私とテニスと自転車と
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荒北視点
アイツを気にし始めたのは高1の時
アイツを欲しいと思ったのは高2の時
アイツを守りたいと思い始めた…今
俺が思うより…
アイツの闇は深すぎた
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
飯を食い終えた俺は風呂に入った後、真っ先に談話室へと向かった
荒「福ちゃん…」
福「ム?なんだ荒北」
新開と東堂と一緒にテレビを観ていた 福ちゃんに声をかけた。
東「なんだ荒北か、どうかしたのかね?」
新「お疲れ靖友」
荒「ちょっと福ちゃんに用があんダヨ、借りるぜ?」
福「どうした荒北」
理由の分からない俺に無表情ながら疑問を持つ福ちゃんを無視して頭をかきながら適当に嘘をついて呼び出した
荒「ちょっと練習のことでよ、直ぐ済むから部屋来てくんネェ?」
福「?わかった」
福ちゃんを談話室から呼び出すことに成功し、前を歩いて先導する
荒「ンァ、福ちゃんベプシ買っていい?」
福「かまわない」
目の前にあった自販機に金を入れてベプシのボタンを押す。ガコン、と音が鳴って落ちてきたベプシを取りにかがんだ
荒「…今日サァ、練習終わった後…アイツ構わずに回転数上げろって言ってきやがったんだゼェ?こちとらレース終わりに1時間ローラーやったってのにヨォ」
福「香苗らしいな」
荒「だから仕返しにケツ触ってやった」
福「…それはダメだろう」
荒「…まぁ案の定明日は地獄のメニューになりそうだヨ」
福「自業自得だ」
そうだけどさ、アイツの匂いが誘ってきたんだ。好きな女が側にいるっつーのになんもしねぇのは男としてどーよ福ちゃん
スタスタとまた歩き出して目的の俺の部屋にたどり着く。中に促すと律儀に失礼する、と言って入ってきた
俺は椅子に、福ちゃんはベッドに腰かける。
福「それで練習のことがなんだ?」
荒「あぁそれはいい。もう終わった」
福「終わった?」
荒「さっきの」
福「…それなら談話室でも良かったのではないのか?」
荒「…ダメだ」
アイツらもいたしな…
福「…荒北、何の用なんだ?」
荒「香苗のことだよ」
そう言ったら福ちゃんの表情は分かりにくいけど難しい表情になった
あまり福ちゃんは香苗の話はしてこない。昔のことなんか特にだ。こんな無表情の鉄仮面の癖にそういうところは分かりやすい
荒「福ちゃん、俺に嘘ついたよナ?」
福「…なんの話だ」
荒「トボケンナヨ、アイツは怪我で恋愛に臆病になったってっつたろ!事実は違ってたじゃねぇか」
福「!!」
荒「怪我よりももっと…深いもんがあったんじゃねぇのか、アア!?」
福「っ、荒北…香苗からどこまで話を聞いたんだ」
ここまで焦ってる福ちゃんを見るのは初めて見た。その表情に…俺も動揺して正直に答えた
荒「チッ!…んも聞いてネェよ…聞いたケドォ…答えはしなかった…」
福「…そうか」
明らかにホッとしてんじゃネェヨ…
福「荒北…出来れば、聞かないでやってほしい…香苗の口から言うまでは」
荒「理由はァ?」
福「…アイツが過去から立ち止まったままだからだ」
荒「!」
ピクッと眉尻が動く。立ち止まったまま…?確かにそんな気はしていた。昔の俺に似ていたから
福「荒北、俺はお前に…ロードは進むも止まるも自分次第だと。踏んだ分だけ確実に前に進むと…そう言ったな」
荒「…言ったなァ」
福「それはロードだけに限らない、陽の心もそうだ。前に進むためには、香苗が自分自身の力で前に進まなければならないんだ。俺たちがどうこう言うことではない」
荒「…っ」
それはその通りだ
事実、俺は前に進んだ
過去のしがらみを抜け出したくて
前に進むために…
1人で…強くなった
荒「…わーってるよ、福ちゃん」
福「…荒北」
荒「第三者が言うことじゃネェことくらい…最初からわかってた…けどよ」
椅子から腰を上げて福ちゃんの前に立つ。見上げてくる福ちゃんの視線をとらえて…口を開いた
荒「…誰かが背中押さなきゃ、最初の一歩は踏めねぇゼ?」
福「!?」
荒「俺は…その勇気っつーもん…福ちゃんがくれたからここまで登りつめた。けどアイツは…3年間、"独り"でいるんだよ」
福「っ…」
荒「待ち続けたって…アイツ一生あのまんまだぞ。いいのかよそれで」
福「……」
黙り込んでしまった福ちゃんの隣に腰かけて、買っていたベプシを一口飲む。喉にくるピリピリした刺激が気持ちいい
荒「……俺は香苗が好きだ」
福「、荒北…」
荒「今まで思わなかったケドヨォ…もう好きとかのレベル越えてんだヨォ…
守りてぇ、ずっと」
俺の言葉に動揺を隠せず見開いた目をそのまま、自分の手を握りこんでいた
福「……本気か?」
荒「……本気ダヨ」
福「…そうか」
ふぅ…、大きく息を吐いた。目をゆっくり閉じて…何かを考えてから目を開けた
福「…俺はやはり香苗の過去を、教えてやることができない」
荒「っ福ちゃん」
福「だが」
荒「、?」
福「…協力はしよう」
荒「!!」
そう言った福ちゃんを見ると、その目はいつもの強気の…いつもの福ちゃんだ
福「お前が本気なら、俺は協力することを惜しまない。それが香苗の為になるなら…俺は力になろう」
荒「!福ちゃん!!」
福「…俺だって幼なじみとして、香苗に…昔のように"笑って、俺の前に立って"いてほしいんだ」
荒「!福ちゃんの前に立つ?」
アイツが?疑問をぶつけると福ちゃんは視線をそらして言葉を発した
福「…こっちの話だ」
荒「ンダヨそれ!!」
福「…知りたかったら」
荒「ンァ?」
福「"成瀬""立海""テニス""不敗神話"で調べるといい…意味が知りたくなったら呼べ。今日はもう寝る」
荒「ハァ?ちょ!福ちゃん!!」
立ち上がる福ちゃんを止めようと手を伸ばしたけどすでにドアノブを持ち薄く扉を開いた福ちゃん
福「今日はレースをしたんだ。体を休めろ…」
荒「…っ、アアッ!!チッ!わーったよ!」
福「それでいい」
そう言って開いて一歩踏み出した福ちゃんがピタッと立ち止まった
荒「福ちゃん?」
福「…ちなみに荒北、怪我の理由を話したことはあったか?」
荒「?事故だろォ?どんな事故かは知らねぇけどヨォ…ヒデェ怪我ってのは分かる。1年の時に本人から聞いたぜ、腕が上がらねぇって…」
あ、そういえば…さっき右腕…強く掴んじまった…明日…しゃあねぇから謝るか…
福「そうだ、アイツの腕は一生治らない。右手の握力は5以下、2kgの重りを持つこともできない…そんな腕だ
…その香苗の怪我は、交通事故が発端だった」
荒「!?発端…?」
どういうことだよ…っ、交通事故だけじゃねぇのかよ!
福「また明日」
荒「あ、おい!!」
パタンと閉められた扉を呆然と見つめ行き場のない手を…ゆっくりおろした
結局疑問が残った
わかんないことだらけだ
怪我の原因は交通事故
きっとこの交通事故も…
香苗に関係してるのか?
じゃなきゃ福ちゃんが話すわけねぇ
それに大本の原因は
テニス…だ
アーッ!全然わかんねぇっ!
…寝て明日考えよう
立海、テニス、んで不敗神話…
謎だらけだ…
アイツを気にし始めたのは高1の時
アイツを欲しいと思ったのは高2の時
アイツを守りたいと思い始めた…今
俺が思うより…
アイツの闇は深すぎた
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飯を食い終えた俺は風呂に入った後、真っ先に談話室へと向かった
荒「福ちゃん…」
福「ム?なんだ荒北」
新開と東堂と一緒にテレビを観ていた 福ちゃんに声をかけた。
東「なんだ荒北か、どうかしたのかね?」
新「お疲れ靖友」
荒「ちょっと福ちゃんに用があんダヨ、借りるぜ?」
福「どうした荒北」
理由の分からない俺に無表情ながら疑問を持つ福ちゃんを無視して頭をかきながら適当に嘘をついて呼び出した
荒「ちょっと練習のことでよ、直ぐ済むから部屋来てくんネェ?」
福「?わかった」
福ちゃんを談話室から呼び出すことに成功し、前を歩いて先導する
荒「ンァ、福ちゃんベプシ買っていい?」
福「かまわない」
目の前にあった自販機に金を入れてベプシのボタンを押す。ガコン、と音が鳴って落ちてきたベプシを取りにかがんだ
荒「…今日サァ、練習終わった後…アイツ構わずに回転数上げろって言ってきやがったんだゼェ?こちとらレース終わりに1時間ローラーやったってのにヨォ」
福「香苗らしいな」
荒「だから仕返しにケツ触ってやった」
福「…それはダメだろう」
荒「…まぁ案の定明日は地獄のメニューになりそうだヨ」
福「自業自得だ」
そうだけどさ、アイツの匂いが誘ってきたんだ。好きな女が側にいるっつーのになんもしねぇのは男としてどーよ福ちゃん
スタスタとまた歩き出して目的の俺の部屋にたどり着く。中に促すと律儀に失礼する、と言って入ってきた
俺は椅子に、福ちゃんはベッドに腰かける。
福「それで練習のことがなんだ?」
荒「あぁそれはいい。もう終わった」
福「終わった?」
荒「さっきの」
福「…それなら談話室でも良かったのではないのか?」
荒「…ダメだ」
アイツらもいたしな…
福「…荒北、何の用なんだ?」
荒「香苗のことだよ」
そう言ったら福ちゃんの表情は分かりにくいけど難しい表情になった
あまり福ちゃんは香苗の話はしてこない。昔のことなんか特にだ。こんな無表情の鉄仮面の癖にそういうところは分かりやすい
荒「福ちゃん、俺に嘘ついたよナ?」
福「…なんの話だ」
荒「トボケンナヨ、アイツは怪我で恋愛に臆病になったってっつたろ!事実は違ってたじゃねぇか」
福「!!」
荒「怪我よりももっと…深いもんがあったんじゃねぇのか、アア!?」
福「っ、荒北…香苗からどこまで話を聞いたんだ」
ここまで焦ってる福ちゃんを見るのは初めて見た。その表情に…俺も動揺して正直に答えた
荒「チッ!…んも聞いてネェよ…聞いたケドォ…答えはしなかった…」
福「…そうか」
明らかにホッとしてんじゃネェヨ…
福「荒北…出来れば、聞かないでやってほしい…香苗の口から言うまでは」
荒「理由はァ?」
福「…アイツが過去から立ち止まったままだからだ」
荒「!」
ピクッと眉尻が動く。立ち止まったまま…?確かにそんな気はしていた。昔の俺に似ていたから
福「荒北、俺はお前に…ロードは進むも止まるも自分次第だと。踏んだ分だけ確実に前に進むと…そう言ったな」
荒「…言ったなァ」
福「それはロードだけに限らない、陽の心もそうだ。前に進むためには、香苗が自分自身の力で前に進まなければならないんだ。俺たちがどうこう言うことではない」
荒「…っ」
それはその通りだ
事実、俺は前に進んだ
過去のしがらみを抜け出したくて
前に進むために…
1人で…強くなった
荒「…わーってるよ、福ちゃん」
福「…荒北」
荒「第三者が言うことじゃネェことくらい…最初からわかってた…けどよ」
椅子から腰を上げて福ちゃんの前に立つ。見上げてくる福ちゃんの視線をとらえて…口を開いた
荒「…誰かが背中押さなきゃ、最初の一歩は踏めねぇゼ?」
福「!?」
荒「俺は…その勇気っつーもん…福ちゃんがくれたからここまで登りつめた。けどアイツは…3年間、"独り"でいるんだよ」
福「っ…」
荒「待ち続けたって…アイツ一生あのまんまだぞ。いいのかよそれで」
福「……」
黙り込んでしまった福ちゃんの隣に腰かけて、買っていたベプシを一口飲む。喉にくるピリピリした刺激が気持ちいい
荒「……俺は香苗が好きだ」
福「、荒北…」
荒「今まで思わなかったケドヨォ…もう好きとかのレベル越えてんだヨォ…
守りてぇ、ずっと」
俺の言葉に動揺を隠せず見開いた目をそのまま、自分の手を握りこんでいた
福「……本気か?」
荒「……本気ダヨ」
福「…そうか」
ふぅ…、大きく息を吐いた。目をゆっくり閉じて…何かを考えてから目を開けた
福「…俺はやはり香苗の過去を、教えてやることができない」
荒「っ福ちゃん」
福「だが」
荒「、?」
福「…協力はしよう」
荒「!!」
そう言った福ちゃんを見ると、その目はいつもの強気の…いつもの福ちゃんだ
福「お前が本気なら、俺は協力することを惜しまない。それが香苗の為になるなら…俺は力になろう」
荒「!福ちゃん!!」
福「…俺だって幼なじみとして、香苗に…昔のように"笑って、俺の前に立って"いてほしいんだ」
荒「!福ちゃんの前に立つ?」
アイツが?疑問をぶつけると福ちゃんは視線をそらして言葉を発した
福「…こっちの話だ」
荒「ンダヨそれ!!」
福「…知りたかったら」
荒「ンァ?」
福「"成瀬""立海""テニス""不敗神話"で調べるといい…意味が知りたくなったら呼べ。今日はもう寝る」
荒「ハァ?ちょ!福ちゃん!!」
立ち上がる福ちゃんを止めようと手を伸ばしたけどすでにドアノブを持ち薄く扉を開いた福ちゃん
福「今日はレースをしたんだ。体を休めろ…」
荒「…っ、アアッ!!チッ!わーったよ!」
福「それでいい」
そう言って開いて一歩踏み出した福ちゃんがピタッと立ち止まった
荒「福ちゃん?」
福「…ちなみに荒北、怪我の理由を話したことはあったか?」
荒「?事故だろォ?どんな事故かは知らねぇけどヨォ…ヒデェ怪我ってのは分かる。1年の時に本人から聞いたぜ、腕が上がらねぇって…」
あ、そういえば…さっき右腕…強く掴んじまった…明日…しゃあねぇから謝るか…
福「そうだ、アイツの腕は一生治らない。右手の握力は5以下、2kgの重りを持つこともできない…そんな腕だ
…その香苗の怪我は、交通事故が発端だった」
荒「!?発端…?」
どういうことだよ…っ、交通事故だけじゃねぇのかよ!
福「また明日」
荒「あ、おい!!」
パタンと閉められた扉を呆然と見つめ行き場のない手を…ゆっくりおろした
結局疑問が残った
わかんないことだらけだ
怪我の原因は交通事故
きっとこの交通事故も…
香苗に関係してるのか?
じゃなきゃ福ちゃんが話すわけねぇ
それに大本の原因は
テニス…だ
アーッ!全然わかんねぇっ!
…寝て明日考えよう
立海、テニス、んで不敗神話…
謎だらけだ…