私とテニスと自転車と
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丸井視点
夢を見た
久々に…アイツが、香苗が出てきた
楽しそうにテニスをしてた
俺もそれにつられて笑って
楽しかった…2年の秋までは
"私はただ、楽しくテニスがしたかった"
"私が求めたテニスはこんなんじゃない"
"もう……テニスなんて"
"……ブン太も結局"
"私の前から消えたよね"
「っ!?」
勢いよく目を覚まして体を起こした。ブワッと溢れる汗を拭うことより…夢を思い出していた
「っ、はぁ…っ、」
私の前から消えたよね
香苗はあんなこと言ってない。けど、思っていたかもしれない。表情がなく、不気味に口角が上がってて…目は死んでて…
思い出したくねぇ…
「香苗…っ」
香苗がテニスから離れたのはみんなのせい
香苗が笑わなくなったのは俺たちのせい
香苗が消えたのは俺のせい
香苗を救えなかったのは…俺のせいだ
朝練に行く俺の足取りは重い。昨日練習がキツかったからとかじゃなくて…多分夢のせい
もう2年前のことなのにわだかまりがずっと…頭の片隅に残ってるんだ
切「まーるいせんぱーい!!」
「うおっ!」
突然後ろから声と共に背中にタックルされてた。こんなことするのは後輩の赤也だとは分かっていたけど加減を知らねぇこいつは強めにぶつかってくるから痛ぇ
「ば、赤也!気をつけろぃ!危ねぇだろうが!」
切「へへ、すいませんッス!」
全然反省してねー…
ジ「…お、よぉブン太、赤也!」
「ん、おおジャッカル!はよ」
切「チィースジャッカル先輩!」
校門が近くなって俺たちの前にジャッカルがいて、その奥にも何人かテニス部のレギュラーが歩いてる。赤也はジャッカルを見つけるとそっちに飛びついて(という名のタックル)いった。元気だよなー、ってか寝坊しないで来るの珍しいな
俺もジャッカルに向かって歩いて、他のメンバーとも合流して…いつもと変わらない朝練が始まった
ラリーしたり、ランニングしたり…
なんでか…今日はやはり、身が入らない
真「丸井!たるんでるぞ!!」
「え?あ、わりぃ!」
気づけばボーッしてた。そいえば真田と試合してたんだっけ!ヤベェと気を入れ直そうとしたけど…真田の様子が変わった
真「丸井?」
「ど、どーしたんだよ真田」
真「気づいてないのか?」
「え?は?」
真「顔色が悪いぞ」
え?マジで?体調はおかしくない。ちょっと身が入らないだけで別段だるくもなんとも…
「へ、平気だって!ちょっと集中してなかっただけだから!」
真「…今日の朝練は控えろ、丸井」
「さ、真田!!」
幸「真田?ブン太?どうしたのかな?」
俺らが話してるのを耳に入れた幸村くんがこっちきた。つーか、みんな見てんだけど!
真「幸村…丸井の顔色が悪い。あの時と同じだ」
え?あの、とき…?
幸「えっ…?、ホントだね…」
「な、なんだよ幸村くんまで!俺は平気だって言って!」
幸「成瀬さん…」
「っっ!?」
幸村くんの口から…アイツの名前が出てきた。ビクッと体が揺れて思わず下を向いてしまった
幸「やっぱり…。彼女を思い出したの?」
「そ、そんなんじゃ…ねぇ」
幸「ブン太、気づいてなかったと思うけど…ブン太が彼女を思い出した時…いつもボーッとしてることが多いんだよ」
「っ」
幸「今日はもうやめるんだ。着替えて…保健室に行くんだよ。これは部長命令だ」
「……わかった、ごめん」
幸「謝ることじゃないよ」
「…ごめん」
幸「…」
部に迷惑かけちまった。多分初めて…
ダセェだろい俺…。昔の話だ、昔の話なんだよ…なんで…
香苗を思い出すとこんなに胸が締め付けられるんだ…
幸村視点
少しふらつきながら前を歩くブン太がとても痛々しい。真田も表情は硬い、多分俺も同じくそんな顔をしているだろう
真「…重症だな」
幸「…ブン太にとって、あれは初恋だったから…余計にね」
仁「簡単に忘れられるもんじゃないゼヨ"あの時"のことは」
幸「!に、おう…」
いつの間にか後ろにいた仁王は俺らの前に立ち、同じようにブン太に目をやる
仁「俺らも忘れちゃいけないんじゃ…あの女は…バケモノみたく強かった」
真「っ!」
仁「そのバケモノを作ってしまったんは…間違いなく俺らじゃ」
幸「…」
仁「そして皆が見捨てたんじゃ…」
幸「…仁王」
俺が止めても、仁王は口を閉じる事止めなかった。懺悔をするように空を見上げた
仁「いなくなって初めて気づいたゼヨ。アイツは…成瀬は…ただの同い年の、普通の女の子じゃったんだと
とんでもないことをしてしまったんじゃ」
そうだ。俺たちは彼女を"独り"にさせてしまったんだ。彼女が笑わなくなったのも、泣くことも怒ることもしなくなったのは…俺たちのせいだ
仁「…ブンちゃんはそれを自分のせいだと思っとる」
真「!それは」
仁「違うと言っても…ブンちゃんはもう納得はしないナリよ」
幸「…俺たちは、どうすればいいんだろうね。ブン太は…どうしたら心から笑ってくれるようになるのかな」
仁「…方法はひとつしかないゼヨ」
そう言った仁王の表情を伺えば、難しい表情で空を見たままだった。コート上の詐欺師なんていわれてた名が嘘のように面影がない
仁「成瀬と、会わせるしかないじゃろ」
それでも凛とした声でそう言った。俺は驚かなかった。なぜなら同じことを考えていたからだ
幸「そうだね…なら、彼女がどこにいるのか探さなくちゃだね」
仁「…宛がないからの」
真「…探すことは困難だ、せめてテニスをしていれば分かるが…おそらくしていないに違いない」
幸「ほんとに、とんでもないことをしちゃったね…」
「「…」」
あの事故以来、俺たちは彼女の姿を見ていない。
どこにいるんだろうか
会って…謝りたい
それがダメならせめて
ブン太と もう一度……
夢を見た
久々に…アイツが、香苗が出てきた
楽しそうにテニスをしてた
俺もそれにつられて笑って
楽しかった…2年の秋までは
"私はただ、楽しくテニスがしたかった"
"私が求めたテニスはこんなんじゃない"
"もう……テニスなんて"
"……ブン太も結局"
"私の前から消えたよね"
「っ!?」
勢いよく目を覚まして体を起こした。ブワッと溢れる汗を拭うことより…夢を思い出していた
「っ、はぁ…っ、」
私の前から消えたよね
香苗はあんなこと言ってない。けど、思っていたかもしれない。表情がなく、不気味に口角が上がってて…目は死んでて…
思い出したくねぇ…
「香苗…っ」
香苗がテニスから離れたのはみんなのせい
香苗が笑わなくなったのは俺たちのせい
香苗が消えたのは俺のせい
香苗を救えなかったのは…俺のせいだ
朝練に行く俺の足取りは重い。昨日練習がキツかったからとかじゃなくて…多分夢のせい
もう2年前のことなのにわだかまりがずっと…頭の片隅に残ってるんだ
切「まーるいせんぱーい!!」
「うおっ!」
突然後ろから声と共に背中にタックルされてた。こんなことするのは後輩の赤也だとは分かっていたけど加減を知らねぇこいつは強めにぶつかってくるから痛ぇ
「ば、赤也!気をつけろぃ!危ねぇだろうが!」
切「へへ、すいませんッス!」
全然反省してねー…
ジ「…お、よぉブン太、赤也!」
「ん、おおジャッカル!はよ」
切「チィースジャッカル先輩!」
校門が近くなって俺たちの前にジャッカルがいて、その奥にも何人かテニス部のレギュラーが歩いてる。赤也はジャッカルを見つけるとそっちに飛びついて(という名のタックル)いった。元気だよなー、ってか寝坊しないで来るの珍しいな
俺もジャッカルに向かって歩いて、他のメンバーとも合流して…いつもと変わらない朝練が始まった
ラリーしたり、ランニングしたり…
なんでか…今日はやはり、身が入らない
真「丸井!たるんでるぞ!!」
「え?あ、わりぃ!」
気づけばボーッしてた。そいえば真田と試合してたんだっけ!ヤベェと気を入れ直そうとしたけど…真田の様子が変わった
真「丸井?」
「ど、どーしたんだよ真田」
真「気づいてないのか?」
「え?は?」
真「顔色が悪いぞ」
え?マジで?体調はおかしくない。ちょっと身が入らないだけで別段だるくもなんとも…
「へ、平気だって!ちょっと集中してなかっただけだから!」
真「…今日の朝練は控えろ、丸井」
「さ、真田!!」
幸「真田?ブン太?どうしたのかな?」
俺らが話してるのを耳に入れた幸村くんがこっちきた。つーか、みんな見てんだけど!
真「幸村…丸井の顔色が悪い。あの時と同じだ」
え?あの、とき…?
幸「えっ…?、ホントだね…」
「な、なんだよ幸村くんまで!俺は平気だって言って!」
幸「成瀬さん…」
「っっ!?」
幸村くんの口から…アイツの名前が出てきた。ビクッと体が揺れて思わず下を向いてしまった
幸「やっぱり…。彼女を思い出したの?」
「そ、そんなんじゃ…ねぇ」
幸「ブン太、気づいてなかったと思うけど…ブン太が彼女を思い出した時…いつもボーッとしてることが多いんだよ」
「っ」
幸「今日はもうやめるんだ。着替えて…保健室に行くんだよ。これは部長命令だ」
「……わかった、ごめん」
幸「謝ることじゃないよ」
「…ごめん」
幸「…」
部に迷惑かけちまった。多分初めて…
ダセェだろい俺…。昔の話だ、昔の話なんだよ…なんで…
香苗を思い出すとこんなに胸が締め付けられるんだ…
幸村視点
少しふらつきながら前を歩くブン太がとても痛々しい。真田も表情は硬い、多分俺も同じくそんな顔をしているだろう
真「…重症だな」
幸「…ブン太にとって、あれは初恋だったから…余計にね」
仁「簡単に忘れられるもんじゃないゼヨ"あの時"のことは」
幸「!に、おう…」
いつの間にか後ろにいた仁王は俺らの前に立ち、同じようにブン太に目をやる
仁「俺らも忘れちゃいけないんじゃ…あの女は…バケモノみたく強かった」
真「っ!」
仁「そのバケモノを作ってしまったんは…間違いなく俺らじゃ」
幸「…」
仁「そして皆が見捨てたんじゃ…」
幸「…仁王」
俺が止めても、仁王は口を閉じる事止めなかった。懺悔をするように空を見上げた
仁「いなくなって初めて気づいたゼヨ。アイツは…成瀬は…ただの同い年の、普通の女の子じゃったんだと
とんでもないことをしてしまったんじゃ」
そうだ。俺たちは彼女を"独り"にさせてしまったんだ。彼女が笑わなくなったのも、泣くことも怒ることもしなくなったのは…俺たちのせいだ
仁「…ブンちゃんはそれを自分のせいだと思っとる」
真「!それは」
仁「違うと言っても…ブンちゃんはもう納得はしないナリよ」
幸「…俺たちは、どうすればいいんだろうね。ブン太は…どうしたら心から笑ってくれるようになるのかな」
仁「…方法はひとつしかないゼヨ」
そう言った仁王の表情を伺えば、難しい表情で空を見たままだった。コート上の詐欺師なんていわれてた名が嘘のように面影がない
仁「成瀬と、会わせるしかないじゃろ」
それでも凛とした声でそう言った。俺は驚かなかった。なぜなら同じことを考えていたからだ
幸「そうだね…なら、彼女がどこにいるのか探さなくちゃだね」
仁「…宛がないからの」
真「…探すことは困難だ、せめてテニスをしていれば分かるが…おそらくしていないに違いない」
幸「ほんとに、とんでもないことをしちゃったね…」
「「…」」
あの事故以来、俺たちは彼女の姿を見ていない。
どこにいるんだろうか
会って…謝りたい
それがダメならせめて
ブン太と もう一度……