普段クールで「兄」とした態度をとっているので周囲からは「颯太くんはしっかりしていてお兄ちゃんとして頑張ってる」という評価をされています。それは確かにその通りで、凪の身の回りの世話をきちんとやいています。家事全般は自分が主導権をもってしている。でも甘やかすわけではなく、凪にも手伝わせるなどできることはさせています。

凪は凪で周囲からのイメージを崩すことなく、「お兄ちゃん」として甘えたり頼ったりしているところをオープンにしています。

違うのはやっぱり　お互いしか目の前にいないとき。ベッドの上。
普段は言葉はそれほど自分のことを多く語らない颯太ですが、凪に求められると嬉しさと快楽で色々と高まってしまい、それはそれはかわいいネコちゃんになります。

ゲイなのはあくまで颯太のみであり、凪は颯太のオトコとしての肌やカラダそのものに欲情するのではなく「存在」を求める、というのが作者的にはこだわりたいところです。凪が例えばオカズにするのは普通に女性アイドルのグラビアだったりする。颯太は女性に対してはまったくそういった反応を示しません。そして女性になりたいわけでもなく、男性として男性を求めているのです。

双子BL,双子で求め合う　と言ってもその根源が全然違うので、両想いになっても彼らは求めるポイントが少し違かったり、でも相手であればどうでもよかったり、という揺らぎを永遠に持ち続けるだろう、と考えるとなんだか切なくなります。

双子だけの世界で生きるのが幸せなのか、
お互いに社会（彼氏彼女）と関わって生きて双子は家族として割り切るのが幸せなのか、本人にも作者にももはやわからなくなっています。

ただかわいくて楽しいだけの双子BLの面も描きたいし、そういう迷いも表現していきたいし。なかなか奥が深いなと今更気づく作者でした。引き続き生ぬるく見守っていただけると幸いです。