Thread De l'eau
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放課後、反省会をしようって切島くんに誘われたけど私にはやらなければいけない事がある…
もー疲れたのになんで体力テスト
しなきゃいけないのー?
…私が休んだのが悪いんだけどさ
急いで行かなきゃ…
体操着に着替えてグラウンドに向かおうと玄関に行くと…あれ?
『あれ?轟くん』
轟「!…糸氏か」
丁度靴箱から靴を出している轟くんがいて、少し驚いた表情を見せたけどまた直ぐに表情を変えた…
いつも通りの表情
何を考えてるか分からない無の表情
でも目はとても冷たい
あの時感じたあの冷たい視線…多分、あの視線の1つは轟くんからだったんだろうな、同じ感覚がするもん…
『帰るの?反省会行かないんだ』
轟『…あぁ』
私が何かしたのだろうか?
…うーん
思い返しても分からないからいいや
とりあえず一言でも話しておこうと思って先ほど切島くんに誘われた反省会を思い出して聞いてみたら案の定帰るそうだ
うん…確かにそういう群れるとか
嫌いっぽそうだよね…
あ!やばい!早く行かなきゃ!
私も轟くんの隣で下駄箱から
自分の靴を取り出した
轟「…なんで体操着着てるんだ?」
『えっとね、私今日から授業受けたでしょ?だからみんながした体力テスト私受けなきゃいけなくて…それを今からグラウンドでやるんだ』
轟「…そうか」
興味があるのか無いのか分からん返しだな…まぁいいけど。コスチュームじゃないからガスマスクに変えて体力テストを行うしヒーロー基礎学で体力も使ったからベストは出せないかもだけど頑張らなきゃ
轟「…糸氏」
『ん?なに?』
轟「…お前、個性2つあるんだな」
『え?うん、そうだよ』
え?なに急に…
轟「…親の、個性だろ?」
『!……うん、そうだよ』
轟「…そうか」
そう言って轟くんは鞄を持ち直して
外へ向かって行った
親の、個性だろ?
ピシリと、心臓に切れ目が入ったような感覚がした
…確かに…受け継いだのかもね、アイツらの…
なんで個性の事聞いてきたんだろう
しかも、親って…
『…おっといけない!早く行かなきゃ怒られる!』
一旦、轟くんが言ったことは忘れて
今は体力テスト頑張らなきゃ
除籍されちゃう…!涙
私は急いでグラウンドへ走っていった
相澤「おせぇ」
『そ、そんな事言われても…』
これでも大分速く走ったんだけどな…
てか遠いんだってグラウンド!!
時間かかるよそりゃ!!
相澤「時間は」
『有限…ですよね』
相澤「分かったなら直ぐに準備しろ」
『…悪魔』
相澤「ぁあ?今すぐ除籍にすんぞ」
『さて、握力から測りまーす!!』
怖っ!!
ない目力使って睨んできたし!!
とりあえずちゃんとやろう…
1時間後
『あー終わったー!』
相澤「…戦闘訓練してこれか」
『え!?良くなかったですか!?』
も、もしかしてみんなすごく良かったの!?
やば、い…除籍なんてされたらどうしよー!!
相澤「(寧ろ上位の成績で内心驚いてんだよ…個性を使ったこの体力テスト、個性の能力も高いが体力自体も申し分ねぇ…しかも戦闘訓練後でこれだ…)…糸氏、お前なんで推薦受けなかった?」
『へ?それって体力テストと関係あります?』
なんで推薦?
相澤「(口は多少悪いが中学の成績を見ても素行を見ても悪くはねぇ。先生が取らせねぇはずはねぇと思ったが)…いいから答えろ」
『ひぃ!え、えと…もちろん推薦頂いてはいたんですけど…推薦の受験日、秋だったじゃないですか』
相澤「…まさか」
『スギ花粉にやられて入院してました!』
相澤「…」
うわ、なんかすごいため息吐かれたんだけど…呆れたって顔に書いてあるんだけど!だってしょうがないじゃん!去年の秋はスギ花粉がすごかったんだからー!
相澤「まぁいい…とりあえずは」
ポンッ
『!!?』
ナデナデ
相澤「お疲れさん」
『!!?』
ビュウ!!!
相澤「!…そんなに驚くことか」
思いっきり振り返り見上げながら少し距離を置いて離れた。あまりの速さに驚いたのか目を丸くさせながら私を見てる。多分、何の気なしに相澤先生は私の頭に手を置いて撫でてくれたんだと思う。けど、その行為はガスマスク越しからでも…
『あ、い、いえ…、初めて…頭を撫でられたので』
どんな感情を表したら良いのか
分からないんです…
アイツらに…された事ないから…
相澤「…お前」
『…あ!そろそろ帰らないと!!先生これで終わりでしょ!?』
何か言いかけた相澤先生を他所に道具を後片付けして一纏めにして持ち上げる
『これ職員室に持っていきますね!じゃあ先生また明日!』
相澤「…あぁ」
何かを言いたそうな相澤先生は…それを止めていつも通りの表情で頷いた。ごめん、先生…あんまり聞かないでほしいから察してくれてありがとうございます
私は相澤先生に頭を下げて
全力で走った…逃げるように
相澤「…撫でられたのが、初めて…か…あの2人の子供なのに」
その呟きも…私には聞こえなかった