宵々町奇譚
翌日、僕ら三人は朝一番に古いカメラのネガフィルムを持って写真部を
「すみませーん」
僕は、写真部の部室に入って、部長である
日暮先輩はきっちりとしたセンター分けの黒髪で、もやしのような
「うげっ! またお前達かっ!」
根はとてもいい人そうなんだけど、僕らオカルト同好会を見ると、いつも
さしずめ同じクラスのモミジ先輩が大の苦手なのだろう。
なんとなく気持ち分かるけど。
「何よその態度―?」
モミジ先輩は
ますます怖がらせてどうすんですかモミジ先輩っ!
「ななななな何の用だねっ」
「あの、いつものことですけど、また写真の現像をお願いしたくて……」
僕は日暮先輩にネガフィルムを手渡した。
僕ら同好会と違って、この写真部は学校から承認を得ている正式な部活動で、
そして僕らはある意味、お
まあ、ありがたくはないみたいだけど。
「お、お前らくらいだぞ! 毎回毎回、頼みに来るような
写真部は自分達で撮った野草や野鳥、風景なんかを
「ま、いいじゃないの~。そうケチケチしなさんなって!」
モミジ先輩は女王様のように机の上に座って、短いスカートで足組みをして言った。
「うっ……」
モミジ先輩に苦手意識のある日暮先輩は言葉に詰まらせながらも、その
ま、モミジ先輩、ルックスだけは
「どれくらいで出来ます?」
「そ、そうだな。
「分かりました。ありがとうございます」
僕は日暮先輩に頭を下げた。
「じゃ任せたわよ! 眼鏡トンボ! 心霊写真っぽくなるように仕上げて
「誰がそんな
モミジ先輩の言葉など無視して日暮先輩は写真部のプライドに掛けて、きっと綺麗で完璧な写真に仕上げてくれるだろう……僕ら