎて他を当たるぞ?」
私が尋ねるとポンズは愚痴を言う様にヒステリックに喋る。
「最初は何も書いてなかったただの紙だったのよ?
そこにサインと血判を押すだけでいいからって
クラレンスってゆう、顔とスタイルがめちゃくちゃ綺麗で美人てゆーか?、麗人?、の女に書かされた後
紙に文字が浮かび上がって来て、そんな鬼畜な
契約をあの女の能力で結ぶ事になっちゃったのよっ‼‼‼‼」
あの紙があれだけ頑丈なのは、クラレンスという女性の能力のせいなのか……
「……では、本当に、今年中に100億支払えなければ、君達は命で償う事になるのか?」
ポックルは絶望した表情で震えながら答える。
「多分……そうだろうなぁ~
なぁ、クラピカ、臓器とかって、いくら位で売れるんだっけ?
1億とか、いけるかなぁ?」
「……そういう相場は詳しくはないが
やはり健康状態で値段は変わってくるだろうな?
例えば喫煙者の肺は仮に売ったとしても、50万ジェニーもしないと耳にした事はある。
だが、本当に売るつもりがあるのなら、国によって
値段は違うから、リサーチは必要だろうな?
臓器の中でも肝臓と肺が一番高いらしいぞ?、高くて3000万ジェニー程で売れるそうだ。」
「3000万……そうかよぉ~」
ポックルは力なく肩を落としてガックリとしている。
そこに、1枚の封筒をくわえたカインの精神の入った3つの足を持つ鴉がポックルの肩に止まり、封筒を差し出す様に嘴にくわえている。
それに気が付いたポックルは姿勢を戻してカインをジッと見つめて様子を確認する様に見つめて言う。
「ん?……お前、どうした?
これ、オレにくれるのか?」
そう言ってポックルはカインから封筒を受け取ると中身を確認する。
「おお、ラッキー♪、3000ジェニー入ってる、有難うな?」
そう言ってポックルはカインの頭を軽く撫でて何かに気が付く。
「つーかコイツ、ヤタガラスじゃんっ‼‼、人前に出て来るなんて珍しいな?、動画を投稿したら再生数出るかな?」
携帯を取り出し、私の映る範囲まで無神経にポックルは映そうとしたので文句を言う。
「おい、私まで撮影しないでくれ?、肖像権の侵害だぞ?」
「分かった分かったって、じゃあお前の映んない所で撮るからよっ」
ポックルは私の傍から少し離れて
肩に乗ったカインを撮影して意気揚々と語り出す。
「あの黒アメーバの出現した付近の森で、なんと、ヤタガラスを発見しました。
ヤタガラスは、ジャポンの神話にも出て来る
神聖な鳥で、警戒心がとても高く、普段は人前に出て来る事は滅多にありません。
しかも、こうして触れても怖がらないみたいですね?
これは、誰かが餌ずけしたのかなぁ?
皆さん、野生動物への餌やりは絶対に止めましょう、それはあげる人間のただのエゴでしかありません。
彼らが餌を探す習慣を、我々が潰しかねない事に繋がるんです。」
そう言ってポックルは撮影を止める。
「ポックル、私にもその子写させてよ?
skybird に投稿するから?」
skybird とは、100文字以内での文章や画像、動画等を無料で世界中に発信出来るサービスの事だったな。
私も一応登録だけはしていたが、あんまり使った事がない……
ポンズもカインの精神が入ったヤタガラスをパシャパシャと撮影し
ようやくポンズの撮影が終わると、カインは私の肩に飛んで乗って来た。
「ただの奇形種だと思っていたのだが、正式名称がコイツにもあったのだな?」
「ああ、ジャポンでこの鴉は、導きの鳥って言われててな?
困っている時に出会ったら、道を示してくれるって言う、縁起の良い幸運の鴉なんだぜ?
鴉ってのは、ゴミを荒らしたりしてイメージは悪いのが多いけどな?」
「動物、幻獣ハンターを目指すだけあって好きなんだな?」
私がそう尋ねると、ポックルは羨ましい程の満面の笑みを浮かべて言う。
「ああ、オレは森に住む狩人の家系でさ、昔から動物や自然に囲まれて育って来たんだ。
動物の種類や、罠の仕掛けなんかも小さな頃から親父に教わってきたし
だからもっと、色んな生き物や幻獣を見たくて
ハンター試験を受けたんだよ?」
ポンズの携帯から通知音が大量に鳴り出し興奮した様子でポンズは叫ぶ。
「やだ~、凄い、私の投稿めちゃくちゃバズってる~‼‼‼‼」
何だ?、バズるって?
「何だと?、よし、オレもvisionary に動画投稿してみよっと」
そう言って携帯を弄っているポックルに尋ねる。
「なぁポックル、バズるってどういう意味だ?」
ポックルは察した表情で私を見て言ってくる。
「クラピカ、お前、流行りとか疎いタイプだろ?
最低限は最近の言葉位、電脳ページでチェックした方がいいぜ?
バズるってのは、多くの人から注目を集めるって意味だよ?」
ぐっ……レオリオ以外に言われてしまうとは、結構なショックだ……これは、私も本格的に、最近の流行りとやらをチェックした方がいいな……
「あの黒アメーバみたいな生物は、お前がテレビに出演していた時に流された動画以外で、この辺に出現した事はあったか?」
「いや、あれ以外ではオレも知らないな?、他に撮影された動画なんかも見当たらないし」
「なぁポックル、最近携帯を破損させてしまってな、悪いんだが、君の連絡先とホームコードを又教えてくれないか?」
「いいぜ?」
ポックルはメモ帳を取り出しすぐに電話番号とホームコードの番号をメモした紙を渡してくれる。
「暫く、君達はここにいるのか?」
「ああ、あの黒アメーバの事もあるし、この山に今人が沢山来てるだろ?、山の生き物の生態系が崩されかねないからよ
この騒ぎが落ち着くまではいるつもりだ」
「携帯を買い替えたらすぐに連絡するから
黒アメーバの件で何か新しい情報が入ったら連絡をくれないか?、勿論、いくらかの報酬は払う」
「ああ、そう言う事ならすぐに連絡するよ?」
ポックルの携帯からも、通知音が大量になり出す。
「おおおお~スッゲ~一気に1万再生いっちまったよ~」
そして、ポックルとポンズは、じりじりと私に近づいて来て、携帯を2人共カインの精神が入ったヤタガラスに向けて血走った目で向けて来る。
「ヤタガラスちゃ~ん?、もっとこっちに向いて~?」
「先にオレの方向いてごら~ん?」
(どうしよう兄さん、あの人達何だか目が怖いよ?
このままでいいのかなぁ?)
カインは不安そうに私だけにそう伝えて来たので私は小声でカインに喋る。
「今すぐ、近くにいる虫か動物に移れ」
「カア~、カアアアア~~~~」
私の肩に乗っていたヤタガラスという鴉は、バサバサと翼をはためかせて夕暮れの空目掛けて羽ばたいて行く。
「ああ‼‼‼‼、待て~‼‼‼‼、オレの広告収入ちゃ~ん‼‼‼‼」
「ちょっとポックル、待ってよ~」
あの2人はヤタガラスを追いかけて行って走って行ってしまった。
足元からカインの声が響く。
(兄さん、移ったよ?、僕今、足元にいるよ?)
私の足元近くに、ダンゴコロコロ虫という、全長15mm程の小さな世界各地に分布している触角のある、甲殻類の、何か衝撃を受けたり、防御する時に体を丸める習性を持った丸くて青い虫がいた。
私はその虫を摘まみ上げて尋ねる。
「その虫に移ったんだなカイン?」
私の手の上で立ち上がってカインは声を伝えて来る。
(うん)
「さっきの3000ジェニーはどうしたんだ?」
(キリコさん達から、初めて貰った僕のおこずかいだよ?
あの人達、お金が必要だったみたいだから
使って欲しくて持って来たんだ。)
そうか……お前の貰った金だから何に使おうと自由だろうが、相変わらず優しいな?
「なぁ、カイン、あの生物が、まだ見つからなくて
お前もすごく不安だろうが、一端、私と一緒にグラドナという国に行こう?
そこに、信じられないかもしれないが、私の
家族や、友達、それに、里の人達が生き返って、保護して貰っている場所があるんだ。」
カインはコクリと頷いて伝えて来る。
(ううん、僕は兄さんを信じるよ?、だって、あなたは、そんな嘘なんかつく人じゃないもの……
それにね、ハンター試験を受ける時の兄さんは
いつも思い詰めた顔をしてたけど、今はスッキリしてる顔をしてる。
大切な人達が戻って来てくれて、本当に良かったね兄さん?)
素直に私を信じて、喜んでくれるその言葉に私は胸が詰まる思いになる。
……カインは口には出さなかったが、心配、かけてたんだな、やっぱり……
ハンター試験当時は、私は奴らへの復讐の事ばかり考えていた。
(キリコさん達や、アベルの事は勿論心配だけど、ポックルという人があの怖い生き物を
見つけたら連絡してくれるみたいだし、僕も行っていいなら行きたいけど、今、人の姿じゃないから怖がられないかな?)
「大丈夫だ、カイン、お前の動物や虫に心を移動出来る力や、アベルの触れたものを溶かす力は
念能力と言うらしいぞ?、お前達と同じ特殊な能力を
持った人から、ちゃんとその能力の
コントロールの方法も教えてくれると約束して貰ったから
あの人なら、お前の状況を理解してくれる筈だ。」
(すごーい、流石兄さん、もうそんな事まで分かってるんだ
僕達みたいな変わった力って、ちゃんと名前があったんだね?)
カインは私の手の平の上でぴょんぴょんと飛び跳ねている。
ポックルに迅速に連絡を取る為にも、早急に携帯電話を買い直さなければいけないのだが……手持ちは先程ポンズに全て渡してしまったからなぁ…………だからといって金融機関からお金を借りたくないし、ましてや、父さんから借りる訳には絶対にいかないだろ…………なら、いつもの奴をカインに頼むしかないか
足元を見ると、のん気にコロコロと丸い体でゆっくりと歩いているダンゴコロコロ虫をもう一匹摘まんで持ち上げる。
もう片方の手の平にいるカインの精神が入ったダンゴコロコロ虫を見つめて私は頼む。
「なあ、カイン?、兄さん、今携帯が壊れてしまってな?、さっきの人と連絡を早急に取る為にも、金が必要なんだ?……頼めるか?」
コクリと頷いてカインは答えてくれる。
「うん、分かった。」
私ならばいくら簡単に念能力が覚えられると言われても、リスクが大き過ぎて他を当たるぞ?」
私が尋ねるとポンズは愚痴を言う様にヒステリックに喋る。
「最初は何も書いてなかったただの紙だったのよ?
そこにサインと血判を押すだけでいいからって
クラレンスってゆう、顔とスタイルがめちゃくちゃ綺麗で美人てゆーか?、麗人?、の女に書かされた後
紙に文字が浮かび上がって来て、そんな鬼畜な
契約をあの女の能力で結ぶ事になっちゃったのよっ‼‼‼‼」
あの紙があれだけ頑丈なのは、クラレンスという女性の能力のせいなのか……
「……では、本当に、今年中に100億支払えなければ、君達は命で償う事になるのか?」
ポックルは絶望した表情で震えながら答える。
「多分……そうだろうなぁ~
なぁ、クラピカ、臓器とかって、いくら位で売れるんだっけ?
1億とか、いけるかなぁ?」
「……そういう相場は詳しくはないが
やはり健康状態で値段は変わってくるだろうな?
例えば喫煙者の肺は仮に売ったとしても、50万ジェニーもしないと耳にした事はある。
だが、本当に売るつもりがあるのなら、国によって
値段は違うから、リサーチは必要だろうな?
臓器の中でも肝臓と肺が一番高いらしいぞ?、高くて3000万ジェニー程で売れるそうだ。」
「3000万……そうかよぉ~」
ポックルは力なく肩を落としてガックリとしている。
そこに、1枚の封筒をくわえたカインの精神の入った3つの足を持つ鴉がポックルの肩に止まり、封筒を差し出す様に嘴にくわえている。
それに気が付いたポックルは姿勢を戻してカインをジッと見つめて様子を確認する様に見つめて言う。
「ん?……お前、どうした?
これ、オレにくれるのか?」
そう言ってポックルはカインから封筒を受け取ると中身を確認する。
「おお、ラッキー♪、3000ジェニー入ってる、有難うな?」
そう言ってポックルはカインの頭を軽く撫でて何かに気が付く。
「つーかコイツ、ヤタガラスじゃんっ‼‼、人前に出て来るなんて珍しいな?、動画を投稿したら再生数出るかな?」
携帯を取り出し、私の映る範囲まで無神経にポックルは映そうとしたので文句を言う。
「おい、私まで撮影しないでくれ?、肖像権の侵害だぞ?」
「分かった分かったって、じゃあお前の映んない所で撮るからよっ」
ポックルは私の傍から少し離れて
肩に乗ったカインを撮影して意気揚々と語り出す。
「あの黒アメーバの出現した付近の森で、なんと、ヤタガラスを発見しました。
ヤタガラスは、ジャポンの神話にも出て来る
神聖な鳥で、警戒心がとても高く、普段は人前に出て来る事は滅多にありません。
しかも、こうして触れても怖がらないみたいですね?
これは、誰かが餌ずけしたのかなぁ?
皆さん、野生動物への餌やりは絶対に止めましょう、それはあげる人間のただのエゴでしかありません。
彼らが餌を探す習慣を、我々が潰しかねない事に繋がるんです。」
そう言ってポックルは撮影を止める。
「ポックル、私にもその子写させてよ?
私も一応登録だけはしていたが、あんまり使った事がない……
ポンズもカインの精神が入ったヤタガラスをパシャパシャと撮影し
ようやくポンズの撮影が終わると、カインは私の肩に飛んで乗って来た。
「ただの奇形種だと思っていたのだが、正式名称がコイツにもあったのだな?」
「ああ、ジャポンでこの鴉は、導きの鳥って言われててな?
困っている時に出会ったら、道を示してくれるって言う、縁起の良い幸運の鴉なんだぜ?
鴉ってのは、ゴミを荒らしたりしてイメージは悪いのが多いけどな?」
「動物、幻獣ハンターを目指すだけあって好きなんだな?」
私がそう尋ねると、ポックルは羨ましい程の満面の笑みを浮かべて言う。
「ああ、オレは森に住む狩人の家系でさ、昔から動物や自然に囲まれて育って来たんだ。
動物の種類や、罠の仕掛けなんかも小さな頃から親父に教わってきたし
だからもっと、色んな生き物や幻獣を見たくて
ハンター試験を受けたんだよ?」
ポンズの携帯から通知音が大量に鳴り出し興奮した様子でポンズは叫ぶ。
「やだ~、凄い、私の投稿めちゃくちゃバズってる~‼‼‼‼」
何だ?、バズるって?
「何だと?、よし、オレも
そう言って携帯を弄っているポックルに尋ねる。
「なぁポックル、バズるってどういう意味だ?」
ポックルは察した表情で私を見て言ってくる。
「クラピカ、お前、流行りとか疎いタイプだろ?
最低限は最近の言葉位、電脳ページでチェックした方がいいぜ?
バズるってのは、多くの人から注目を集めるって意味だよ?」
ぐっ……レオリオ以外に言われてしまうとは、結構なショックだ……これは、私も本格的に、最近の流行りとやらをチェックした方がいいな……
「あの黒アメーバみたいな生物は、お前がテレビに出演していた時に流された動画以外で、この辺に出現した事はあったか?」
「いや、あれ以外ではオレも知らないな?、他に撮影された動画なんかも見当たらないし」
「なぁポックル、最近携帯を破損させてしまってな、悪いんだが、君の連絡先とホームコードを又教えてくれないか?」
「いいぜ?」
ポックルはメモ帳を取り出しすぐに電話番号とホームコードの番号をメモした紙を渡してくれる。
「暫く、君達はここにいるのか?」
「ああ、あの黒アメーバの事もあるし、この山に今人が沢山来てるだろ?、山の生き物の生態系が崩されかねないからよ
この騒ぎが落ち着くまではいるつもりだ」
「携帯を買い替えたらすぐに連絡するから
黒アメーバの件で何か新しい情報が入ったら連絡をくれないか?、勿論、いくらかの報酬は払う」
「ああ、そう言う事ならすぐに連絡するよ?」
ポックルの携帯からも、通知音が大量になり出す。
「おおおお~スッゲ~一気に1万再生いっちまったよ~」
そして、ポックルとポンズは、じりじりと私に近づいて来て、携帯を2人共カインの精神が入ったヤタガラスに向けて血走った目で向けて来る。
「ヤタガラスちゃ~ん?、もっとこっちに向いて~?」
「先にオレの方向いてごら~ん?」
(どうしよう兄さん、あの人達何だか目が怖いよ?
このままでいいのかなぁ?)
カインは不安そうに私だけにそう伝えて来たので私は小声でカインに喋る。
「今すぐ、近くにいる虫か動物に移れ」
「カア~、カアアアア~~~~」
私の肩に乗っていたヤタガラスという鴉は、バサバサと翼をはためかせて夕暮れの空目掛けて羽ばたいて行く。
「ああ‼‼‼‼、待て~‼‼‼‼、オレの広告収入ちゃ~ん‼‼‼‼」
「ちょっとポックル、待ってよ~」
あの2人はヤタガラスを追いかけて行って走って行ってしまった。
足元からカインの声が響く。
(兄さん、移ったよ?、僕今、足元にいるよ?)
私の足元近くに、ダンゴコロコロ虫という、全長15mm程の小さな世界各地に分布している触角のある、甲殻類の、何か衝撃を受けたり、防御する時に体を丸める習性を持った丸くて青い虫がいた。
私はその虫を摘まみ上げて尋ねる。
「その虫に移ったんだなカイン?」
私の手の上で立ち上がってカインは声を伝えて来る。
(うん)
「さっきの3000ジェニーはどうしたんだ?」
(キリコさん達から、初めて貰った僕のおこずかいだよ?
あの人達、お金が必要だったみたいだから
使って欲しくて持って来たんだ。)
そうか……お前の貰った金だから何に使おうと自由だろうが、相変わらず優しいな?
「なぁ、カイン、あの生物が、まだ見つからなくて
お前もすごく不安だろうが、一端、私と一緒にグラドナという国に行こう?
そこに、信じられないかもしれないが、私の
家族や、友達、それに、里の人達が生き返って、保護して貰っている場所があるんだ。」
カインはコクリと頷いて伝えて来る。
(ううん、僕は兄さんを信じるよ?、だって、あなたは、そんな嘘なんかつく人じゃないもの……
それにね、ハンター試験を受ける時の兄さんは
いつも思い詰めた顔をしてたけど、今はスッキリしてる顔をしてる。
大切な人達が戻って来てくれて、本当に良かったね兄さん?)
素直に私を信じて、喜んでくれるその言葉に私は胸が詰まる思いになる。
……カインは口には出さなかったが、心配、かけてたんだな、やっぱり……
ハンター試験当時は、私は奴らへの復讐の事ばかり考えていた。
(キリコさん達や、アベルの事は勿論心配だけど、ポックルという人があの怖い生き物を
見つけたら連絡してくれるみたいだし、僕も行っていいなら行きたいけど、今、人の姿じゃないから怖がられないかな?)
「大丈夫だ、カイン、お前の動物や虫に心を移動出来る力や、アベルの触れたものを溶かす力は
念能力と言うらしいぞ?、お前達と同じ特殊な能力を
持った人から、ちゃんとその能力の
コントロールの方法も教えてくれると約束して貰ったから
あの人なら、お前の状況を理解してくれる筈だ。」
(すごーい、流石兄さん、もうそんな事まで分かってるんだ
僕達みたいな変わった力って、ちゃんと名前があったんだね?)
カインは私の手の平の上でぴょんぴょんと飛び跳ねている。
ポックルに迅速に連絡を取る為にも、早急に携帯電話を買い直さなければいけないのだが……手持ちは先程ポンズに全て渡してしまったからなぁ…………だからといって金融機関からお金を借りたくないし、ましてや、父さんから借りる訳には絶対にいかないだろ…………なら、いつもの奴をカインに頼むしかないか
足元を見ると、のん気にコロコロと丸い体でゆっくりと歩いているダンゴコロコロ虫をもう一匹摘まんで持ち上げる。
もう片方の手の平にいるカインの精神が入ったダンゴコロコロ虫を見つめて私は頼む。
「なあ、カイン?、兄さん、今携帯が壊れてしまってな?、さっきの人と連絡を早急に取る為にも、金が必要なんだ?……頼めるか?」
コクリと頷いてカインは答えてくれる。
「うん、分かった。」