再会 第3話
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ニュース番組にリモコンでチャンネルを変えると
1週間前に見た同じニュース番組なのか、あの時と同じ顔ぶれの、若い司会者と、年老いた司会者の2名がテレビの大画面に映る。
「続いてのニュースです。
世界に5本の指に入る程の財力を持つヴァイスターク財閥が、新たに、ヴァイスターク財団の献血バスでの健康な血を提供してくれた成人1人につき、200ccが500ジェニー、400ccが1000ジェニーの謝礼金を出すと公式に発表されました。
これはおこずかいの苦しい健康が取り柄の皆さん
チャンスですよぉ?」
手取りの少ない者達からすれば、あの謝礼金は喜ばれそうだが、それを払うだけのメリットが、あの財団にどうあるんだろうな?、関係者達にしか分からないか……
若い司会者の次に年老いた司会者も目の座った表情で頷いて喋り出す。
「私も是非行きます。
孫がアルバイトで商品に粗相をする様な馬鹿な動画を棒有名動画共有サイトに投稿して炎上して特定されてしまいましてねぇ……
私の所にも毎日悪戯電話や自宅に悪戯が絶えません
止めて下さいよあんな馬鹿な事する人達っ‼‼‼‼
全く、お陰様でその損害賠償を払うのに
老後の人生設計が台無しですよぉ~~~
毎日おかずがもやしだけなんですからっ‼‼‼‼‼‼」
若い司会者は苦笑をしながら次のニュースを読み始める。
「え……えーと、次のニュースは……
あの七色の虹色の炎が出るという、天然の自然優良ガス資源を誇る事で有名な、アルコバリーノ国の王族が、テロリストに襲われるという、悲惨な事件が発生しました。
オーガスト国王とマイア王妃夫妻は難を逃れたという事ですが、その子供の4歳のシャツィ王子が重体の様です。
現地の国のテレビ局の映像が公開されていますので、見てみましょう。」
テレビの映像が変わり、どうやら病院の前で、他の記者達と共に、何処かの部屋にこれを映した取材班達は向かっている様だ。
「こちら、シャツィ王子が入院されている王立病院です。
只今、我々はシャツィ王子の病室へと向かっております。」
周りから静止の声が聞こえる。
「ちょっと、あんた達、ここから先の撮影は許可貰ってないだろ?、おい、勝手に入らないでくれ‼‼‼‼っ」
「ちょっと、それ以上進まないで下さいっ‼‼‼‼
その先には今王妃様もいらっしゃるんですっ‼‼‼‼」
撮影班の仲間らしき声が響く。
「まぁまぁまぁ、いいじゃないですか、5分位で済ませますからぁ、大丈夫ですって?」
おい、コレは不法侵入ではないのか?
取材人は無理矢理許可もなく進んで行き、奥の部屋で王族の豪華な衣装を着た王妃らしき女性が映る。
取材人は嬉しそうに彼女に近づいて行き声をかける。
「マイア王妃様?シャツィ王子の容体はいかがですかぁ?、あなたも体調を崩されてるとの事ですが、今の調子はいかがですか?、あなたを心配している国民達に一言お答えくださいっ‼‼‼‼」
彼女は涙目で取材人の前にやって来て痛々しい声で叫ぶ
「止めてっ‼‼‼‼、来ないでっ‼‼‼‼、この子を映さないでえええぇぇぇっっっっ‼‼‼‼‼‼‼‼」
チラリと、延命装置に繋がれている、焼け焦げて、人間の原型を僅かに保っている小さな人間らしき者が映る……もしや、あれがシャツィ王子?
「おい‼‼‼‼、いい加減にしろ‼‼‼‼、この病院から出て行け‼‼‼‼」
ようやくアルコバリーノ国の護衛が撮影人を止めに入ったのか、押し問答が始まった。
だが、図々しい事に撮影人は抵抗する。
「何をするんだ‼‼‼‼、我々には報道する権利があるんだ‼‼‼‼、邪魔するなよっ‼‼‼‼
この国の国民も皆この事を知りたがってるんだっ‼‼‼‼
それを伝えるのが、我々メディアの役割なんだよっ‼‼‼‼」
そこで撮られた映像は消える。
いや、いくら知る権利とはいえ、これは流石にやりすぎだろう……
若い司会者は苦い顔をして呟く。
「流石に……コレは」
年老いた司会者は若い司会者とは反対に満面の笑みでパチパチパチと拍手をして称える。
「素晴らしい、なんとゆう勇気のある行動でしょう。
彼らの示した行動で、皆様にシャツィ王子の現状が伝わりましたねぇ?
1日も早い回復を願っております、さて次のニュースですが……」
老司会者がそう言うと気分の悪くなる事に周りからも
パチパチパチパチパチパチと拍手が鳴る。
正気で言ってるのかあの老司会者は?、あの怪我は、一生かけても元に戻るか分からない程酷いのは、素人の私達でも一度見たら直感で感じるだろうに、それを……ただの擦り傷を負った程度に言って、そのまま平気で流すのか?
「クラピカ、このニュース、もう見たくない、変えていい?」
ジト目でパイロに言われて私はパイロにリモコンを渡して答える。
「ああ……」
子供を大事に思う普通の母親ならば、絶対に自分の子供が酷い怪我をした時、それを全世界に晒されたいなんて思う筈がない……
あんな人の気持ちを無視した報道内容が称えられるようじゃ、あの歌い手のレンちゃんという子の様に、テレビを毛嫌いする者は大勢出て来る筈だな……
少ししてからジョシュダさんが美しいデザインの値の張るブランド物のティーカップと、ティーポットや小皿をお盆に乗せて持って来て、私達の前に手際良く並べていくと紙袋から一本のロールケーキを持って来た洒落たデザインのナイフでカットして配膳してくれ、綺麗な仕草でティーポットに入っている紅茶を丁寧な所作で入れてくれた。
本物の執事(しかも執事長)に、紅茶を入れて貰うなんて、贅沢な身分にでもなった気になるな。
「頂きます。」
私はまず、ジョシュダさんに入れて貰った黄金色の紅茶を飲む。
味はスッキリしていて苦みがなくストレートでそのまま何も入れず飲み易い、香りを嗅ぐと、優雅で高貴な花の香りがする。
市販でよく販売されているダージリンやアッサム、ウバでもない様だが、これはなんの紅茶だろうか?
「ジョシュダさん、これは何の紅茶ですか?」
「オリアーナティーだよ?、丁度この1~2月の時期が、一番美味しい物が販売されるから、この時期の物をよく購入してるんだ。」
ジョシュダさんも自分のティーカップに紅茶を入れながら答えてくれる……が、え?
オリアーナティーだってっ‼?
標高12000mという高地で育てている最高級品の王室御用達用の紅茶じゃないかこれっ‼‼‼‼
あれは100グラムで、平気で100万ジェニーもする、金持ちでなければ購入出来ない代物だぞ?
パイロは紅茶より先に切り分けて貰ったロールケーキを先に食べて、食べる前よりも目を輝かせる。
「濃厚ですごく美味しい~‼‼‼‼
口の中に入れたら、すぐ溶けちゃった~‼‼‼‼
それに甘いのもくどくなくて優しい感じがするし……」
ジョシュダさんは笑いながら優しく言う。
「気に入って貰えて良かった。
そのロールケーキはね、クモワシっていう谷の間に丈夫な糸を張って、卵を吊るしておくことで自分達の卵を守ろうとする、珍しい鳥の卵を使ってるんだ。
俺の父方の親族が、クモワシの住む環境を整えて、繁殖させてロールケーキの材料に使ってるんだよ?
それとは別に、ジャポンで取れる大豆って豆の食材を厳選して使ったんだってさ?」
待て……クモワシって言ったらハンター二次試験後半で出て来たあのクモワシだよな?
あんな条件の難しい鳥を繁殖させるなんて、この人の親戚は、相当な土地の所有者で、どれだけの資産持ってる人なんだっっっ‼‼‼‼
最低でも大富豪ランキングに名前が載る程の資産は持ってるんじゃないのかその親戚は?
「あの、ジョシュダさん……つかぬ事を伺いますが……
あなた、結構ないい家柄の生まれの方なのでは?……」
ジョシュダさんは困った様に笑って答える。
「……うん、まあね?、でも、俺は相当な不良息子なんだよ?
最近ようやく関係は落ち着き出したけれど
ここに来たのも、家出したからなんだ。
6年前まで、父ともの凄い大喧嘩をしていた事もあったからね?」
凄い以外な事実だな……レオリオならまだ分かるが、こんなに穏やかで出来た人が家出に大喧嘩とは……どんな状況でそうなったのか興味が湧いてきたが……いらない好奇心は猫をも殺す様な、聞いてはいけない直感がする。
それよりも今はカイン達の方が優先だ。
「そう言えば、クラピカ君、1つ大事な事を聞くのを忘れていたんだけど
君の叔母さんの名前ってなんて言うんだい?」
カイン達の件で、あの人の名前を言うのも嫌だったからな、これはうっかりしていた。
「叔母さんの名前は、ベラドンナと言います。」
叔母さんの名前を聞いて、今まで穏やかに笑っていたジョシュダさんの表情が数秒間無表情になる。
つい人を観察する時の癖で、彼の目線の動きを確認してしまう。
彼は右上に目を数秒間動かしていた。
この目の動きは、自分がこれまでに体験した過去の記憶を思い出している時にする人が多いんだが、まさかな?
あんな最低な女なんかと、いい所の育ちのジョシュダさんが関係なんてある訳がない。
「あの、ジョシュダさん、クラピカの叔母さんは
僕のお父さんとも、昔付き合っていたみたいで、僕の両親がそのせいで昔喧嘩しているのを実際に聞いた事があります。
フラヴィアからも他の沢山の男の人と付き合っていたから、あの人は追い出されたんだって
話を聞きました。
他の子達からも、似た様な話を聞いた事があります。」
有難う、パイロ、お前だってそんな話しなんかしたくなかっただろうに……
ジョシュダさんは真面目な表情になって頷いて決断してくれた。
「そうなんだね?……これまで真面目に働いてくれている
君達はこんな時に嘘をつく様な子達じゃない
分かった、カイン君だけ、受け入れる方針でいこう」
ソファーから立ち上がりジョシュダさんに私は頭を下げて礼を言う。
「有り難う御座います‼︎」
ジョシュダさんは優しい笑顔で安心させるように言ってくれる。
「大丈夫だよ?、お礼なんていいから座って」
又ソファーに座ると、私はもう一つ気がかりな事をジョシュダさんに相談する。
「あの、どうしてもあなたに聞いて欲しい事があるんです。
カインがアベルに人格が交代した時の事何ですが……」
私はジョシュダさんにカインがアベルに入れ替わり、説明のつかない異常な力でやってきてしまったこれまでの事を説明した。
1週間前に見た同じニュース番組なのか、あの時と同じ顔ぶれの、若い司会者と、年老いた司会者の2名がテレビの大画面に映る。
「続いてのニュースです。
世界に5本の指に入る程の財力を持つヴァイスターク財閥が、新たに、ヴァイスターク財団の献血バスでの健康な血を提供してくれた成人1人につき、200ccが500ジェニー、400ccが1000ジェニーの謝礼金を出すと公式に発表されました。
これはおこずかいの苦しい健康が取り柄の皆さん
チャンスですよぉ?」
手取りの少ない者達からすれば、あの謝礼金は喜ばれそうだが、それを払うだけのメリットが、あの財団にどうあるんだろうな?、関係者達にしか分からないか……
若い司会者の次に年老いた司会者も目の座った表情で頷いて喋り出す。
「私も是非行きます。
孫がアルバイトで商品に粗相をする様な馬鹿な動画を棒有名動画共有サイトに投稿して炎上して特定されてしまいましてねぇ……
私の所にも毎日悪戯電話や自宅に悪戯が絶えません
止めて下さいよあんな馬鹿な事する人達っ‼‼‼‼
全く、お陰様でその損害賠償を払うのに
老後の人生設計が台無しですよぉ~~~
毎日おかずがもやしだけなんですからっ‼‼‼‼‼‼」
若い司会者は苦笑をしながら次のニュースを読み始める。
「え……えーと、次のニュースは……
あの七色の虹色の炎が出るという、天然の自然優良ガス資源を誇る事で有名な、アルコバリーノ国の王族が、テロリストに襲われるという、悲惨な事件が発生しました。
オーガスト国王とマイア王妃夫妻は難を逃れたという事ですが、その子供の4歳のシャツィ王子が重体の様です。
現地の国のテレビ局の映像が公開されていますので、見てみましょう。」
テレビの映像が変わり、どうやら病院の前で、他の記者達と共に、何処かの部屋にこれを映した取材班達は向かっている様だ。
「こちら、シャツィ王子が入院されている王立病院です。
只今、我々はシャツィ王子の病室へと向かっております。」
周りから静止の声が聞こえる。
「ちょっと、あんた達、ここから先の撮影は許可貰ってないだろ?、おい、勝手に入らないでくれ‼‼‼‼っ」
「ちょっと、それ以上進まないで下さいっ‼‼‼‼
その先には今王妃様もいらっしゃるんですっ‼‼‼‼」
撮影班の仲間らしき声が響く。
「まぁまぁまぁ、いいじゃないですか、5分位で済ませますからぁ、大丈夫ですって?」
おい、コレは不法侵入ではないのか?
取材人は無理矢理許可もなく進んで行き、奥の部屋で王族の豪華な衣装を着た王妃らしき女性が映る。
取材人は嬉しそうに彼女に近づいて行き声をかける。
「マイア王妃様?シャツィ王子の容体はいかがですかぁ?、あなたも体調を崩されてるとの事ですが、今の調子はいかがですか?、あなたを心配している国民達に一言お答えくださいっ‼‼‼‼」
彼女は涙目で取材人の前にやって来て痛々しい声で叫ぶ
「止めてっ‼‼‼‼、来ないでっ‼‼‼‼、この子を映さないでえええぇぇぇっっっっ‼‼‼‼‼‼‼‼」
チラリと、延命装置に繋がれている、焼け焦げて、人間の原型を僅かに保っている小さな人間らしき者が映る……もしや、あれがシャツィ王子?
「おい‼‼‼‼、いい加減にしろ‼‼‼‼、この病院から出て行け‼‼‼‼」
ようやくアルコバリーノ国の護衛が撮影人を止めに入ったのか、押し問答が始まった。
だが、図々しい事に撮影人は抵抗する。
「何をするんだ‼‼‼‼、我々には報道する権利があるんだ‼‼‼‼、邪魔するなよっ‼‼‼‼
この国の国民も皆この事を知りたがってるんだっ‼‼‼‼
それを伝えるのが、我々メディアの役割なんだよっ‼‼‼‼」
そこで撮られた映像は消える。
いや、いくら知る権利とはいえ、これは流石にやりすぎだろう……
若い司会者は苦い顔をして呟く。
「流石に……コレは」
年老いた司会者は若い司会者とは反対に満面の笑みでパチパチパチと拍手をして称える。
「素晴らしい、なんとゆう勇気のある行動でしょう。
彼らの示した行動で、皆様にシャツィ王子の現状が伝わりましたねぇ?
1日も早い回復を願っております、さて次のニュースですが……」
老司会者がそう言うと気分の悪くなる事に周りからも
パチパチパチパチパチパチと拍手が鳴る。
正気で言ってるのかあの老司会者は?、あの怪我は、一生かけても元に戻るか分からない程酷いのは、素人の私達でも一度見たら直感で感じるだろうに、それを……ただの擦り傷を負った程度に言って、そのまま平気で流すのか?
「クラピカ、このニュース、もう見たくない、変えていい?」
ジト目でパイロに言われて私はパイロにリモコンを渡して答える。
「ああ……」
子供を大事に思う普通の母親ならば、絶対に自分の子供が酷い怪我をした時、それを全世界に晒されたいなんて思う筈がない……
あんな人の気持ちを無視した報道内容が称えられるようじゃ、あの歌い手のレンちゃんという子の様に、テレビを毛嫌いする者は大勢出て来る筈だな……
少ししてからジョシュダさんが美しいデザインの値の張るブランド物のティーカップと、ティーポットや小皿をお盆に乗せて持って来て、私達の前に手際良く並べていくと紙袋から一本のロールケーキを持って来た洒落たデザインのナイフでカットして配膳してくれ、綺麗な仕草でティーポットに入っている紅茶を丁寧な所作で入れてくれた。
本物の執事(しかも執事長)に、紅茶を入れて貰うなんて、贅沢な身分にでもなった気になるな。
「頂きます。」
私はまず、ジョシュダさんに入れて貰った黄金色の紅茶を飲む。
味はスッキリしていて苦みがなくストレートでそのまま何も入れず飲み易い、香りを嗅ぐと、優雅で高貴な花の香りがする。
市販でよく販売されているダージリンやアッサム、ウバでもない様だが、これはなんの紅茶だろうか?
「ジョシュダさん、これは何の紅茶ですか?」
「オリアーナティーだよ?、丁度この1~2月の時期が、一番美味しい物が販売されるから、この時期の物をよく購入してるんだ。」
ジョシュダさんも自分のティーカップに紅茶を入れながら答えてくれる……が、え?
オリアーナティーだってっ‼?
標高12000mという高地で育てている最高級品の王室御用達用の紅茶じゃないかこれっ‼‼‼‼
あれは100グラムで、平気で100万ジェニーもする、金持ちでなければ購入出来ない代物だぞ?
パイロは紅茶より先に切り分けて貰ったロールケーキを先に食べて、食べる前よりも目を輝かせる。
「濃厚ですごく美味しい~‼‼‼‼
口の中に入れたら、すぐ溶けちゃった~‼‼‼‼
それに甘いのもくどくなくて優しい感じがするし……」
ジョシュダさんは笑いながら優しく言う。
「気に入って貰えて良かった。
そのロールケーキはね、クモワシっていう谷の間に丈夫な糸を張って、卵を吊るしておくことで自分達の卵を守ろうとする、珍しい鳥の卵を使ってるんだ。
俺の父方の親族が、クモワシの住む環境を整えて、繁殖させてロールケーキの材料に使ってるんだよ?
それとは別に、ジャポンで取れる大豆って豆の食材を厳選して使ったんだってさ?」
待て……クモワシって言ったらハンター二次試験後半で出て来たあのクモワシだよな?
あんな条件の難しい鳥を繁殖させるなんて、この人の親戚は、相当な土地の所有者で、どれだけの資産持ってる人なんだっっっ‼‼‼‼
最低でも大富豪ランキングに名前が載る程の資産は持ってるんじゃないのかその親戚は?
「あの、ジョシュダさん……つかぬ事を伺いますが……
あなた、結構ないい家柄の生まれの方なのでは?……」
ジョシュダさんは困った様に笑って答える。
「……うん、まあね?、でも、俺は相当な不良息子なんだよ?
最近ようやく関係は落ち着き出したけれど
ここに来たのも、家出したからなんだ。
6年前まで、父ともの凄い大喧嘩をしていた事もあったからね?」
凄い以外な事実だな……レオリオならまだ分かるが、こんなに穏やかで出来た人が家出に大喧嘩とは……どんな状況でそうなったのか興味が湧いてきたが……いらない好奇心は猫をも殺す様な、聞いてはいけない直感がする。
それよりも今はカイン達の方が優先だ。
「そう言えば、クラピカ君、1つ大事な事を聞くのを忘れていたんだけど
君の叔母さんの名前ってなんて言うんだい?」
カイン達の件で、あの人の名前を言うのも嫌だったからな、これはうっかりしていた。
「叔母さんの名前は、ベラドンナと言います。」
叔母さんの名前を聞いて、今まで穏やかに笑っていたジョシュダさんの表情が数秒間無表情になる。
つい人を観察する時の癖で、彼の目線の動きを確認してしまう。
彼は右上に目を数秒間動かしていた。
この目の動きは、自分がこれまでに体験した過去の記憶を思い出している時にする人が多いんだが、まさかな?
あんな最低な女なんかと、いい所の育ちのジョシュダさんが関係なんてある訳がない。
「あの、ジョシュダさん、クラピカの叔母さんは
僕のお父さんとも、昔付き合っていたみたいで、僕の両親がそのせいで昔喧嘩しているのを実際に聞いた事があります。
フラヴィアからも他の沢山の男の人と付き合っていたから、あの人は追い出されたんだって
話を聞きました。
他の子達からも、似た様な話を聞いた事があります。」
有難う、パイロ、お前だってそんな話しなんかしたくなかっただろうに……
ジョシュダさんは真面目な表情になって頷いて決断してくれた。
「そうなんだね?……これまで真面目に働いてくれている
君達はこんな時に嘘をつく様な子達じゃない
分かった、カイン君だけ、受け入れる方針でいこう」
ソファーから立ち上がりジョシュダさんに私は頭を下げて礼を言う。
「有り難う御座います‼︎」
ジョシュダさんは優しい笑顔で安心させるように言ってくれる。
「大丈夫だよ?、お礼なんていいから座って」
又ソファーに座ると、私はもう一つ気がかりな事をジョシュダさんに相談する。
「あの、どうしてもあなたに聞いて欲しい事があるんです。
カインがアベルに人格が交代した時の事何ですが……」
私はジョシュダさんにカインがアベルに入れ替わり、説明のつかない異常な力でやってきてしまったこれまでの事を説明した。